トイレットペーパーやラップ「パニック買い」に注意喚起 原料が足りているのに「品不足」が発生する理由を徹底解説
では、石油由来のポリエチレンなどの包装材はどうか。 「包装用の袋が不足しているという話は、会員メーカーからは一切ありません」(同) コロナ禍では、「品不足のマスクとトイレットペーパーの原料は同じ」というデマが拡散し、トイレットペーパー販売のPOSデータは一時前年比で約260%に跳ね上がり、「まさにパニック買いの状況でした」と、担当者は振り返る。 「今回は3月中旬、一時前年比141%まで上昇しましたが、3月下旬には同90%台前半まで下がりました」(同) 仮に包装材が不足した場合はどうするのか。 「段ボール箱に包装せずに入れて出荷するなど、代替手段はあります」(同) ■石油化学製品は足りているのか 石油由来の製品はほかにもある。たとえば、「家庭用ラップ」はどうか。 「サランラップ」を製造する旭化成は、取材に対しこう回答した。 「現時点では減産などの生産調整を行う予定はなく、直ちに一般のご家庭でのご使用に支障が出るような状況にはございません。SNSなどで見られるような急ぎ買い集めを行っていただく必要はないと考えています」 「クレラップ」を製造するクレハも「石油由来の原料は確保できており、通常通り生産している」と説明する。 ■石油化学製品全体で「2カ月程度」の在庫 ポリエチレンなどの原料である「ナフサ」(軽質ガソリン)は、実質中東に依存している。ナフサは原油を精製して作られるが、日本はナフサの44.6%を中東から輸入(24年)。国産も39.4%あるが、ほとんどが中東産原油を国内で精製したものだ。 現在、石油化学メーカー各社はポリエチレンの材料となるエチレンを減産している。 日本の主要な石油化学メーカー25社で構成される「石油化学工業協会」の担当者によると、イスラエルと米国がイランへの攻撃を開始した2月末の時点で、「ポリエチレンやポリプロピレンといった主要な原料は3カ月半~4カ月程度の在庫がある」。 石油化学製品全体でも「国内需要の2カ月程度」の在庫があるという。 しかし、「2カ月程度」であれば、4月末ごろには在庫は底をつくのではないか。そんな懸念に、経産省の担当者は、こう説明する。