抑うつニートが2025年(上半期)に読んだ本すべてさらす
各月に読んだ本をすべてさらしつつ、中でも印象深かった本を抜粋して感想を記録する。良かったけど、きりがいいので15冊に収めようとした手前、割愛したものもある。
休職中ということもあり、メンタルヘルス・運動・キャリアといったテーマの本が多めだった。
2024年12月(小説:2冊、他:4冊)
本のジャンルが本当にわからない。小説、ビジネス書、それ以外、くらいしかわからないのでテーマで考察してみる。
「キャリア」「発達障害・精神医学」系が2冊ずつ。働き続けられなかった、という挫折感を味わっている時期だからこそ、考え直したかったんだろう。抑うつと向き合うためにも、発達障害・精神医学系を読んでいたのも納得がいく。
1.「『働く』ことについての本当に大切なこと」古野庸一
すでに読んだことがあったが改めて読み直しみてると、より刺さるものがあった。
鬱の経験を通じて考えたことを書いた本だとわかり、そこで吐露されている境遇の近さに親近感を持って読むことができた。
しんどい経験があるからこそかけることがある、ということに勇気をもらえた。
2.「まんが 夜のこころの診療所 精神科がいるスナック」増田裕介
抑うつでしんどい時、Youtubeチャンネル「精神科医がこころの病気を開設するCh」から精神医学を学んでいた。自分の状況を客観的に知り、原因がわかると不安が軽減した。
そのチャンネル運営者が著者である。「苦しみ」を携えた相談者に、精神科医の先生(著者)がスナックのマスターとして、知恵を授けてくれる、というストーリー。とても薄い本なのに、共感できるような珠玉の「苦しみ」が選ばれているのは、日々患者と向き合う現役のお医者さんだからこそなせる業なのかもしれない。
3.「虫眼とアニ眼」 宮崎駿 養老孟子
友人が贈ってくれた本。ジブリ作品は見ていたが、宮崎駿監督の胸中に触れるのははじめて。この年代の人たちが感じること、なつかしさ、失われてしまったことなどが、からっとした対談形式で書いてある。表紙や挿絵のイラストがとてもかわいい。
正直、世代ギャップのせいか何なのか、理解できない部分が多かった。それでも「???」と思いながら、何となく世界観を感じとることはできるのが本の良さでもある。何度も読みながら、じわじわとしみこませていきたい。
2025年1月(小説1冊、他8冊)
重たい文章を読むのがつらくて、頭を使わなくても読める本を選んで読んでいた。それでも、とても良い出会いがいくつかあったのでご紹介。
4.「もっと楽にもっと早く がんばらないランニング」 三津家貴也
メンタル向上のためランニングを始めようとした際、三津家さんのYoutubeで、おしゃべりできる速度でのトレーニングを知る。
しんどくないと意味がないと思っていたせいで、これまでランニングは習慣にならなかった。にも関わらずいまは半年に2回マラソン大会に出るまでに(すごい成長!)。
映像付きで詳しく知りたいひとは動画でいいし、基本の考え方をサクッとインストールしたい場合は本がよさそう。
(参考)「確実に速くなる ランニングの科学」
ランニング理論を科学的に知りたくて読んだ本。骨格に合ったフォームの選び方などが書いてあり、おもしろかった。何かを始めるときに、理論から入りたいひとにはぴったり。
近所の図書館にあるランニング本は全部読み、あらかた大事なエッセンスは把握できた。時間があると、趣味の領域においても満足のいくまで知識を取り込めるのがとてもよい。豊か~
5.「ポンコツなわたしで、生きていく。」~ゆるふわ思考で、ほどよく働きほどよく暮らす~ いしかわゆき
家にあったので読んだ。タイトル通り、書きぶりもゆるふわな感じ。表紙がかわいい。ゆるふわでもなんとかなるよ、って書いてあっても、正直「あなたはね・・・自分は無理」と思ってしまった記憶がある。まだメンタルが不安定な時期だったし、自信がなくて、前向きなことを言われると否定したくなっていた。
とはいえ、タイトルがとても良いので、がんばりすぎないように作業デスク横において、ゆるふわマインドを摂取できるようにしている。
6.「マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生くっていく方法」 エミリー・ワプニック
同居人におすすめされて読んだ。原作は英語で書かれており、当たり前のことをそれっぽく書いてあるんじゃない〜?と、強い偏見と共に穿って読み始めた。(文化の違いかノリが合わず読み始めは苦しかったが、後半はそれが気にならないほどためになる内容だった。)
