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妖界ナビ・ルナ

登録日:2020/08/18 Tue 07:18:00
更新日:2026/03/14 Sat 20:20:37
所要時間:約 10 分で読めます




いつもまわりの人を思いやって……そう、できれば好きになること。

ときには、ルナにとって、ひどいことをする人がいるかもしれない。

でも、その人のことでさえも許せる心をもって。



妖界(ようかい)ナビ・ルナ』は、小学校中・高学年以上向けの児童文学シリーズ。フォア文庫と青い鳥文庫より刊行。またはそれを原作とした『なかよし』で連載された漫画作品。



【概要】



原作は『美少女戦士セーラームーン』のノベライズなどでも知られる池田美代子。挿絵はフォア文庫版一期は琴月綾、二期以降は『人類は衰退しました』の挿絵などを手掛けた戸部淑。
フォア文庫で開始され、一期全10巻、二期全2巻が発売される。
しかし、池田氏の病気療養の後、青い鳥文庫に移籍し、『新妖界ナビ・ルナ』として再出発した。『新』の方は全11巻。

これに伴いフォア文庫版は絶版となったが、『新』完結後に青い鳥文庫から全9巻で発売された。
具体的には5巻まではフォア文庫版と同様、6、7、9巻は2巻分を1冊に纏め、8巻は1巻分しかない為、追加エピソードが書き下ろされた。全巻とも本文は加筆修正、おまけコーナーと解説は差し替えられた。ややこしい? そうだね。
他に番外編「悪夢へのプロローグ」が青い鳥文庫の短編集『面白い話が読みたい!マジカル編』に収録されている。
ファンブックではこの作風で学園パロ。クイーンといい流行ってたんか。一応シリアスに進み、因縁も精算された。
また新聞に連載していた短編も改めて青い鳥文庫版で出されている。但し電子書籍のみ。

漫画版は『まもって!ロリポップ』の菊田みちよ作画。「赤い花の精霊」(青い鳥文庫版では「朱雀・青龍編」に収録)の冒頭までを大小様々な改変を交えて漫画化、独自展開で完結させた。

児童文学かつ琴月、戸部、菊田諸氏による可愛らしいイメージの絵柄もあって、楽しく可愛い物語に見られがちだが、その実態はかなりハード。
決して可愛らしい日常パートがないわけではないものの、内容の多くはシリアスなシーンが占め、バトル要素も強い。あと人死にはバンバンでる。

児童文学故か、三人称かつ敬語で淡々と進む地の文も神秘的ながらも恐ろしい本作のイメージ作りに一役買っている。
児童文学としては珍しく100万部を越える発行部数を出しており、
ファン層は小・中学生にとどまらない。シリーズが終了した今でも、アニメ化を希望する声も根強くある。
ただし、深夜アニメにしないと放送できないかもしれない。こんな夜遅くに見る人いるんですかなぁ?


【あらすじ】


便宜上、青い鳥文庫版の巻を単位として説明する。


・一巻「解かれた封印」~五巻「光と影の戦い」
竜堂(りんどう)ルナは養護施設、星の子学園で暮らす、もうすぐ小学生四年生になる女の子。
地震が起こったある夜、友人のサエが謎の化け物・かまちにさらわれるという事件が起きる。
それをきっかけにルナは妖怪のスネリともっけに出会い、自らが妖怪と人間の間にできた伝説の子だと知る。
サエの救出には成功したものの、普通の子としての生活は諦め、妖界ナビゲーターとして人間界に来てしまった妖怪を妖界に帰しながら、世界を支配する力を持つ悠久の玉を探すべく、スネリともっけを連れて星の子学園を旅立つ。
四人の妖怪を妖界へと帰還させた後、妖界と人間界を繋ぐ入り口のある夜鳴島でルナは恩師の都和子先生や、謎の少年タイと再会。都和子がルナとタイの秘密を明かした後、タイはルナに攻撃を仕掛ける。そして、二人の戦いが始まった。


・六巻「朱雀・青龍編」~八巻「決戦と決別と…」
タイとの激戦を終わらせたルナは、妖界と人間界が通じる道を封じて、スネリ、もっけと共に暮らしていた。しかし、TVで怪現象が起こっている街を知ったルナはその問題を解決しに再び戦いに身を投じる。
紆余曲折の末、その怪現象の理由は四神の一人・朱雀の暴走だとわかったが、同時に朱雀から悪しきものの存在を告げられる。
ルナは再び旅を始め、四神全てと接触することに成功したがその中でタイとの戦いをも仕組んでいた黒幕の存在を知る。


・九巻「妖界への帰還」~『新・妖界ナビ・ルナ』
妖界へと渡ったルナはスネリの妹・サネルと共に妖怪の学校、蓮々書院に通っていた。しかし、悠久の玉が盗難される。悠久の玉とタイに託されたカザンの捜索という目的のため、ルナはそれぞれ兄を探す新たな仲間ふうりとソラウと一緒に旅を始める。
人間界へと渡り情報を集めるなか邪悪なる半妖の少女、透門ナナセや特殊な能力を持つ御庫裏雛子と出会う。ナナセとの戦いを終わらせたルナは、その中でそれぞれの旅の目的を果たし、ついにナナセを操っていたナナセの父・カイリュウの元に赴く。



