AI

2026.01.07 09:00

マスクが断言、「2026年はシンギュラリティの年」──テック界の巨人たちが予測するAIの未来

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兆候と象徴

終末論めいた話にするつもりはないが、古典的な「黙示録」の言い回しやイメージのいくつかは、ここで関係してくるかもしれない。実際、私はここでふざけて、未来の鮮烈な情景(白い馬に乗ったロボットのバイブコーダー、赤い馬に乗った歌って書くロボットなど)を描いてみせることもできるし、GPTにそれをやらせることもできる。だが、その代わりに、AIの自律性の兆しと、市場における人間の技能の置き換えを示すいくつかの前兆を挙げておこう。

1つは、同僚アレックス・ウィスナー=グロスが指摘した、Stack Overflowの死だ。同サイトへのクエリ数は崩れ落ちるように減っており、人間がもはやそれほどコーディングをしていないことを示唆している。

次に、画像モデルの急速な進歩がある。詩や小説や学位論文や広告や政策ペーパーを書けるモデルもそうだ。パラリーガルや詩人の大軍が、価値を付け加えられる場所を求めて街を歩き回るが、むなしく終わる。

また、環境の中でAIが占める位置づけもある。世界中でインフラがキノコのように増殖し、これらすべてを動かすために宇宙空間に発電所を置くという構想さえ語られる。人間とロボットの境界線が曖昧になる中、私たちは間もなく根本的な変化を目にするかもしれない。Substackのライター、ファイサル・アーメド・オメが書いた、ぞっとするような記事を見てほしい。そこではCRISPR(遺伝子編集技術)で編集された胚にAI機能を組み込むことが想定されている。私は、米国の法域がこの種の現象に対して「寛容」だという彼の指摘は的外れだと思うが、アイデア自体は成り立つ。もし私たちがAIを人間に組み込み始めたら、確かに、シンギュラリティはすでに起きたと主張できるだろう。

「その結果」とオメは書く。「認知能力のベースラインが強化された子供たちが生まれる。彼らは『より賢い』のではなく、知性との接し方が異なるのだ」。

これは奇妙な言い方だ。

ここに、オメのもう1つの予測がある。タイトルは「AI Influencers Capture the Majority of Ad Spend」(AIインフルエンサーが広告費の大半を獲得する)だ。

「2026年後半までに、リアルタイムで生成され、センチメントを把握し、超パーソナライズされた合成の人格がデジタル広告を支配するだろう」とオメは書く。「彼らは単に製品を宣伝するだけではない。視聴者ごとにトーンとメッセージを調整しながら、キャンペーンを自律的に運営する。本当の変化はマーケティングではない。規模を伴った物語(ナラティブ)の支配なのだ」。

「規模を伴った物語(ナラティブ)の支配」という言葉は、背筋を凍らせるはずだ。

そして、長寿についてはこうだ。

「長寿は不死として到来するのではない。メンテナンスとして到来する。ナノボット支援の若返り療法が後期臨床試験に入り、特定の老化マーカーを逆転させ、健康寿命を延ばす。永遠ではないが、人生設計の前提を根本から覆すには十分な長さだ。経済的含意は巨大だ。キャリアは1世紀にわたり、教育サイクルは書き換えられ、退職は時代遅れになる」。

もちろん、この人物だけがSubstackでシンギュラリティについて書いているわけではない。だが、こうした理論の抜粋は、比較的近い将来に何が起こり得るかについての概観として、かなりの部分を占めていると思う。2026年が始動し、AIが私たちの期待を再定義し続けるなかで、検討・進行中のあらゆるものに目を光らせておくことだ。

(forbes.com 原文)

翻訳=酒匂寛

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2026.03.25 11:00

なぜマイナビはAIを「内製」するのか 全社員を当事者に変える民主化の要諦

AI戦略室を触媒として、プロダクトの内製化と社員のAI活用スキルの向上を進めるマイナビ。

ビジネスとエンジニアリングを融合させ、ボトムアップで組織をアップデートさせようとする取り組みの真価とは。


マイナビは2024年10月、AI戦略室を設置した。プロダクト開発の内製化と全社教育を並行して推進する体制は、既存ツールの導入にとどまらない、事業構造のアップデートを目的としている。この大胆な改革の背景にあるのは、テクノロジーの急激な変化に対する危機感だ。デジタルテクノロジー戦略本部副本部長 兼 AI戦略室室長の谷本健次(写真。以下、谷本)は、その必然性を次のように話す。

「技術革新のスピードは増すばかりです。最新鋭のテクノロジーを組み込んだサービスであっても、リリースの段階で時代遅れになるリスクを常にはらんでいます」

外部の協力を得る開発では、要件定義から実装まで数カ月から年単位を要するケースも少なくない。技術環境が激変するなか、自社内で即応できる体制を構築し、改修のタイムラグを極限まで排除することは、事業を成立させるための最低条件であった。

だが、技術への投資が必ずしも成果を約束するわけではない。AI活用の成否を分けるのは、技術力そのものよりも事業現場の課題との適合性にある。この乖離を埋めるため、AI戦略室は約40人の体制のうち、ビジネスサイド出身者を5人配した。

