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トレーナーが吐血して倒れる話/Novel by フタバ ハクシ

トレーナーが吐血して倒れる話

4,871 character(s)9 mins

吐血する理由が見つからなかったので、ストレスということにしてます。こじつけですみません!あとトレーナーと2人の時だけ甘やかしてくれるシンボリルドルフってよくないですか!?
ねえ!?
2022/09/24 追記
4000ブックマークありがとうございます!!!!!
これからも皆さんに素敵な時間をお届けできたらと思います!!!
2024/10/10追記
5000ブクマありがとうございます!!
みんなありがとう!

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目覚まし時計のアラームが鳴る。

いつもならすっと起き上がれる筈の朝だが、今日は体が重く感じる。

疲労が取れていないのか、頭に靄がかかっているような感覚に陥る。

少し休みたい所ではあるが、ここトレセン学園は、少々の体調不良で休むことは許されない。

何より、俺の担当ウマ娘であるシンボリルドルフは、1ヶ月後に有馬記念が控えている。そのため、何としても休めないのだ。

重い体を起こし、トレーナー用の服装に着替える。
念のため風邪薬を飲んでから重い足取りで練習場へ向かう。

練習場に着いたのは7時15分、練習が始まる15分前ではあるが、そこにはもうすでに準備運動を済ましているルドルフの姿があった。

「ルドルフ、おはよう。今日も早いな。」

なるべく体調が良くないのを悟られないよう、笑顔で話す。

「おはよう、トレーナー君。」

ルドルフの反応から見るに、恐らくバレていない。
このまま今日のトレーニング終了まで隠し通そう。

「少し顔色が優れないが、大丈夫か?」

やべ。
バレてるかも。

「大丈夫だよ。それよりも今日のトレーニングメニューだが...」

慌てて話を逸らしたが、バレるのは時間の問題かもしれない。なんとか元気なふりをしておこう。

「トレーナー君、タイムは?」

「前回より縮んでる。これなら有馬記念も余裕だな。」

ルドルフは本当に成長の速度が速い。教えた事をちゃんと意識してくれて、トレーナーとしては本当に頼もしい。これなら今日のトレーニングは少し早めに終わりそうだ。

「よし、ではもう一本走ってくる。」

「おう、いってら。」

ここ最近はトレーニングを少し多めにしていたが、今日はルドルフの体調を考慮して早めに切り上げよう。それに、俺も少し疲れているし。

「トレーナー君?大丈夫か?少し汗をかいているが...」

「ん?そうか?」
しまった。

完全に無自覚であったが、どうやら汗をかいていたようだ。このままじゃまずい。

「今日は少し暑いからな。全く勘弁して欲しいぜ。もう冬だってのに...」

咄嗟に嘘をついてしまった。ルドルフ、ごめん。

「なら構わないが...」

そんな会話をしつつ、ルドルフはトレーニングを続けていた。




トレーニング開始から3時間、体調は良くなるどころか悪くなるばかりだ。全身の倦怠感と寒気、頭痛がする。
体は限界に近いが、まだトレーニング終了までは2時間もある。それまで耐えなければ...

「ルドルフ、少し休憩したらどうだ?」

「そうだな。じゃあお言葉に甘えて。」

シンボリルドルフ、皇帝と評されるほどの彼女の走りは、
非常に素晴らしく、美しい。しかし、彼女も完璧ではない。俺がトレーナーになる前はよくオーバーワークをしていたものだ。彼女の向上心は凄まじく、目を見張るものがある。だが、それは同時に自身の体の限界に気づけないということでもある。だからこうして誰かが止める必要があるのだ。

しかし最近は無理をし過ぎた。ルドルフのトレーニングメニューや、献立表の作成、ミーティングなど、かなり仕事が重なっていた。挙句ネットではルドルフのことを叩く記事ばかり目につく。しかし負けていられない。今は大会の準備をする大事な時期なのだから。

