ほとんどの参考書、さらには「学習指導要領」にまで「主語と動詞」という言葉が用いられていることは大きな問題だと感じています。
学習者本人が「品詞の1つとしての動詞」なのか「文の要素の主語に対する述語となる動詞」なのか、識別できてさえいれば「単なる用語の問題」とも言えますが、少なくとも指導的立場にある人は、品詞の1つの「動詞」と、文の要素の「Predicate Verb」すなわち「述語となっている動詞」のことなのかを言葉で常に慎重に区別する習慣をつけていただきたいと思っています。指導者の言葉の使い方が少なからず、学習者の思考を左右するからです。
また文の要素の「V(Predicate Verb)」という記号は、動詞1語だけを指すとは限らず、「述語を構成している複数の動詞のまとまり」までを意味します。
I [play](V) tennis.
I [am playing](V) tennis.
とVが1語だったり複数の動詞だったりしますね。
論理的には最大で5つの動詞の連続であることもあります。
少々無理やりな例文になりますが、
In an hour, this old piano [will have been being played] for ten hours by him.
(あと1時間で、この古いピアノは、彼によって10時間連続で<演奏され続けたことになる>)
という例文で
S=this old piano
V=will have been being played
です。こういう意味からも「V」を「動詞」という品詞の名称で呼ぶことには問題があると感じているわけです。