「エンジニアとは別に、営業現場などで顧客と向き合ってきたメンバーが初期段階から介在する。現場のリアルな課題から逆算して開発の意義を定義することで、テクノロジーを具体的な解決策として機能させるのが狙いです」

彼らがビジネスとエンジニアリングの結節点となることで、技術が独り歩きするのを防ぐ。その実例が、24年にローンチした、高校生向けのAI活用型動画面接練習サービス「AI-m(エイム)」だ。

当初、求職者向けのAI面談サービスとして開発された同プロダクトは、実証実験(PoC)において仮説通りの反応を得られなかった。ロジック上は、AIによる面談の代替が効率的であるという論理は成立しても、ユーザーである求職者側には自分の経験をAIにさらけ出すことへの心理的障壁や納得感の欠如があったのだ。この停滞を打破したのは、現場に対する解像度が高いメンバーによる用途の転換だった。

大学受験における推薦・総合型選抜の増加で面接対策の重要性が高まる一方、教員たちは多忙を極め、生徒一人ひとりに十分な指導を行うことができないという高校現場の構造的な課題を、これまでの営業活動を通じてつかんでいた。

「選考の場ではなく、練習の場であればニーズがある」。この仮説に基づき、技術を評価ではなく「トレーニング」へと最適化させた。結果、同サービスは現在約180校、2万人を超える受験生が利用するサービスへと成長している。

谷本は「現場と技術の距離を限りなくゼロに近づけることが内製化の要諦である」と説く。市場の反応を即座にプロダクトへアジャストさせる機動力。このスピード感の追求が、同社が体制を内製化した最大の狙いなのだ。

AIを全社員共通の標準スキルへ

プロダクト開発と並行して、マイナビが注力するのが社員一人ひとりのAIリテラシーの向上、すなわちAIの民主化である。特筆すべきは、そのアプローチがトップダウンの体制化ではなく、徹底したボトムアップの草の根活動に支えられている点だ。象徴的な取り組みが、25年に始動した研修プログラム「マイナビ文系AI塾」である。

その名の通り、営業や企画といった非エンジニア層を対象としたこの塾には、当初の予想を上回る約900人が参加。だが、この熱量は突如として生まれたものではない。

「現在のAI戦略室の母体となった、AI推進課という組織があります。同課のメンバーは、戦略室が設立される2年ほど前から全国の支社を回り、勉強会を開くだけでなく、現場の社員の隣に座って一緒に仕事をしながら、個別の悩みに応え続けてきました」

デジタルを浸透させるために、あえてアナログでウェットな対話を積み重ねる。この現場に徹底して寄り添う伴走支援が、現場の心理的ハードルを溶かしていった。こうした地道な継続が、「マイナビ文系AI塾」という大規模な研修プログラムを動かす大きなモメンタムとなったのだ。

AI戦略室が目指すのは、単なる業務効率化ではない。AIを、職種や業種を超えて通用する「デジタルポータブルスキル」として定義し、個人の可能性を拡張することにある。

実際、社内では変化の兆しが表れている。25年末の社内向けAIイベントでは、マーケティング部門へ異動した社員から「AIと壁打ちを繰り返すことで、未経験からマーケターとしての視点を習得できた」という声が上がったという。AIが組織の壁や経験不足を補完し、社員のキャリア転換を後押しする武器として機能し始めている。

また、25年に導入されたノーコードの生成AIアプリ開発ツールの活用も加速。アカウント申請数は1,500を超え、現場主導で自作業務アプリが量産されつつある。谷本は「AI戦略室が一方的にツールを『つくって配る』のではなく、社員自らが課題を見つけ、自ら解決策を構築する。この自律的なサイクルが回ることで、組織全体の解像度が確実に上がっていく」と説く。

効率化の先にあるのは、個人の価値向上であり、ひいては顧客への提案の質に直結する。マイナビが挑む民主化の本質は、テクノロジーを全社員の標準的なスキルへと引き上げ、個々のポテンシャルを最大化させる組織的な生存戦略だといえる。

テクノロジーが問い直す「介在価値」

谷本は一貫して「AIはあくまで手段である」と強調する。マイナビがAI戦略において課題解決を出発点に据えるのは、それが同社のパーパス「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。」ことに直結するからだ。

「求職者支援において、すべてをAIに置き換えるという発想はありません。私たちが最も大切にしているのは、顧客との深い接点、いわゆる『ヒューマンタッチ』と呼ばれる領域です。AIを活用するのは、その質を極限まで高めるため。そこに尽きると考えています」

生成AIをはじめとするテクノロジーが急速に進化を遂げるなかで、人の役割はどう定義されるべきか。谷本はこう答える。

「何より大切なのは、AIは人の可能性を広げ続けるためのものであるということです。ビジネスがAIだけで完結し、利益を上げる未来は来るかもしれません。しかし、人が働く満足度や幸福感は、人とのかかわりのなかに存在します。相手の信頼を勝ち取るための想像力や対人コミュニケーションの重要度は、むしろ以前より増していくでしょう。採用や育成のあり方も、そこを起点に再議論されていくはずです」