「そろそろトレーニング再開するか!」

自分に喝を入れる。

「ああ。始めるとしよう。」

ルドルフもそれに応えるように返事をしてくれる。後2時間、頑張らなければ。





トレーニング終了まで後30分。だが俺の体力は既に限界を迎えていた。体がだるい、頭がくらくらする。まずい、倒れてしまう。それだけは絶対に避けなければ。

「トレーナー君、次のメニューは?」

ルドルフか、もうトレーニングを終わらせたのか?
流石だな、、、

「...そうだな、次は〜」

俺は辛うじて動いている頭をフル回転させながらルドルフにトレーニングメニューを指示する。

「分かった。」

とルドルフがまた走り出した所で、俺は安心して、少しベンチに座り込んだ。それから少しして、

「トレーナー君、終わったぞ。」

この声は、ルドルフ?
ふと自分の左手につけている腕時計を確認する。
時刻は11時半。今日のトレーニングの終了時刻より30分早かった。

「...ああ、今日はこれで終了だ。ルドルフ、お疲れ様。」

なんとか声を出し切り、今日のトレーニングは終わりを迎えた。

「お疲れ様。また明日。」

ルドルフが別れの挨拶をしたのを確認し、俺も立ち上がり、寮に戻る。



その時だった。

胸の奥から何かが込み上げてくる。

「ゲホッ!ゲホッ!ガハッ!」

思わず咳をしてしまった。咄嗟に口を右手で抑え、咳が収まったのを確認し、歩き出そうとすると、右手に何かが付着していた。
それが何かを確認する為に右の掌を見た。そこには、


赤黒い液体が大量に付いていた。

「え...?」

これ、血?

あれ、足に力が、入らない

「トレーナー君!!!」

ルドルフ?

「トレーナー君!!!しっかりしろ!!!」

息が、、、苦しい、、、

「誰か救急車を!!!」

あれ、目の前が、、、暗く、、、













朝からトレーナー君の様子が少しおかしい。
若干顔色が悪そうにしているような気がする。
それとなく聞いてみたが、トレーナー君は大丈夫だと言って譲らない。
私の気のせいなのだろうか。
そう言った事を考えながら、いつものようにトレーニングをこなす。
やはりトレーナー君の指示はわかりやすい。
今何が出来ていないのか、どうすればできるのか、要点を押さえながら、しっかりと的確に指示を下してくれるので、私としてもやりやすい。

ターフを3本走り、ふとトレーナー君の方を見る。
どうやら少し汗をかいているようだ。


何か妙だ。

今は11月初め、紅葉と共に肌寒くなるこの季節に汗をかくとは思えない。

「トレーナー君?大丈夫か?少し汗をかいているが...」

と少し直接的に聞いてみた。
しかし帰って来たのは大丈夫の一点張り。
トレーナー君の体調が少し心配ではあるが、トレーナー君が言っているのだ、疑ってはいけない。
どんな苦難もトレーナー君と一緒に乗り越えて来たじゃないか。

自分に言い聞かせる。

よし、このまま次のトレーニングをやろう。




あれから3時間、無事今日のトレーニングメニューは終了した。

予定より30分ほど早く終わってしまった。追加でトレーニングするかトレーナー君に聞かなくては。

「トレーナー君、終わったぞ。」

取り敢えず今日のトレーニングメニューを終わらせた事を告げる。

「...ああ、今日はこれで終了だ。ルドルフ、お疲れ様。」

どうやら今日は早めに切り上げるらしい。

「お疲れ様。また明日。」

そう言って私は寮に戻ろうと、足を動かしていた。
寮に帰ったら何をしようかと考える。
生徒会の仕事は落ち着いているし、学業もこれといって急ぎの用はない。そうだ、映画館にでも行ってみようか。
確か「ウマ娘の夜明け」の新作が上映しているはずだ。

