東宝『ザ・ビューティフル・ゲーム』日生劇場 | おてるの劇場観測日記|演劇ライターの観劇録

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劇場・美術館・コンサートホールを巡りながら、
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 2000年にロンドンで初演、2006年に櫻井翔主演で日本初演@青山劇場、2014年に馬場徹主演で再演@新国立劇場小劇場の、サー・アンドリュー・ロイドウェバ―作品『ザ・ビューティフル・ゲーム』が小瀧 望主演で三演目を迎えました。サーの音楽はアイリッシュに寄せたサウンドが魅力的で、特にベースの刻みが他ミュージカルにない盛り上げなのと、7拍子といった馴染みのない拍子に不安定な状況が反映されていて、実に魅力たっぷり。ソンドハイムのソルフェージュ的な難しさに対し、サーの難しさは音楽を体に取り組む難しさがありますが、メロディの歌わせ方やサウンド作りは圧巻です。

 

 2023年版は木下晴香の独断場ともいえる舞台で、歌唱も一人抜きんでいました。別格すぎて、主演の小瀧 望が歌唱に大苦戦する中、朗々と歌ってしまうのと、デュエットの際のフレージングがずれまくりで、張り上げる音が異なるので、コンビの妙は感じられませんでした。劣等生に合わせることなく、劣等生を見捨てるタイプですね。。。音楽監督・歌唱指導・指揮にベテランの山口琇也が配されていますが、このあたりの事情がどうだったのか、もしくは匙を投げていたのかが気になります💦

 

 アイルランドのティーンエイジャーのサッカー選手たちが、カトリック派とプロテスタント派の争いに巻き込まれていくのですが、多彩な神様が仲良く共存している日本(そして信者ですと言えるような宗教を持っていない人が多数)に暮らしていると、「神様なのになぜ争うんだろう?」ととても切なくなってしまいます。「宗教の話と政治の話はしちゃダメ」とは良く言いますが。ロンドン初演から23年になるのに、今なお世界のどこかで宗教絡みの戦争が続いています。

 

 登場人物はオドネル神父のみ大人で、あとはティーンエイジャーの少年・少女たち。突発的・衝動的な言動や、その場の勢いで生き急いでしまうさまは『ロミオ&ジュリエット』のような若者の世界。日本の俳優はロンドン版に比べて若く・幼く見えるので、より作品に入り込むことができました。でも、彼ら(俳優ね)が人殺しをする人たちには見えないだけに、友人の膝を銃で撃ったり、(音だけですが)射殺シーンが続いたりすると、より痛々しさが増します。感情のコントロールができなかったり、後先考えずに突っ走ってしまう姿に、登場しないけれど「親の顔が見てみたい」となります。そして、親元からの独立や、外国への移住など、日本のティーンエイジャーに比べてかなり大人びているのが印象的。とはいえ、少年サッカーチームなのに、優勝の打ち上げがパブ。確か、アイルランドの飲酒制限って18歳……神父様、良いんですか???

 

 

【キャスト】2023年(2000年/2006年/2014年)
ジョン:小瀧 望(David Shannon/櫻井翔/馬場徹)
メアリー:木下晴香(Josie Walker/安良城紅/大塚千弘)
トーマス:東 啓介(Michael Shaeffer/山崎裕太/中河内雅貴)
クリスティン:豊原江理佳(Hannah Waddingham/華原朋美/フランク莉奈)
バーナデット:加藤梨里香(Alex Sharpe/遠藤麻綸/野田久美子)
ダニエル:新里宏太(jamie Golding/黒田勇樹/小野田龍之介)
ジンジャー:皇希(Dale Meeks/脇知弘/藤岡正明)
デル:木暮真一郎(Ben Goddard/安倍康律/平方元基)
オドネル神父:益岡 徹(Frank Grimes/浜畑賢吉/吉原光夫)

【スタッフ】
脚本・作詞:ベン・エルトン
音楽:アンドリュー・ロイド・ウェバー
演出:瀬戸山美咲(Robert Carsen/ジョーイ・マクニーリー/藤田俊太郎)
翻訳:福田響志(高橋知伽江/黒田絵美子)

 

 

2014年版チラシ

 

2006年パンフレット(チラシ行方不明)

 

2000年ロンドン公演(パンフ行方不明)

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