井上監督の「不可解な発言」に批判の声 下馬評高かった中日が開幕3連敗の不安なスタート
■「キャンセル!というわけにはいかないから」 開幕投手を務めた柳についての井上監督の発言でも、気になることがあった。3月1日に柳を早々に開幕投手に指名したが、オープン戦で乱調が続き、3試合登板で防御率9.69。3月13日の楽天戦で5回9失点と打ち込まれた試合後に井上監督は、「(開幕投手と)公言した手前、やっぱりキャンセル!というわけにはいかないからね」とブレブレの発言。SNS上で「最善の手を打つのが監督の仕事であってプライドにこだわっている場合じゃない」、「なぜ昨年3勝に終わった柳を早々と開幕に託したのか。ファン目線で理解できないことが多すぎる」など批判の声が相次いだ。結果として柳は開幕までにきっちり修正して試合を作っただけに、井上監督のブレた発言が印象に残った。 中日は2021年から5年連続Bクラスと低迷期が続いている。22年から24年までは3年連続最下位で、井上監督が就任1年目の昨年は借金15で4位。4年連続最下位は逃れたが、借金の数は前年と変わっていなかった。それでも今年、中日の下馬評が高いのは、投打に戦力がそろっているからだ。 投手陣はWBCのメンバーにも選ばれた高橋宏斗と金丸夢斗のほか、柳、大野雄大、松葉貴大、涌井秀章がいる。即戦力ルーキーのドラフト1位・中西聖輝、2位・桜井頼之介も加入して厚みが増した。救援は清水、松山と球界を代表するリリーバーが故障から復帰すれば「勝利の方程式」が盤石になる。打線もリードオフマンの岡林勇希、長距離砲の細川成也を軸に、上林誠知、ボスラー、福永裕基、田中幹也、村松開人、石伊雄太とレギュラー格の選手がそろう。メジャー通算164本塁打のサノーの加入も大きなプラスだ。開幕3連戦は12打席無安打と快音が聞かれなかったが、日本野球に慣れる時間を経れば結果は出てきそうだ。 他球団のスコアラーは「中日は強いですよ。野球評論家の評価が高いことも理解できます。投打のバランスを考えると阪神の次に戦力がそろっているチームでしょう。オープン戦で対戦した時は打者の振りが鋭くなっているように感じました」と話す。 昨年はリーグワーストの403得点に終わるなど貧打が低迷の要因になっていたが、今年のオープン戦ではサノーが4本塁打、細川と鵜飼航丞が3本塁打を放つなど打線が好調で、77得点、16本塁打はいずれも12球団トップだった。本拠地のバンテリンドームには、昨年までの外野フェンスの手前にテラス型観客席「ホームランウイング」が新たに設置され、本塁打数の増加や得点力アップに影響していることは間違いない。 ただ、中日を取材するテレビ関係者は警鐘を鳴らす。 「オープン戦は他球団が色々試している部分がありますし、得点力が上がったと判断するのは早計です。忘れてはいけないのは、球場が狭くなって、いかに失点を防ぐかも大事になってくることです。開幕3連戦を見ると、強いチームの試合運びとは言えません。選手の良さをどう引き出すか。変革を求められる中で、今年の中日のキーマンは井上監督だと思います」 3月31日から、テラス席のできた本拠地・バンテリンドームで巨人を迎え撃つ。開幕戦の大逆転負けから3連敗の悪い流れを払拭するためにも、スキのない戦いを見せられるだろうか。 (ライター・今川秀悟)
今川秀悟