そんな事を考えながら、足を進めていると、
突然、

「ゲホッ!ゲホッ!ガハッ!」

と誰かが咳をしたような音が聞こえた。
近くにいるのはトレーナー君ぐらいか。やはり体調が優れなかったのかと思い、後ろを振り向くと、



そこには、



血だらけの右手を見て、唖然としていたトレーナー君の姿があった。

ぽた、と血が地面に落ちる音が聞こえたその瞬間、



トレーナー君が、倒れた。



「トレーナー君!!!」 

気づいた頃には、そう叫んでいた。
倒れたトレーナー君をすぐに抱き上げる。
口元には、大量の血が付着していた。


「トレーナー君!!しっかりしろ!!!」


トレーナー君からは

「...ハッー.....ハッー...」

とか細い呼吸音が聞こえる。
目には涙が溜まっており、誰が見ても苦しそうな顔をしている。

このままでは、トレーナー君が死んでしまう。

「誰か救急車を!!!」

お願いです神様。

トレーナー君を死なせないでください。
そう心の中で叫んだ。

「カイチョー?大丈夫?凄い声聞こえたけど....」

この声の主はよく知っている。
トウカイテイオーだ。
願いが届いたのかはわからないが、非常に助かった。

「テイオー!すまない!すぐに救急車を!」

テイオーは何が起きたのか分からないような顔をしていたが、トレーナー君を見てすぐに理解したのか、

「わわっ!?トレーナー!?分かった!救急車ね!」

テイオーがすぐに携帯を取り出し、救急車を呼ぶ。


トレーナー君。

もう少しの辛抱だ。

だから、

死なないでくれ。




 






あれ?

俺、何してたんだっけ。

そうだ、ルドルフとのトレーニング中に倒れたんだ。

ってことは俺、死んだのかな、、、

あれ、、でも瞼は開く、、、

もしかして俺、生きてる?

「....?...トレーナー君?....」

ルドルフか?....そこにいるのは....

「ルド...ルフ....?」

精一杯喉から声を出す。

「ッ!...トレーナー君!!!」

その瞬間、ルドルフが俺の方へ飛び込んで来た。
いてて。

「トレーナー君!!!.....良かった......」

「おはよう、ルドルフ。」

よっぽど心配させたっぽいなぁこれは。

「ごめん。何日寝てた?」

「ほんの...数時間だけだ...」

そう答える彼女の声はどこか涙を流しているようにも聞こえた。

「そうか....大丈夫。俺は元気だよ。」

そう言いながら俺はルドルフの頭を撫でる。
顔は俺に抱きついている為確認できないが、尻尾は大きく左右に揺れている。
全く、ウマ娘というのは分かりやすい生き物だ。

「ここは?病院?」

起きたばかりで気にしていなかったが、寮の天井ではないようだ。

「ああ。たまたまトレーニングで近くに来ていたテイオーが救急車を呼んでくれたんだ。
 吐血の原因は、ストレスと睡眠不足だそうだ。」

ルドルフが俺から離れ、椅子に座る。
やべぇ、長時間説教コースになりそう。

「全く君は、他人の事よりまず自分の事をだな....」

あーこれは後2時間はこの調子ですね。
どうしましょうか。

「カイチョー?トレーナーは目覚めた?」

声と共に扉が開き、そこにはよく知っている人影が見えた。

「テイオー。おはよう。」

と軽い挨拶をする。

「お前が救急車を呼んでくれたのか。ありがとう。」

ルドルフから聞いた話を元にテイオーに感謝する。

「感謝すべきは、ボクじゃなくてカイチョーでしょ?
カイチョー、ずっと君の側にいたんだよ。」

マジか。
俺って実は好感度高かったりする?

「本当か。ルドルフ、ありがとう。」

心から感謝の意を伝える。

「トレーナー君。その、一つ我儘を言ってもいいか?」

ルドルフからそんな言葉が聞けるなんて驚きだ。

「何だ?俺ができる事なら何でもする。言ってくれ。」

と返信を返す。
いつも皇帝とまで言われるルドルフがデレたのだ。
これは応えるしかあるまい。

「あの、今度、一緒に買い物に行かないか?」

「あ!それってもしかしてデート!?良かったじゃん!
トレーナー!」

テイオーが囃し立てる。
全く、こいつは...子供というか、なんというか、まあ何はともあれ返事はもちろん

「いいぞ。何処へ行くか、考えておく。」

こういうところぐらいは男ってとこ、見せてやるか。

「本当か!?ありがとう!期待しておく!」

ルドルフとの絆が、深まった気がした。

Comments

  • フタバ ハクシAuthor

    皆さんバッドエンドをご所望のようで... よければ書きますが需要ありますかね?

    May 12, 2022
  • スタミナ特化

    これあれやろ?実は昏睡状態で夢見とるんやろ?

    May 3, 2022
  • 怠惰

    トレーナー死亡による闇堕ちルート待ってます

    April 20, 2022
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