あさひが恋心を自覚する話
初のあさひ視点が主体の作品を書いてみました。僕があさひになりきるには技量不足でした。
新生活が始まり、忙しい中ですが頑張って月1ペースでやっていこうと思います。月刊小説あさひです。
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朝6時。慣れ親しんだ電子音で目を覚ます。昨日と同じことを流しているニュース番組を横目に朝食を済まし、身支度を済ませて家を飛び出す。代り映えのない学校生活を終えたら、事務所に向かう。
今日はダンスレッスンにプロデューサーさんが見に来てくれる日。自然とわたしの胸が躍りだす。最近、プロデューサーさんに褒められることがいつもよりも嬉しい。
褒められることはたくさんあった。今までわたしのことを褒めてくれる人はたくさんいた。けれどそれは最初のうちだけだった。みんな、わたしの他の一面に気づくと離れていく。虫刺されみたいにすっとわたしの心の中に入ってきて、苦しさと不快感を残して去っていく。
…けれど、プロデューサーさんは違った。あの人は、わたしの全部を受け止めてくれる人。
***
「はっ……はっ……ふっ!」
シューズと床が擦れる音が止まる。ステップは問題なかった。あとは手の動きにもっとキレをだして合わせてみて、そこで改良が必要ならステップの方もまた直して……。
「…ひ!…あさひ!」
「わっ!びっくりしたっす!」
なんでプロデューサーさんがここに…?
あ、そっか今日はプロデューサーさんが来てくれる日だった。
「色々考えるのもいいけど、そろそろ休憩にしよう。ほら、タオルと飲み物。」
「ありがとっす。…んっ…ぷはっ…ダンス、どうだったっすか?」
「すごかったぞ!さすがあさひって感じだった。特にサビのとこなんかが__」
プロデューサーさんと二人で並んで座ってダンスの感想を言い合う。やっぱり、この人と話している時間が一番楽しい。
………
……
…
プロデューサーさんと話してると休憩時間は一瞬で終わってしまった。それからまた踊って、休憩しての繰り返し。いつものレッスンと変わらないのに、この時間は幸せで特別だった。
あーあ、いつもプロデューサーさんが見に来てくれればいいのに…。
***
お風呂に入って、今日のことを頭に浮かべる。レッスンにプロデューサーさんが見に来てくれて…褒めてくれた。
どく、どく、どく。
心にエンジンがかかったように、胸の鼓動が加速していく。それと同時によくわからない気持ちが生まれて、ものすごくむずがゆくなる。…あれ?そういえばわたし、休憩中にプロデューサーさんと密着してなかった?
「っ~~~!!///////」
湧き上がる何かにどうしていいのかわからなくなり、湯舟の中に顔を沈める。わたしの今の顔はお風呂のお湯よりも熱いのかも。
結局すぐには治まらなくて、今日は少しのぼせてしまった。
***
朝6時よりも少し前。目覚ましよりも早く起きたみたい。いつも通り朝食と身支度を済ませる。今日は朝から事務所に行く日。一応、もう一回身だしなみの確認しとこうかな…。
(寝癖はないよね…?…うん、大丈夫。)
事務所に着いて、玄関の扉を開ける前に一呼吸。いつもはこんなことしないのに、なんでだろう。わからないけど、そうしないと落ち着かなかった。
「おはよう、あさひ。」
「お、おはよう…っす。」
あれ?なんで?いつもみたいに声が出ない。プロデューサーさんを見ようとすると恥ずかしいような気持ちになって、直視できない。
「どうした?あさひ、体調でも悪いのか?」
うつむくわたしを覗き込むようにプロデューサーさんがかがむ。心の準備が出来てないのに、おのずと視線が合ってしまう。
「熱はなさそうだな…。」
プロデューサーさんの手がわたしのおでこに触れる。その瞬間、わたしは確信した。
全力で走った後みたいな胸のドキドキ。
沸騰したように熱くなる顔。
誰にも否定しようのないこの気持ちの正体。
ああ…そうか。
わたしはこの人のことが────
すてき