「アイヌ民族ヘイトを許すな」 署名提出 札幌市「対応検討したい」

大滝哲彰
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 アイヌ民族が先住民族であることを否定する内容のパネル展が札幌市が管理する札幌駅前地下歩行空間(チカホ)で開かれたことを受け、複数のアイヌ団体が「アイヌ民族ヘイト(差別)を許すな」と訴えて募った1万6708筆の署名が27日、市に手渡された。

 「先住民族である私たちアイヌ民族が、なぜこんな心を痛める仕打ちを受けなければならないのか。市はなぜ放置するのか。全国からの熱い思いをないがしろにしないようお願いします」

 市役所の地下会議室。オンラインで集まった署名を手渡した木村二三夫さん(77)=平取町=が、市職員を前にこう切り出した。

 16日に開かれたパネル展は「アイヌ民族は先住民???」としたうえで、和人への同化政策を進める根拠となった北海道旧土人保護法を「アイヌにとって至れり尽くせりの法律」などの主張を展開していた。

 アイヌ民族の山下明美さん(76)=札幌市=は「怒りを通り越してね、涙が出てきた。土地も奪われ、言葉も奪われ、習慣、文化もみんな否定されたんです。今後こんな展示が開催されないようにしてほしい」と訴えた。

 パネル展をめぐっては25日、秋元克広市長が会見で市独自のガイドラインの策定を検討していることを明らかにした。これまでは「正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない」とする地方自治法の規定などから「開催を制限するのは難しい」との立場だったため、一歩踏み込んだ発言だった。

 署名を受け取った市民生活部の田口繁治部長は「ガイドラインありきではない。国の助言もいただき、実効性のある対応を早急に検討したい」と発言。だが「前向きと捉えていただくのはいいのかどうか非常に微妙なところではある」と言葉を濁したうえ、展示内容がヘイトに該当するかも明言しなかった。

 先住民族政策に詳しい室蘭工業大学の丸山博名誉教授は、署名提出の場に立ち会った。「市は、この問題の当事者であるという意識がなく、ポストコロニアル(脱植民地主義)な時代の回答ではない」と批判し、市の対応は日本が批准する人種差別撤廃条約の規定にも反しているとした。

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