宇宙から海を「健康診断」できるようになるかもしれない。産業技術総合研究所(産総研)などの研究チームは、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載したセンサーを使い、浅い海において植物プランクトンの量の目安となる「クロロフィルα」の濃度を推定する手法を新たに作った。リゾート開発や工場・都市建設の排水が、沿岸域の環境にどう影響するか、継続的な監視が期待される。
クロロフィルαはプランクトンの指標
クロロフィルαは植物プランクトンが光合成に使う色素で、海の食物連鎖の土台を支える。多すぎれば赤潮となって酸素不足を招き、少なすぎても生態系が弱る。特に危ないのは急な増減で、同じ場所をくり返し測る定点観測が欠かせない。
従来は海の色(可視光)からクロロフィルαを推定してきたが、沿岸の浅い海は海底の反射や川からのにごりが混ざり、区別しにくかった。
海の光の反射を分析
今回、ISSの日本実験棟「きぼう」に取り付けられたセンサー「HISUI」のデータを活用した。人の目で見える可視光から、見ることができない赤外線まで185種類もの波長の違いを見分けられる。
クロロフィルαが多い海では…