「被害者の顔を晒すのは違う」ポケモンセンター刺殺事件で卒業アルバム写真を報じた日テレに批判の声続出 #エキスパートトピ

篠原修司
ITジャーナリスト
卒業アルバム写真の報道のイメージ画像。ChatGPTで筆者生成

 東京・池袋のポケモンセンターで3月26日に女性店員が元交際相手の男に刺殺された事件で、日本テレビが被害者の顔写真を報じたことに批判が集まっています。

 問題となっているのは、日テレが報道で使用した被害女性の中学校の卒業アルバムの写真です。

 写真の入手経路については明かされておらず、事件時に21歳の被害女性の中学卒業時の写真を遺族が提供したとは考えにくいことから、遺族の同意なく公開された疑いが指摘されています。

ココがポイント

ポケモンセンターで女性店員が元交際相手の男に刃物で刺され、死亡した事件。男が復縁を迫るストーカー行為を繰り返していた
出典:TBS NEWS DIG 2026/3/27(金)

中学校の卒業アルバムの写真。亡くなったポケモンセンターの店員(中略)です。
出典:日テレNEWS NNN 2026/3/28(土)

犯罪被害者や遺族であっても、自己に関する情報を適切にコントロールする権利としてのプライバシー権を有している
出典:日本弁護士連合会 2017/12/7(木)

現代のインターネット社会では,いったん情報が報道されれば,その情報は半永久的に残存することとなり
出典:福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画 2018/2/26(月)

エキスパートの補足・見解

 近年、事件の当事者や関係者に報道陣が殺到する過剰取材、いわゆるメディアスクラムが問題視され、取材姿勢には一定の改善が見られるようになりました。

 しかし今回の報道でわかるように、犯罪被害者のプライバシー保護という観点はまだまだ重視されていないように見受けられます。

 とくに疑問に思うのは、容疑者の顔写真すら公開されていない段階で被害者の顔写真が報じられ、さらにその人物像まで詳しく伝えられている点です。

 現時点で明らかになっている事件の背景は、容疑者が過去にストーカー規制法違反の疑いで逮捕されていたことくらいであり、被害者の学生時代の暮らしぶりまで報じる必要性は感じられません。

 こうした報道は、突然家族を奪われた遺族にとって二次被害にほかならず、望まない形で写真や人物像が広まることは悲しみをさらに深めるものです。

 しかも現代においては、一度報じられた写真はSNSやまとめサイトを通じて拡散され、半永久的にネット上に残り続けます。報道機関が削除したとしても、その情報が消えることはありません。

 日本テレビは、この卒業アルバムの写真をどのように入手し、公開にあたり遺族の同意を得ていたのかを明らかにすべきです。

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ITジャーナリスト

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1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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