【登場人物】


〇メインキャラ


竜堂(りんどう)ルナ
主人公。孤児として育つが、実は人間と妖怪のハーフ。父の竜堂清吾(せいご)は陰陽師、母のレンメイは妖界の沢白国(たくはくこく)の第一王女。
人間界で妖怪の力を開放するとうなじにある第三の目が開き、瞳が赤いうず目に変化する。この状態だと人間時と比べ飛躍的に運動能力が上昇する他、陰陽道の術も使えるようになる。
九字の切り方をルナを通して覚えたという読者も多いのでは?
妖界での姿は銀髪かつ銀色の大きく美しい尻尾を持つ狐娘。
大食いで、一番好きな食べ物は焼きそば
旅のなか住まいは家賃も安めでいつでも引っ越せるようなオンボロアパートを選んできたため、最早オンボロアパートで暮らすのに適応しすぎてる節がある。

恩師である都和子に学んだ「人を許す」心に忠実であり、星の子学園時代はサエに多少嫉妬の目から意地悪をされてもいつか友人に戻れると信じていた。
また、命を狙ってきた相手でも決して単なる怒りだけで戦うことは滅多になく、どんな相手も許してしまう優しい聖女。
しかしその優しい精神に反し毎巻辛い目に合い続ける哀しき少女。毎巻、肉体的・精神的問わない多様な方法でショックを受けることが多い。


・スネリ
ルナを助ける使命を背負った女妖怪。青い鳥文庫版「解かれた封印」の巻末にて、実在する妖怪「すねこすり」の仲間と確定した。妹にサネルがいる。
普段は白猫姿だが、正体は見えない霧。弱ると猫姿に戻るけど。妖界では大猫になる。
「イケテルバージョン」と呼ばれる、ショートヘアーの人間のお姉さんの姿にもなれるが、琴月版ではビックリするほど肌を露出した服装。
様々な能力を持ち、肉球で触れた相手を回復させ、尻尾で触れた相手の記憶を消すことができる。一部ではスネリの嗅覚で異変を察知してはルナ達が出向いていた。

しっかりもので、ルナの良き姉のような立場。もっけ共々ルナに勉強を教えていることも多い。
一方、使命のために別れることを選んだ恋人キンカのことが心のどこかで引っ掛かっている一面も。


・もっけ
ルナを助ける使命を背負った男妖怪。青い鳥文庫版「解かれた封印」の巻末にて、実在する妖怪「たたりもっけ」の仲間と確定した。でもこっちは祟らないぞ、安心だね。妖界では母と二人暮らし。
普段は梟姿だが、正体は光る影。弱ると以下略。妖界ではスネリと同じく大型化する。
原作では最初は人間界では人間姿に変身できなかったが、一部後半から可能になった。人間姿は茶髪の中学生くらいの少年。漫画版では最初から人間姿で登場した。

スネリとは正反対にお調子者であるが、ルナを思う気持ちは変わらない。ルナにとっては兄のような存在。
「白銀に光る剣」(青い鳥文庫版では「白虎・玄武編」に収録)にて人間である梨子に恋をする。梨子からも決して悪しからず思われていたようだが……



・タイ
一部前半でルナを導く謎の少年。カザンという犬型の妖怪を連れている。
「人魚のすむ町」で存在が示され、「黒い森の迷路」で姿を現すが、何とうず目を持っていた。漫画版では「解かれた封印」から登場、正体も原作より早く明かされる。
好物は塩たっぷりの野菜ラーメンらしい。
琴月版では肩出し、臍出し、短パン、サイハイソックスという奇抜さだが、他の版では比較的まともな格好になった。
その正体はルナの双子の弟。赤子の頃にさらわれ、劣悪な環境で生きてきた事から人間不信に陥る。
世界滅亡を望み、悠久の玉を巡ってルナと争う。ルナとは異なるタイプの九字を切る。


・カザン
タイに付き従う、犬型の妖怪。タイの指示にはどこまでも忠実だが、それ以外の相手には残忍。
「光と影の戦い」で妖界へと送り返されるものの、その消息を掴めず、二部でもキーパーソンとして扱われる。
「黄金に輝く月」(青い鳥文庫版では「決戦と決別と…」に収録)では元気そうだったのだが、『新』では死に瀕し体を乗り換えることに。ルナの助けを借りず妖界に戻ったせいだろうか?


