キューバに野心 米の際限なき介入を憂慮する
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ベネズエラの反米政権を転覆させた上、イランを攻撃して世界に大混乱を招いている中で、今度はキューバを支配する野心を
トランプ米大統領が、意に沿わない相手国の主権を踏みにじり、力による介入を続けていることに憂慮を禁じ得ない。
トランプ政権が年明けに南米の産油国ベネズエラを攻撃し、石油権益を管理下に置いたことにより、カリブ海の社会主義国キューバは、主にベネズエラから輸入していた石油供給を断たれた。
さらにトランプ氏は、キューバに石油を送る国に関税を課す大統領令に署名した。キューバは中南米諸国に医師を派遣して外貨を獲得していたが、米国の圧力で契約を打ち切る国が相次いでいる。
米国が、長年敵対してきたキューバを経済的に締め上げ、共産党一党支配体制を弱体化させようとしているのは明らかだ。
歴代米政権も1959年のキューバ革命以降、東西冷戦などを背景に、共産党政権の転覆を試み、様々な経済制裁を科してきた。
ただ、トランプ氏は「私はキューバを掌握するという栄誉にあずかるだろう。好きなようにできる」と述べ、自己顕示に努めている。秋の中間選挙を前に、キューバの体制転換を成し遂げ、支持率回復につなげたいのだろう。
米国はキューバに圧力をかける一方で、2月末にはイスラエルとともにイラン攻撃を始めた。イランはホルムズ海峡を事実上封鎖し、世界経済は混乱に陥っている。米国はまずはイラン情勢の収拾にこそ注力すべきだ。
キューバでは深刻な影響が広がっている。島全体に及ぶ停電が頻発しているほか、燃料不足で航空便の運休が相次ぎ、主力産業の観光業も大打撃を受けている。
生活苦に抗議するデモ隊が共産党関連施設を襲撃する事件も起きた。強権統治下のキューバでは異例の事態である。
共産党政権が長年にわたり言論の自由を認めず、反体制活動を弾圧してきたことへの国民の反発が、米国の介入を機に噴出している可能性がある。
一国の政体は国民が決めることであり、他国が干渉すべきではない。その前提に立つならば、米国とキューバが協議を始めたのは、ひとまず前進と言える。
米国はディアスカネル大統領の退陣を要求しているというが、内政干渉にならないよう、あくまでもキューバ自身が改革を進める形をとるべきだ。