「88年世代」で驚異の復活劇 V奪回の先頭に立つ「37歳左腕」は
昨年はカムバック賞
驚異の復活劇を果たした中日の37歳左腕・大野雄大の新たなシーズンが始まった。2023年に左肘を手術して一昨年は2勝のみに終わったが、ここからはい上がった。昨年は20試合登板で11勝4敗、防御率2.10。5年ぶり5度目の2ケタ勝利でカムバック賞に選ばれた。 【選手データ】大野雄大 プロフィール・通算成績・試合速報 タレントぞろいでプロ野球の中心軸だった「88年世代」はベテランの域に入り、活躍し続ける難易度が上がっている。巨人の坂本勇人は昨季62試合出場で打率.208、3本塁打、22打点と苦しいシーズンに。楽天から移籍した田中将大は日米通算200勝を達成したが、10試合登板で3勝4敗、防御率5.00と先発ローテーション定着には至らなかった。ソフトバンクの柳田悠岐はポストシーズンの全11試合で打率.378、2本塁打、5打点をマークし、阪神と対戦した日本シリーズ第5戦で値千金の同点2ランを放つなど短期決戦の活躍で日本一に貢献したが、レギュラーシーズンは「右脛骨の骨挫傷」で長期離脱して20試合出場で打率.288、4本塁打、9打点。ロッテの澤村拓一は昨オフに現役引退を決断した。
モデルチェンジで見出した活路
大野雄大も背水の陣を迎えたが、投球スタイルのモデルチェンジで活路を見出した。19、20年と2年連続で最優秀防御率に輝き、20年は最多奪三振も獲得して沢村賞に選ばれた時期は相手打者をねじ伏せる快速球が真骨頂だったが、昨年は新たな変化球を効果的に織り交ぜた。夏場以降の安定感は際立っており、8月は4試合登板で2勝1敗、防御率0.38、9月は3試合登板で3勝0敗、防御率1.80とエース級の活躍。週刊ベースボールの取材で、以下のように振り返っている。 「5年ぶりに10勝に到達(9月14日)。2ケタ勝利は特別ですね。まさか今年、自分が10勝できるとは思ってなかった。あきらめずにやってきてよかったです。京都出身で小さなころから、阪神ファンでした。好きな球場で2ケタ勝利を挙げられたことがうれしかったです。今年は、遅いボールを使うようになりました。スライダーとカーブの間、スラーブです。9月26日で37歳。真っすぐでガンガン行くわけにもいきません。何か打者の目線を変えると言いますか、新しいスタイルをつくらないと生き残っていけません。球速は多少落ちても質はなるべく落ちないように。新しい変化球を交ぜながら、何とか生き残っていきたいと思っています」 ベテラン左腕が復活もチームは6年連続Bクラスと低迷期から抜け出せなかったが、今年は下馬評が高い。WBCで好投を見せた高橋宏斗、金丸夢斗に加えてドラフト1位の中西聖輝、2位の櫻井頼之介の両右腕も即戦力として期待が大きい。若手が台頭する中で、大野は負けられない。オープン戦で3試合に登板して防御率2.13と順調な仕上がりを見せ、開幕ローテーションをつかんだ。