「一つのことだけやらないといけないから辛いんだ!!」と、目から鱗。ADHDの自分には刺さった。実践的な理論とスーパーポジティブな姿勢に勇気を与えてもらった。
似た本に、ホリエモンの「多動力」がある。大学生の時だったか、当時は自己理解が不足していたせいで、特殊だな〜と流していたが、大いに参考にすべきだった。今からでも遅くない。
7.「愛と家族をさがして」 佐々木ののか
友人がプレゼントしてくれた本!婚約したし、家庭や家族についてアンテナが立ち始めてたので、ちょうどよかった。
世の中にはいろんな家族像がある。「ふつう」じゃなくても、かたちの違いだけで当人が不幸になる、なんてことはない、という当たり前のことに気づく。しかも、当事者の言葉でもって理解できるのが貴重。
無意識のうちに存在していた偏見に気づき、緩和されたのはおかげさまである。無知ってこわい。どんな家族の形だろうが、幸せかどうかは愛次第だよな~
2025年2月(小説1冊、他4冊)
8.「自己愛とエゴイズム」ハビエル・カラルダ
Amazonで値段を見てびっくり。衝撃の166円。相場からかけ離れたというだけでなく、中身の崇高さ・深さから考えると驚きのコスパ。
哲学科出身の友人からおすすめされたものの、タイトルから自分を否定される感じがして長らく手を出していなかった。が、完全な杞憂。奥深い自分を見つめてその深い自分を愛しなさい、という一貫してあたたかいメッセージを届けてくれた。利他的行動の裏にはナルシシズムがあるのではないか、ナルシシズムから逃れるにはどうしたらいいか、というとても考えさせられる命題に導いてくれる。
9.「感情の民俗学」 畑中章宏
こちらも友人おすすめの本。民俗学ビギナーにとって、「感情」の民俗学というニッチテーマは読みづらかったが、おもしろくはあったのでゆっくり読み進めた。
感情に纏わることばの歴史を丁寧に探ることで、日本人という民族性を踏まえたうえで自分の感情に目を向けるのに役立った。
2025年3月(小説1冊、他4冊)
「思考の穴」を読んで、結局理屈や知識を並べられても、頭にあんまはいってこないんだよなぁと思っていた矢先に読んだのがこれ、
10.「自分とか、ないから。教養としての東洋哲学」 しんめいP
上半期のベスト本は何かと聞かれたら、これを選ぶ。
知識を入れるのではなくベースのマインドや思考法を入れることができる。普段の世界観とはまるで違う考え方にふれたおかげで、悩み事にとらわれていた自分を根底から救ってくれた。「上り坂の儒家、下り坂の老荘」とも言われるらしく、まさしく人生下降している自分には老荘思想(=東洋哲学)がぴったりだった。
かなりのベストセラーになっているので、生きづらいと思っているのは自分だけじゃないようだ。多くの人が生きづらいなら、もうちょっといい世界にしたい。まずはこの本で救われるひとが増えますように。
2025年4月(小説0冊、他7冊)
11.「歩く マジで人生が変わる習慣」池田光史
療養期間ということは、健康増進に全振りせねば?という真面目さで、散歩・ランニングに励んでいた。それでも家から出たくないことは多々あって、そんな時この本を読めば自然と歩きたくなった。
最近は厚底靴が流行っているが、その逆の発想でうっすいソールと弱サポートの靴で「脚を鍛える」ことができる、という話。
本書でおすすめされている靴を買いたいが、休職中の身では簡単に出せる額ではなかったので、一旦ワラーチというベアフット系サンダルを自作してはいている。日常的に脚を鍛えられるのはうれしい。
12.「会社は『仲良しクラブ』でいい」 橋本正徳
休職の理由の一つが人間関係だったし、そもそもこれまで良好な職場関係を築いたことがない。こんな理想的な組織が現実にあるのかと感動した。
自論として、プライベートだろうが仕事だろうが、合理性や効率性を理由に、他社に非情な言動をしていいわけがない。仕事のためといっても、仕事は自分や社会や誰かのためにあるわけで、目的化された仕事に価値がないと思っている。
「仲良しクラブ」で、互いに愛がある状態であれば何をするにも楽しくて、そうすれば自律的に動いてうまくいく、そんな理想を実践している会社があると知りうれしくなった。諦めなくていいのかも…。こんな会社で働いてみたい。
2025年5月(小説2冊、他2冊)
13.「百年法(上)」 山田宗樹
不老不死が実現した日本。しかし、法律により百年後に死ななければならない。――西暦2048年。百年の生と引き替えに、不老処置を受けた人々の100年目の死の強制が目前に迫っていた。その時人々の選択は――!?