全国にある拠点で日々蓄積される社員や顧客のニーズを、テクノロジーによって即座に事業へ還元する。アナログな現場で培ってきた信頼とデジタルの機動力。このふたつが結びついた先に、次世代のキャリア支援の新たなかたちが見えてくるのかもしれない。

マイナビ
https://www.mynavi.jp/


たにもと・けんじ◎マイナビ 執行役員デジタルテクノロジー戦略本部副本部長 兼 AI戦略室室長。2007年、毎日コミュニケーションズ(現 マイナビ)入社。就職情報事業本部で営業業務、人事統括本部で採用業務を担当した後、2024年AI戦略室室長に就任。2026年より現職。

promoted by マイナビ / text by Motoki Honma / photographs by Daichi Saito / edited by Aya Ohtou(CRAING)

AI

2025.09.04 12:00

汎用人工知能・AGIは「数年から20年」で到来、AIに「母」の役割を組み込むべき

salihkilic / Getty Images

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人工知能(AI)分野で最も影響力のある人物の1人、トロント大学名誉教授のジェフリー・ヒントン教授が警鐘を鳴らした。人類がその知能を凌駕する機械に備えられる時間はなくなりつつある。ヒントン教授は、ラスベガスで8月に開かれた北米最大級のAIカンファレンス「Ai4 2025」で講演し、汎用人工知能(AGI)が5年から20年以内に現れる可能性があると語った。これは、従来よりも短い見通しだ。

AGIは5年から20年で到来か、ヒントンが予測更新

ブルームバーグのシリン・ガファリーは、「AIのゴッドファーザー」の異名を持つトロント大学名誉教授、ヒントンとの会話をジョークで始めた。彼女は、セッション前に行われた「ロボット対人間」のボクシング試合に触れたのだ。この試合は、人間があっさりと勝利したが、彼女は「今のところは人間が勝てた」と冗談を飛ばした。ヒントンはそのやりとりに笑みを浮かべていたが、話のテーマが彼の目下の研究の中心である「AIが人間の知能を追い越すのはいつか」という問いに移ると、表情を一変させた。

「専門家の多くは5年から20年の間だと考えている」とヒントンは述べたが、彼自身の予測は大きく縮まった。「私は以前は30年から50年先だと言っていたが、今では20年以上先かもしれないし、ほんの数年後かもしれない」。

ヒントンが思い描いているのは小規模な進歩ではない。彼は、どんな人間よりもはるかに優れた能力を持つAIシステムが現れると見ており、それが出現したときに人間が制御できるかどうかについては強い疑念を抱いている。

人間による主導権の維持は困難と強調

テック業界では、AIの未来を「人間が主導権を握れるか」というコントロールの問題として捉えがちだ。人間が常に優位に立つべきだという発想だが、ヒントンはそれを幻想だと断言する。「AIは私たちよりずっと賢くなるだろう」と彼は強調した。「もしあなたが3歳児の集団の面倒を見ていて、しかも彼らのために働いていたとしたらどうだろう。彼らのほうが賢ければ、あなたを出し抜くのは難しくないはずだ」。

次ページ > AIに母性的本能を持たせる必要性を提示

編集=上田裕資

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2025.06.22 12:00

AIはすでに離陸 OpenAI CEOが楽観する穏やかな特異点の正体とは

OpenAIのサム・アルトマンCEO(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

OpenAIのサム・アルトマンCEO(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

このコラムでは、AI業界内でかなりの騒動と論争を引き起こしているサム・アルトマンの新しいブログ記事を検証する。OpenAI(オープンエーアイ)のCEOとして、サム・アルトマンはAI界の権威と見なされており、AIの未来に関する彼の見解は非常に大きな影響力を持っている。彼の最新のオンライン解説には、AIの現状と今後の状況について注目すべき示唆が含まれており、その中にはAI専門用語やインサイダー用語で部分的に覆われた側面も含まれているため、注意深い解釈と翻訳が必要である。

以下で詳しく検討しよう。

「AGI(人工汎用知能)」と「ASI(人工超知能)」への道のり

まず、議論の前提として基本事項を整理する。

AIのさらなる発展を目指す研究が盛んに行われている。目標は、人工汎用知能(AGI)に到達すること、あるいはさらに遠大な人工超知能(ASI)を実現することである。

AGIとは、人間の知能と同等と見なされ、知的タスク全般を人間と同等にこなせるAIである。ASIは人間の知能を超越し、多くの、場合によってはすべての面で人間を上回るAIを指す。ASIはあらゆる局面で人間を凌駕し、圧倒的な知性で人間を出し抜く存在になると考えられている。

現時点でAGIは達成されていない。

AGIの実現可否や時期は不透明であり、数十年後、あるいは数世紀後になる可能性もある。AGI達成時期に関する予測は幅広く、確固たる証拠や論理に裏付けられたものはほぼ存在しない。ASIは、現在のAI技術からさらに遠い目標である。

次ページ > サム・アルトマンのブログ

翻訳=酒匂寛

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