松沢呉一のビバノン・ライフ

マヒルジャンがトルコで逮捕された—クルディスタンで起きている重要犯罪は家庭内暴力-(松沢呉一)

 

クルディスタンでは今もゲリラ戦が続く

 

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強制送還されたマヒルジャンはトルコで逮捕されました。PKKのメンバーであることから、トルコ国内で指名手配されていたとのことです。

トルコの記事を見ても、それ以上のことはわからないのですが、テロ組織であるPKKのメンバーというだけで指名手配になるとは思いにくく(前に数字を確認したように、トルコ国内にはゴロゴロいますから)、何か具体的な違法行為をやらかしたのだろうと推測します。暗殺したとか、爆弾を仕掛けたとかなら国際指名手配でしょうから、国内指名手配はもう少し軽い犯罪。つってもそれ相応に重い罪のはずです。

トルコと日本は犯罪人引渡し条約を結んでいないため、引渡し要請はなく、情報もなく、そのために20年も放置されたのでしょうが、トルコの報道ではトルコ側からの送還要請があったようでもあって、条約と無関係に日本は日本の法に則って送還し、あちらはトルコの要請で指名手配犯を逮捕するということで政府間の合意があったのではなかろうか。

真相はわからないけれど、このついでに、昨日はクルド関連の記事を読んでいました。「クルディスタンでは6ヶ月で千820件の人権侵害が発生(Kürdistan’da 6 ayda bin 820 hak ihlali yaşandı)」という記事でクルド人が置かれた現実の一端が見えました。

トルコの人権協会(İHD)が北クルディスタンで調査した今年前半のデータを発表したとの記事です。今月の記事なので、ほぼ今現在のものと考えていいでしょう。クルディスタンはクルド人居住地のことで、シリア、イラン、イラクにもあって、トルコ南東部にあるクルディスタンを北クルディスタンと呼びます。北クルディスタンには2千万人が居住。

北クルディスタンでは半年で1,820件の人権侵害が確認されたとのことで、死亡者も少なくありません。PKKは活動を休止したということですが、今もゲリラ活動が行われていて、それによる死者も出ています。

自動翻訳なので、正確ではないですが、少なくとも1人の教師と1人の地方管理者が攻撃されて死亡。おそらくこれはPKKなどクルドのゲリラ組織によって、クルディスタンに派遣されてきたトルコ人が殺害されたものでしょう。教師が殺されるのは理不尽ですが、学校ではクルド語が禁止されて、現在は選択科目としてのみ許されているため、PKKのような組織にとって学校は敵です。

少なくとも7人の兵士、警察官または警備員が紛争で命を落とし、少なくとも16人のゲリラが死亡。これらはゲリラと治安当局との銃撃だけでなく、トルコ民族主義者である灰色の狼との戦いも混じっているかもしれない。こっちはこっちでテロ組織。

刑務所で1人病死、3人が自殺。少なくとも18人の囚人が刑務所で拷問や虐待を受けたとしてますが、どうせ刑務所内で暴れたりするのでしょうから、「拷問」「虐待」 の証言を鵜呑みにはできません。

マヒルジャンが送還された時に「入管を爆破しろ」と叫んでいたのは本気ですよ。そういう組織のメンバーです。

✴︎2025年8月12日付AvrupaDemokrat」 EU議会の民主党が運営するニュースサイトのトルコ語版。

 

 

半年で少なくとも18人の女性が家庭内暴力で死亡

 

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今もゲリラ戦が続いていて、死者も出ているなら、難民の条件を満たしているようにも思ってしまいますが、人口2千万人ですからね。かつて中核革マルが殺し合いをやっていた時代は大量の死者が出てますが、だからと言って、日本からの難民が認められるわけではないように、内戦という状態ではなく、国内でも十分に避けられる程度のものです。以下に出てくるように、クルド人がトルコ国内を移動するのは容易です。

投獄はテロ行為、ゲリラ闘争によるものと思われ、純然たる思想犯ではないでしょうから、この点での難民認定は難しい。つまりはクルド人の難民申請のほとんどは偽装だと見ていいでしょう。

 

 

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