都和子(とわこ)
かつて星の子学園に勤めていた、ルナの恩師。ルナに人を許す心の尊さ、大切さを教えた。
転勤で星の子学園を去ったと思われていたが、旅のなか再会し……。
実はルナとタイの母・レンメイの妹で本名はレンスイ。星の子学園を去ったのは連れ去られたタイを探すためだった。ルナとタイの戦いのなかで、自らも命を散らす。



透門沙李(とうもんさり)
全てを知る闇の陰陽師。第一部のラスボス
見た目は若い美女だが、その実200年以上生きているとのこと。
竜堂家の祖先の罪に対する復讐と人間界の支配のために動いていた。


・サネル
スネリの妹。蓮々書院ではルナとクラスメイトだった。温和で心優しい性格で、ルナともすぐに仲良しになった。基本的には妖界で待ってる役。


・ふうり
「妖界への帰還」から登場した雷獣。愛の妖怪で、妖精のような羽根が生えた姿をしている。
人間姿はツインテールの幼女。人間界では妖精姿は小鳥に変換された。
初登場時は術をかけられ粗暴な性格であったが、本当は優しく無邪気な性格。かなりのブラコン。
兄であり、行方がわからなくなったシフウを探すためにルナの旅に同行する。


・ソラウ
「妖界への帰還」から登場。もっけの親友で、蓮々書院では優等生だった。
人間姿は利発そうな少年。妖界での雷獣姿は人間界ではシベリアンハスキーに変換されたが、能力は健在で空を飛んだり風を操れる。
ルナに妖力の封印を解除してもらったことや、行方不明の兄・ヒュウこそがカザンの正体ではないかという疑いからルナと共に旅に出ることになった。
成長したルナにとっては身近な男性ということもあり拙い恋心を寄せられているものの気がついていない鈍感野郎。ついでに雛子ともフラグを立てた。
実はヒュウとは本当の兄弟ではない。その正体に関しては本編では確かな形では言及されてないものの、情報をまとめるとある仮説が浮かんでくる。


・透門ナナセ
『新』から登場する半妖の少女。ルナと同じくらいの外見年齢で、お手製の妖界着を着用している。その素顔は当初ベールで覆われていたが、額には梵字が刻まれ、目は閉ざされている。
正体不明の黒い獣をつれていることが多い。
自らの目的のためには他人はもちろん、自分の犠牲さえも省みない残酷かつ執念深い性格。劇中ではほとんどの期間を身体の首から下が生きながら腐り、視力もない状態で行動していた。
四神を急襲し深手を追わせたり、自らの体を犠牲にして鬼神を呼び出すなど戦闘能力はかなり高い。
ヒュウやシフウの行方に関する秘密も彼女が握っており、物語の中で幾度とルナの前に立ちはだかり続けた。
実は、御庫裏雛子とは生き別れの姉妹。だが、その生い立ちゆえに雛子に情はなく、信頼しているのは父・カイリュウただ一人。


御庫裏雛子(みくりひなこ)
『新』から登場。年齢でいえば高校生だが、事情があり学校には行っていない様子。ルナにも負けないかなりの大食漢で、数日間眠ったあとのこととはいえ数日分の食事を平らげた。
探し物を見つける霊的な能力の持ち主で、カザンやヒュウ、シフウの行方を探すルナたちにその能力を頼られたことから知り合いとなる。
そのなかでナナセとの戦いに巻き込まれていくようになり、自らの宿命に気が付いていく。
実は透門ナナセは生き別れの双子の妹である。今の両親は子供の頃引き取られたものであり、実の親ではない。


・カイリュウ
妖界にある焔紅国(えんこうこく)という国の先代王、ヒリュウの長男。弟であり現国王のコリュウに命を狙われていた。
娘である透門ナナセを用いて、妖界を支配・人間界の滅亡を目論んだ。すなわち本作のラスボス。


四神



・朱雀
南方を司る火の鳥の姿をした神。人間態は東洋風の赤い衣装を身に纏ったおかっぱ頭の黒髪の少女。
誇り高い性格。花の精霊に同調した余りに毒を撒いたり、穢れた地に封じられたことで山火事を起こしたこともある。
クールな性格の美ロリという点が受けたのかファン人気は非常に高い。


・青龍
東方を司る青い龍姿の神。人間態は青の衣装に長髪の青年。美しい声の持ち主で、笛の名手。
どんな相手にも丁寧な性格だが、実は猫が大の苦手。昔猫に引っ掛かれたからだとか。


・白虎
西方を司る白い虎姿の神。人間態は記憶を失っていた頃は白い髪と灰色の眼の少年だが、四神としての力を取り戻すとどちらも銀色に。勇敢で戦闘能力が高い。
ロリショタコン……もとい、子供好きな性格。子供達を見守っている間に彼が持つ筈の剣に細工がされ、自分が誰か分からなくなる。
その後は「駿尾(しゅんび)」と名乗り、自分を取り戻そうと神かくし事件を起こした。


・玄武
北方を司る蛇姿の神。人間態は黒い杖を持ち白い衣を纏った老人。
酒が大好きでよく飲んでいる。一方、知識・知能面に優れ、一目見ただけでナナセの不調を見抜くなど観察眼もある。



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最終更新:2026年03月14日 20:20