参院予算委員会は6日、高市早苗首相が出席して集中審議を実施した。立憲民主党の小西洋之氏は、イラン情勢や原油の確保を巡る日本政府の対応を中心に質問し、首相の答弁について「声が小さい」と苦言を呈する一幕もあった。
小西氏「憲法上の責務をないがしろ」
小西氏は質問の冒頭に、首相の国会に臨む姿勢を問題視した。首相が出席する国会質疑の時間が少ないとの立場から、「国会の場で堂々とわれわれ野党の質問を受けることが首相の憲法上の責務だ。高市首相ほど、この責務をないがしろにしている首相はいない」と述べた。
一方、トランプ米大統領が主張するイランとの交渉期限が迫っている中東情勢について、「(イラン攻撃が始まった)2月28日以降で最も緊迫した状況だ」と指摘。「首相自身がどのようなリーダーシップを発揮しているのか」と尋ねた。
首相は「大変緊迫した状況であり、今朝も報告を受けながら指示を出していて、大変厳しい状況だ」と述べた。米国やイスラエル、イランに働きかけているほか、エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡に関する首脳共同声明に加わっていると説明し、「関係国や国際機関も含めた国際社会と緊密に連携しながら必要なあらゆる外交努力を行っていく」と述べた。
これに対し小西氏は「事態に対する認識が極めて乏しい」と批判した。日本が原油輸入の9割超を中東に依存していることを踏まえ、「武力紛争のさらなる拡大を阻止するということは、単に日本の国益を守るという言葉だけでは生ぬるい。日本の国家としての生存戦略、生き残り戦略の実行が求められている」と述べた。「米国、イスラエル、イランに働きかけて、即刻の、早期の紛争停止のための枠組みを設定する外交努力が求められている」と主張し、「日本の国益、日本の生存戦略のための首脳外交として自ら何を具体的にやっているのか」とただした。
首相「今、予算委員会にいるが」
首相は「しょっちゅうやっていると思う」と述べ、米国、インドネシア、フランスとの会談に言及した。「今、予算委員会にいるが、今日、明日も含めてできる限りの対応ができるように、指示は常にしており、最新の情報に接しながら、できることを模索している」と反論した。
小西氏は「体調がよくないのか、声が小さいので、もう少し大きな声で答弁してほしい」と注文をつけた。
先の日米首脳会談に関しては「(首相が)トランプ大統領に対して、だいぶ、いわば媚びを売るようなことを繰り広げたんじゃないかというような厳しい批判も、報道関係をはじめたくさんある」と述べた。一方、ホルムズ海峡における事態打開に関し「イランとの個別交渉も含め、日本の国益を守るために決然と行動する決意があるか」と迫った。
首相は「日米首脳会談について『媚びを売った』と。それは小西委員から見たらそうかもしれないが、私としては首脳会談のときに、平和を取り戻し、また繁栄を取り戻せるのはトランプ大統領だけだと、つまりトランプ大統領にかかっている旨は申し上げた。その後の会談でもその重要性について累次話した」と強調した。イランに関しては、「調整中だが、トップレベルの会談も含めてあらゆる方法について追求している」と語った。
小西氏「何を言っているかよく分からない」
さらに小西氏は、首相が4日に自身のX(旧ツイッター)で原油確保について行った投稿の説明を求めた。首相は政府の取り組みなどを語ったうえで、「これからのことを予断を持って回答するのは差し控えるが、備蓄の放出があり、代替調達も進め、日本全体として必要となる量は確保されている。これからそれを増やしていく取り組みを懸命に進めている」と述べた。
これを受け小西氏は、「記者会見をやってほしい。世界の首脳は、韓国の大統領はじめ、記者会見をどんどんやっている。(高市首相は)週末にXを使ってSNSで国民につぶやく、しかもそれは読み解いても何を言っているかよく分からないような疑問がいっぱいだ。首相が自ら記者会見を開いて、エネルギー物資の供給確保の見通しと取り組みについて国民に説明をすることを求める」と訴えた。