トイレットペーパーやラップ「パニック買い」に注意喚起 原料が足りているのに「品不足」が発生する理由を徹底解説
「『2カ月程度』とは通常の在庫量で、出荷した分を製造しながら継ぎ足していきます」 中東からの原油輸入はほぼ途絶えているが、政府は3月16日から民間備蓄、同26日から国家備蓄の放出を開始した。 「北米や南米など、中東以外からの代替調達を急いでいます」(同) 現時点で石油化学製品の供給不足は起きていないという。 ■地域により状況に大きな差 中東産原油の途絶による影響は地域で大きく異なる。米国は世界最大の産油国で、イラン情勢を受けガソリン価格は上昇しているが、石油化学製品の供給への影響は限定的だ。欧州も北海(英国・ノルウェー)産や米国産の原油が下支えし、中東からの石油製品減少の影響は小さい。 一方、中東原油への依存度が最も高いアジアでは、供給不安と価格高騰が市民生活を直撃している。バングラデシュでは発電燃料不足で工場が停止し、衣料品の出荷が滞る。パキスタンでは輸送燃料の欠乏で食品や医薬品の配送が遅れ、フィリピンやベトナムでも物流停滞から日用品やプラスチック製品の供給が不安定化している。 これに対して、日本は254日分(昨年末時点)という世界有数の原油の備蓄量を確保していたため、東南アジアのような燃料不足や生活物資の混乱は、現時点で日常生活にはほとんど及んでいない。 しかし、「不安」は人々の行動を乱れさせる。どんな製品も、「パニック買い」による欠品は避けたいものだ。 (AERA編集部・米倉昭仁)
米倉昭仁