作品を彩る“膨大な楽曲数” キャラを魅力的に見せるための秘訣とは
――他のアニメとは違う「プリオケ」の面白さはなんだと思いますか?
金子:「プリオケ」は、「すごく歪だけど、奇跡的にまとまっている作品」だと思っていて。というのも、スタッフ全員が自分たちの力を120パーセント出すために大暴れしているんですよ。大暴れしつつも結果的にはすごくまとまっているし、その点は他の作品では見られない「プリオケ」ならではの魅力だと実感しています。
諏訪:僕はやはり楽曲数だと……! アレンジバージョンも含めて全部50曲ほどをElements Gardenの皆さんには制作していただきました。加えて、毎話同じパートを歌っているわけではなく、シチュエーションによって楽曲の構成や歌っている箇所が変化しています。なので、作中で歌唱シーンがない話は2話くらいしかないんじゃないかというくらい歌が非常に沢山出てくる作品であり、歌っている=戦っているということが最大の特徴でもありますので、アクションも大きな魅力だと思っております。
ちなみに、劇伴もElements Gardenの皆様で制作されており、80曲くらいありますので、本当に途方もないカロリーで取り組んでいただいております。こんなに歌を聴けるアニメ作品って他には存在しないのではないかと思いますので、他のアニメとの大きな違いだと感じています。
――これだけの楽曲を制作することは、最初から決まっていたのでしょうか?
諏訪:最初はそこまでの数を想定していなくて。制作を進めていく中で「ここで新曲が聴けたら素敵だよね」という話からどんどん増えていき、最終的に今の楽曲数になりました。本当にどんどんでした。
特に4クール目で流れている楽曲については、最初から決まっていた曲はほとんどないんです。キャラクターを魅力的に見せるためのアプローチとして、このようにさせていただき、菊田大介さんを中心に、Elements Gardenの竹田祐介さん、笠井雄太さんにも人肌脱いでいただいた、という流れですね。
――作品がクライマックスを迎えるということで、最後にファンの方へメッセージをお願いします。
諏訪:まずは1年間応援していただき、本当にありがとうございました。キングレコードとして、日曜のあさに放送する作品を手がけるのは初めてのチャレンジだったので、なんとか走りきることができたことをホッとしている気持ちと寂しく思う気持ちがあります。
僕も作品に携わってから5~6年の月日が経っているのですが、今回の作品だからこそ出会えたような親子のファンの方や、この作品でしか得られない経験をさせていただきました。その経験を活かして、多くの映像や楽曲を楽しんでいただけるようなことを今後考えたいと思っています。
金子:企画原案などと格式ばった肩書の自分ですが、紐解けばつまり、「プリオケ」の最古参ファンのひとりということです。今はこの1年間を駆け抜けられたという安堵感があり、それ以上に「プリオケ」が完結してしまう! という喪失感に苛まれています。
スタッフもキャストも、そして支えてくれる皆さんも最高だったからこその寂しさでいっぱいですが、だからこそ、次なる一歩を踏み出せるんじゃないかと期待もしています。1年間のお付き合い、ありがとうございました。楽しかったです。皆さんも同じ気持ちであれば、とても嬉しいです。
◆取材・文=渡辺美咲