1958年に東京都立墨田産院(88年に閉院)で起きた新生児の取り違えを巡って、実の親の調査を求めた江蔵(えぐら)智さん(67)の生みの親を見つけられなかった東京都。都の調査報告書によると、江蔵さんと同時期に墨田産院で生まれた可能性がある男性38人と両親14人の計52人に協力を依頼し、一部から協力を得てDNA型鑑定を実施したが、江蔵さんや育ての母との生物学的親子関係を確認できる結果を得られなかった。
東京地裁は2025年4月、都に調査を命じ、その後判決は確定。都によると、戸籍情報などから、58年4月に墨田区内で出生届が受理されたのは江蔵さん以外に230人で、うち男性は116人だったと判明した。
都は、墨田産院以外で生まれたことが明らかな人や、取り違えがあった時期と出生日が大きくずれる人を除き、男性38人と両親14人に調査対象を絞り込み、文書で協力を依頼。希望者に追加説明を行ったほか、文書を受け取らなかった人への再送付なども今年2月までに実施した。だが協力者の中に、江蔵さんや育ての母チヨ子さんとの生物学的親子関係を確認できる人はいなかった。【柳澤一男、遠藤龍、加藤昌平】
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