最近、選書をよんでます。

新書よりも分厚く、最初は縁遠かったのですが、読んでみると新書とおなじくらい入門者にわかりやすい書きぶりのものが多いことに気が付きました。

さらに入門者に目線を合わせるため&ページの都合上の「あまり深く立ち入らない感」もそんなにはありません。

たしかに新書よりは値が張るのですが、新書から入って追加で別の本を買うなら、はなから選書を買うのと同じな気もしています。

選書を買うようになったきっかけはこの2冊です。









2年前、働き出してお金に余裕ができたこともあって、面白そうな新刊をガンガン買うようになりました。その際何気なく購入。

とくに『ブルーフィルムの哲学』が面白かったです。

違法であるブルーフィルムをどう語るのかと考えながら語っていく本で、文化史的なことも知れるし、著者の経験を通しての語りもあり、色んな角度で書かれていました。

著者が高知に移住したのち、ブルーフィルムの巨匠・「土佐のクロサワ」という存在がいたことを知るというエピソードが好きでした。引っ越した先で「え、なにそれ知らんねんけど」と未知のものに出会って首ったけになる気持ちに共感しながら読みました。

次に買ったのがこちらです。

「未熟さ」の系譜 (新潮選書)
周東 美材
新潮社
2022-05-25


日本のエンタメの「未熟」さを売りにするパターンを紐解いていく本で、子どもの歌手、宝塚、ジャニーズ、ナベプロなどさまざまなトピックで章立てしており、どの章も面白かったです。

1,2章だけでも情報量が多く、四谷くんに2章までの内容を1時間くらいかけてしゃべってたら、「え?まだ2章までしか読んでないの・・・?」と警戒されました。


そして最近はこの2冊がグッときました。



めーちゃくちゃ面白かったです。

戦前はキリスト教の色合いが強かった「聖地」という言葉が、時代の流れやキーとなる人物・団体の動きによって日蓮や皇室に関わるスポットへも用法が拡大していくことを論じていく本です。

「聖地」と称されることになった伊勢神宮や明治神宮への参拝のノリや、戦前の修学旅行の話もあれば、大阪に住んでいたときになじみの深かった近鉄の前身である大軌の話もあり…知っているスポットや交通機関が戦前にどういった雰囲気だったのか知れてうれしかったです。

鉄道の発達のおかげで、がんばれば一日で伊勢神宮・橿原神宮・桃山御陵を「スピード参拝」できるようになったけど、伊勢神宮側から「もうちょっとゆっくり参拝しては」という不満の声があったという話がよかったですね。今でもありそうな現象・・・!





この本もめっちゃくちゃ面白かったですね…。

海洋生物の話のほか、美術史にも通じる話が満載で、「うん!うん、うん、そうなんや!!え、知らんかった!!おもれ~!」と食い入るように読みました。

採集した海洋生物を絢爛豪華な挿絵におさめた『ジ・アクアリウム』を出版し、水槽でのペット飼育ブームをもたらしたフィリップ・ゴスの話や、博覧会やディズニーランドに絡めた水族館の解説がかなり刺さりました!

アメリカ最初期の水族展示をしたバーナムの話もあり、「これ、たしか『グレイテストショーマン』の主人公やったよな・・・?」と思い、わざわざ『グレイテストショーマン』を配信で見ちゃいました。(水族館のシーンほぼゼロでした)


今はこれを読んでいます。

東京漫才全史 (筑摩選書 270)
神保 喜利彦
筑摩書房
2023-12-15





まだ1章しか読んでませんが、知らない芸人の名前が大量に出てきてめちゃくちゃうれしいです。

M-1の審査で、立川談志がおぎやはぎに「千太・万吉を思わせるような」と評価して、会場全体が「誰・・・?」となっていたリーガル千太・万吉は104ページから記述されています。最後のあたりを読むと、ナイツとロケット団まで話がいっていました。ほんとに全部書いてるのかもしれません。ワクワクです。


選書は、読み終わったときにものすごい満足感を得られますが、固有名詞が8割がた頭から抜け落ちているのが私の今後の課題です。