姉のおすすめで借りた。寿命のない不老不死の世界と寿命が決まった世界のどちらもを想像でき、生き死について色々考えさせられる。絶妙なテクノロジーの進歩具合も、これは嫌だなぁとかいいなぁとか想像できて、科学技術の在り方についても考えたくなる。たまにはSF読むのありだなぁ~
(参考)「寿命」というテーマで読んでよかった本
去年読んだベスト本に入る2つ。
2025年6月(小説0冊、他8冊)
やっと最後の月だ。記憶力がないので記録・振り返りは自分のために必要。でも疲れた。やっと終われる。
13.「約束の川」星野道夫
友人のおすすめで借りた。
珠玉のエッセイを集めたもの。
ずっと読んでいたい、浸っていたい。まるでデトックス。
アラスカの話というより、星野さんの暮らしや人生の話。舞台はアラスカで、東京の自分の暮らしとはまるきり違うはずなのに、暮らすというささやかな共通点で、自分事に落とし込める。単に没入するとは違う感覚で。
自分の場合は心を持っていかれずに没頭でき、どんな日常でも読める点でずっと持っておきたい本(でも借り物だから返さないと涙)。
14.「母ふたりで"かぞく"はじめました。」小野 春
同性ふうふの家族形成ってどんな感じだろう?と気になって読んでみた。
同性婚訴訟の原告をしている方だということを、読みながら知る。ご自身のことを「おばちゃん」と称していることもあり、身近に想える苦労や幸せがあり、そのマイルドさと行動力のギャップやそれによる出来事が、読み物としてとてもおもしろい。
「愛と家族をさがして」(佐々木ののか)のところでも思ったけど、「こどもがかわいそう」と感じるのは偏見で、それが子どもたちを不幸にする。
同性ふうふだけでなく、ステップファミリーという家族形態の解像度が上がったのもよかった。
15.「ビジネスシーンを生き抜くための仏教思想」松波 龍源
仏教用語や哲学用語が次々と頭に入る。難しい概念や用語を丁寧に噛み砕くだけでなく、現代の暮らしや社会トレンド(web3とかSNSとか)に落とし込んで解説してくれている。西洋の概念も対比させてくれているのも、理解の補助として効く。
「ビジネスシーンを生き抜く」というよりは「現代社会を生き抜く」に近い、と感じた。
聞いたことはあるけどよくわからない言葉、例えば唯識・唯物、形而上・形而下など、が次々とわかって気持ちがいい。
(参考)「ブッダの一生 - カネも妻も子も手放して仏教をつくったスゴいひと」笑い飯 哲夫
友人のおすすめ。仏教つながりだと、これもおもしろかった。
「中庸」の意味について、解像度上がった。絶妙に脚色されていて、笑いながら読める(最終ページに、どの部分が脚色なのか解説がついている)。さすが芸人さん。
(参考)「反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」」草薙龍瞬
瞑想はむずかしいことはなくただ呼吸に集中すればいい、というが、瞑想感覚を体得するのにちょうどよかった本。「あらゆる悩みが消えていく」というのは大げさなタイトルな気がしてしまうが、たしかに考え事が脳内にぐるぐるしてしまう状態を断ち切って今に集中する術を教えてくれた。
さいごに
半年で読んだ本は39冊。数が多い月は、ライトな知識本を読んでいることが多いので、多ければいいというわけではない。
それでも印象に残り、私の人生に影響を与えてくれた本にこれだけ出会えたのは幸せ。
印象深い本に、誰かからおすすめされたものが多いというのもいい発見。素敵な本を貸してくれてありがとう。おすすめしてくれてありがとう。
今年も半分よくがんばりました、おつかれさまでした。
おまけ:読書習慣の振り返り
web読書管理サービス「ブクログ」で読書記録をしている。読書記録ページが優秀で、読書数が一目瞭然。
仕事をしていたころ(去年の11月まで)に読んだ本は多くて6冊だったが、休職してからは多くて10冊。明らかに読書量が増えている。
特に12~2月の読書量が多いのは、外に出る気力がなく家で過ごす時間が長かったからだろう。
時間が増えて、本がたくさん読めるのはとてもうれしい。最近はまた違うテーマの本も読んでいるので、また年末に振り返りたい(気が向けば)。



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