就活戦線「売り手市場」に異変 新卒採用減 人に代わるAI導入視野、即戦力の中途重視も
会社説明会が3月に解禁され、大学3年生らの就職活動が本格化している。就活戦線では少子高齢化などを背景に学生有利の「売り手市場」が続いてきたが、今年は一転して採用人数を減らす動きが出ている。企業の採用意欲は依然高いものの、人材獲得競争の激化で新卒採用は現状維持の水準にとどめたり、人間に代わる人工知能(AI)の本格導入に向けた人員配置を計画したりするケースがあるようだ。 【ひと目でわかる】2027年卒の大学・大学院生らの採用動向 パナソニック・サントリーなどの大手は… 就職情報会社「マイナビ」の調査では、2027年卒の採用予定数を「増やす」とした企業は23・0%で、25年卒の32・0%、26年卒の29・4%と2年連続で減少。26年は企業の採用計画に対する実際の確保人数が過去最低水準だったといい、同社は「新卒採用で苦戦を強いられている企業が多くなっている中、採用数を増やすのではなく現状維持とする企業が増えている」と分析する。 クボタは27年4月入社の大卒・大学院修了の採用を計60人とし、前年の239人から4分の1に絞った。事業拡大や体制強化に向けた人材を計画通り確保できているためで、同社は「中長期の事業運営を見据えて成長事業に重点的に人員を配分し、社内人材の流動化を進めて人的資源を最適化する」と説明した。 パナソニックホールディングス(HD)は新卒採用を前年度比100人減の約800人とする(高卒など除く)。同社は経営改革を進めており、本社・間接部門を中心に国内外で1万人以上の人員の適正化や固定費削減を図っている。採用計画の縮小には、構造改革を通じて収益力の立て直しを急ぐ意図があるとみられる。 ロイヤルホテルはグループ全体で前年度比25%減の約120人の採用を計画。理由について、同社は「DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進などで生産性を高められたことに加え、25年度中に即戦力となる中途採用を約50人採用したため」とする。 サントリーHDは、253人が入社した26年度比で8%減。中長期の人員計画に基づくといい、担当者は「大きく減らす意図はなく、近年はほぼ据え置き」との認識だ。 関西みらい銀行は前年度から20%減の120人を計画。同社は「経営・営業戦略に応じた必要人財の最適化を図るべく、採用や人員配置の計画策定をしている」とした。