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デジタル庁GCASガイド

3. 調達仕様書・契約への反映(STEP 1)

2026/04/08 公開

FinOpsを実施する上での最初のステップとして、事業者と協力してFinOpsを実施するために求める事項を調達仕様書や契約書に盛り込む必要がある。
また、FinOpsを通じたコスト最適化の結果は、運用保守契約の更新や新規調達を行う際に仕様書に反映する必要がある。
コスト最適化計画に則って改善を行った後のシステム構成や運用保守作業を前提とした調達仕様書とすることで、契約金額の削減につなげていく。

3.1 調達・契約におけるポイント

調達・契約の際に、FinOpsを実施するために事業者に求めるべき要件のポイントは以下である。

クラウド利用料の継続的な削減

項目ポイント
クラウド利用実績の可視化・コスト推移やシステム利用状況を可視化するため、ダッシュボードを活用する。
・必要に応じて、より詳細な可視化・分析を行うためのコスト最適化ダッシュボードを構築する。
・予算を超過する場合のアラートなどを設定し、クラウド利用料の予実管理を行う。
クラウド利用料の最適化提案・CSPのレコメンデーションサービスも利用し、クラウド利用料最適化のための提案を行う。
・提案や対応の件数・頻度をKPIとして定めることも検討する。
翌事業年度の改善提案・目標設定・契約年度における最適化目標値を盛り込むことを検討する。

運用管理補助委託料の継続的な削減

項目ポイント
運用保守作業の可視化・運用保守作業の明細を作成し、作業ごとにかかるコストや最適化余地を可視化する。
運用保守作業の削減提案 ・明細化された作業の要否や頻度を定期的に検討し、運用管理補助委託料の最適化のための提案を行う。
・定型作業の自動化に取り組むことを検討する。
運用保守作業の削減実績報告と翌事業年度の改善提案・目標設定 ・契約年度末において、運用保守作業の最適化実績を対応件数や対応工数をベースとして報告する。
・KPIを定めている場合は、KPI達成率をベースとする。

その他

項目ポイント
契約内容の見直し検討・FinOpsの実施結果を踏まえて、必要に応じて運用保守委託経費を含む契約内容の見直しを行う。
・コスト改善活動に係る契約は、別途契約を締結するのではなく、運用保守契約の一部として位置付ける。

3.2 調達仕様書の記載案

運用保守契約において、コスト最適化の取り組みが継続的に実践される仕組みを構築する。
以下は運用管理補助委託契約に追加するための文言案である。内容・ポイントを踏まえ、当該年度で実施する活動内容を選択し、適宜要件として提示されたい。

別紙1-1. 調達仕様書の追加文言案(ガバメントクラウド運用管理補助委託料)

別紙1-2. 調達仕様書の追加文言案(その他の運用管理補助委託料)

3.3 運用保守契約の見直し

事業者と複数年度にわたる運用保守契約を締結する場合でも、年度ごとに契約内容や金額の見直しを行うことが重要である。
必要に応じて契約内容を柔軟に更新することで、継続的なコスト最適化を図るとともに、FinOpsの成果をコスト削減に反映できる仕組みを維持・強化する。

運用保守契約見直しの観点
以下の観点に沿って運用保守契約を定期的に見直すこと。

  • 委託内容
    • FinOpsを活用した継続的なコスト最適化に向けた改善活動は、別途契約を締結するのではなく、運用保守契約の一部として位置づけること。
    • 定型的な運用作業(常時監視や障害発生時の一次対応等)はMSP(マネージドサービスプロバイダー)を調達して委託することでコストを最適化できる可能性がある。
  • 契約期間
    • 長期継続契約の場合、継続的な改善の実施を前提とし、年度ごとに契約内容や契約金額の見直しを行う。
    • 契約期間の設定にあたっては、事前にRFI等により応札可能性のある事業者の技術力やクラウド対応状況を把握し、適切な契約期間を判断する。
  • クラウド利用料
    • 毎年度、コスト最適化目標値について事業者と協議・検討を行い、その結果を踏まえて契約内容を更新する。
  • 運用管理補助委託料
    • 作業内容は契約書において明細化し、各作業に対する工数を明示する。
    • IaCやマネージドサービスの活用によって自動化が可能な作業については、自動化に向けた協議・検討を契約書に要件として明記する。
    • 最適化の対象とした作業項目については、事業者に作業量の可視化による費用対効果の測定・説明を求める。