停戦案は「過剰要求」 イラン拒否も、米国側は交渉継続へ圧力
トランプ米政権がイランとの戦闘終結に向けて15項目の計画を提案したことに関し、イラン国営メディアは25日、イランがこの提案を「過剰」な要求だとして拒否したと報じた。一方で、イラン側は戦闘終結に向けた5項目の条件を提示したという。双方の主張の隔たりは大きく、事態打開につながるかは見通せない。
パキスタンのダール副首相兼外相は26日、X(ツイッター)で、同国が仲介する形で米国とイランによる間接協議が進んでいると明らかにした。米CNNによると、米政権はパキスタンでのイラン側との会談の実現に向けて動いている。
トランプ米大統領は同日、自身のソーシャルメディアに「イランの交渉者たちは、我々に取引を懇願している」と投稿。「彼らは公には『我々の提案を検討している』と述べている。これは間違いだ。早く真剣になった方がいい。手遅れになれば後戻りはできず、事態は悲惨なことになる」と書き込み、圧力をかけた。
イラン国営英語放送局プレスTVによると、イラン側は戦闘終結に向けた条件として、「侵略や暗殺行為」の完全停止▽戦闘再開を防ぐ仕組みの確立▽賠償金支払いの保証▽親イラン武装組織を含む地域全体の戦線での戦闘終結▽ホルムズ海峡で主権を行使する権利の承認――の5項目を挙げているという。
イラン高官は「停戦は我々が考える条件と時期でのみ実現する」と強調。条件が満たされない限り「敵に大きな打撃を与える」と述べ、徹底抗戦の構えも示した。ロイター通信は別のイラン高官の話として、米国の停戦案に対するイラン側の受け止めは「肯定的ではない」としつつも、検討を続けていると伝えた。
イラン側は米側による軍事作戦拡大への警戒も強めている。イランのガリバフ国会議長はXに、「敵対勢力が地域のある国の支援を受け、イランの島を占領する作戦の準備を進めている」と投稿。仮に攻撃を受けた場合は「その国のすべての重要インフラを標的にする」とけん制した。米軍がイランの原油取引の拠点であるカーグ島の占拠を検討していると報じられていることが念頭にあるとみられる。
イスラエルは米政権が戦闘終結を急ぐあまり、イラン側に譲歩した形で合意を結ぶことを警戒している模様だ。
CNNやイスラエルメディアによると、イスラエルのネタニヤフ首相は、トランプ大統領が近く「1カ月間の休戦」を宣言する可能性があるとみており、今後48時間の間にできるだけ多くの武器の備蓄を破壊するよう軍に命じたという。また、カッツ国防相は26日、イランの精鋭軍事組織・革命防衛隊のタンシリ海軍司令官を殺害したと発表。カッツ氏はタンシリ氏がホルムズ海峡の封鎖に関与していたと主張し、「軍は一人一人追跡して排除する」と述べた。
米政権はホルムズ海峡の事実上の封鎖に伴うエネルギー価格の高騰に神経をとがらせているとみられ、地上作戦への準備を進める一方で、外交による解決に向けた動きを加速させている可能性がある。
米メディアは24日、米政権が仲介国のパキスタンを通じてイランに対し、核開発の放棄やホルムズ海峡の開放などを含む15項目の停戦計画案を示し、この案を協議するため「1カ月間の休戦」も提案したと報じていた。【エルサレム松岡大地、ワシントン松井聡】
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