light
The Works "ランサーさんといっしょ" includes tags such as "Fate", "アーチャー" and more.
ランサーさんといっしょ/Novel by ときは

ランサーさんといっしょ

1,121 character(s)2 mins

どんだけ!ランサーさん(novel/40989)の後みたいな。これも『いっしょ』シリーズ初の男性登場。やっぱりBLでもなんでもない。

1
white
horizontal

 きりり、と弓の弦を引き絞る。狙いは後頭部、勿論当てる気で。そもそもあちらには強力な矢避けの加護がついているのだ、こんな何の変哲もない矢など当たらないだろう。もし当たったとしたらそれはどこかの神の思し召しで済ましてしまおう。さすがに後頭部に矢が刺されば自分の行いの悪さにも反省の色くらい見せるやもしれないので。
 引き絞った弦を放すとパン、といい弓鳴りの音と共に矢は一直線に目標へと飛んだ。あともう少しで命中、と言う所で目標は今まで手に持っていたものとは違う赤い槍で飛来した矢を叩き落とした。
「お前、ちょっとは威嚇射撃で済ますとか何とかしろよな!」
「本気で狙っても結局当たらんのだから別に構わんだろう」
 片手に釣り竿、片手に赤い槍を持った青い最速の英霊はがう、と吼えた。しかも格好はいつものど派手なアロハだ、英霊の神々しさのかけらもない。今の矢を防ぎきらなかったらただにチンピラにしか見えないことだろう。
 時刻は10時を少し回った辺りか、この最速の英霊が衛宮士郎を連れ出したことはその瞬間から気づいていた。だが時期も夏休み中で時間も4時を回る前だったので30分もすれば帰ってくるだろうと思っていたら、待てど暮らせど、もとい、いつまでも帰ってこないまま夜明けを向かえた。別に魔力は十分に足りているし眠らなくても大して問題は無かったのだが、気分は最悪だった。
「何だよ、坊主を迎えに来たのか?」
「そんな訳なかろう。今日はそれが朝食当番だったのに職務を放棄して帰って来もしないから説教をしに来てやったのだ」
「・・・・・・・・・・・・・・俺が全力で走って30分の距離まで?」
「距離ではなくけじめの問題だ」
 そう、けして迎えになぞ来たわけではない。自分の職務を放棄する愚かさを諭しに来たのだ、年長者の義無として。ついでなので回収して帰っても構わないが。大体朝になったら衛宮士郎がいないものだから桜は取り乱してついでに黒い何かが蠢き出してライダーが慌てたり、セイバーが魔力の供給不足のせいか食事をしながら睡魔に襲われていたり、それを見た凛に非常に痛い視線を送られたり、散々だったのだ、今朝は。
「ほー、じゃあその手に下げてんのは何だ?」
「私は君と違って気遣いが出来る人間という事だよ」
 早々に朝食の片付けを洗濯を済ませて、ついでに朝食の残りでちょっとした軽食を作って持ってきたのは、どうせランサーと言う男はその辺りの気遣いが出来るような男では無いと私の中で定義されているからで、別に衛宮士郎が空腹を抱えているだろうとか、そういった考えからではない。決して。
「お前も変な所で不器用だよなぁ」
「何の話だ」

Comments

There is no comment yet
Potentially sensitive contents will not be featured in the list.
© pixiv
Popular illust tags
Popular novel tags