スペインで見つかったゾウの骨、ハンニバルがローマ侵攻に使った「戦象」か 西欧で初の物的証拠
威信を示す「心理」兵器
論文の筆頭著者で、スペインのマドリード自治大学で教鞭(きょうべん)を執る考古学者フェルナンド・ケサダサンス氏は当時の「戦象」について、「威信を示す兵器だが、同時に心理兵器でもあった」との見方を示す。
ケサダサンス氏はCNNへ寄せた19日の声明で、ゾウは「対峙(たいじ)することに慣れていない兵士に強い印象を与え、恐怖をかき立てる存在だった」と説明した。
「また特に騎兵に対して有効で、敵の歩兵の隊列を乱すのにも役立った」と言い添え、「野営地など敵の仮設施設を囲む柵に攻撃を仕掛ける先鋒(せんぽう)として使われる場合さえあった」と解説した。
ケサダサンス氏は「我々の知る限り、カルタゴ軍のゾウの遺骸が実際に欧州の土壌から見つかったのは今回が初めてだ」と指摘する。古典史料でハンニバルがイタリア遠征前にイベリア半島に残したとされるゾウ21頭のうち1頭の部位である可能性もあるという。
「この発見はスペインや南フランス、イタリアの博物館の倉庫に保管されている古い発掘資料の調査を促すきっかけになるかもしれない」「将来の発掘で出土する骨についても、慎重に確認する必要がある」(ケサダサンス氏)