light
The Works "待ってた!" is tagged "槍弓" and "腐向け".
待ってた!/Novel by 柚葉

待ってた!

4,161 character(s)8 mins

うちのカルデアにエミヤが来た時の様子。
メンツはうちのカルデアにいるメンバー。
「シロー!」は青セイバーではなくイリヤです。青セイバーほしい。。。

私もエミヤ欲しかったけど、うちのキッチンカルデアってブーディカしかいないじゃん!きっと待ってたよねー、というネタに槍弓をふりかけてこうなりました。

エミヤで遊びたくて、今年の正月からFGOを始めました。
が、なかなかエミヤ来なくって。
リセマラで頑張ればゲットできたことを知った時にはすでに星5が2騎いて、やり直す勇気はなかったです。
帝都復刻でピックアップ来たので、なけなしの小遣いつっこんで引きました。やっと兄貴と並べられた。
2部4章のリンボアルジュナ戦、リンボをエミヤのクリティカルで吹っ飛ばしてノーコンクリアできたので、大変満足です。

4月に引いたのに今頃アップなのがしょんぼり。
愛はあるんですけど、手が遅い。
精進します。

1
white
horizontal

「サーヴァント・アーチャー、召喚に応じ参上した」
金色を帯びた光の輪が収束し、中央に佇む赤い影がそう告げる。

「君が私のマスター「エミヤキター!!!」…は?」
皆まで言わせず叫ぶ少女。
「よっし!」
「やりましたね」
「これで安心してメシが食えるぞー!」
「シロー!」
「@¥#☆%$##!」
「待ってたわボウヤ」

あたりを見回せば、どこかで見知ったような英霊たちがいっぱい。
召喚の触媒として連れてこられていたのだが、エミヤにはそんなことはわからない。

「これで…休める…」
一人だけ初めて見かける赤毛の女性は、エミヤを見ながらそう呟くとバッタリと倒れた。

「ブーディカ!!しっかりしてーっ!」
「おい揺らすなマスター!今頭打ってるぞ」
「サンソーン!サンソンどこーっ!ブーディカがーっ!!」

阿鼻叫喚。
召喚後15秒で訪れた光景に、エミヤは絶句して立ち尽くす以外のことはできなかった。


人理継続保証機関フィニス・カルデア。
人類最後のマスターが赤毛の女性の介抱に回っている間、エミヤは馴染みのようで見慣れない青髪のキャスターから、この場の説明を受けていた。

「ラン…いや、キャスター」
「おう。言いづらいだろうが早く慣れてくれ。槍のほうが拗ねるからな」
わずかに目を細めた男臭い笑みは、ランサーにはない余裕を感じさせる。こんなところも違うのだな、と。
なぜそんなことを感じたのかと考える暇もなく、キャスターの説明は続いていく。

曰く。
ここは一度人理修復を成したカルデアなのだが、その後クリプターなるものの襲撃を受け、マスター以下わずかな人数で虚数の海に脱出を果たし、2つの異聞帯を破り、彷徨海にたどり着いた。その彷徨海で再建中のカルデアであること。

曰く。
人間のスタッフはカルデアの維持で手一杯であり、キッチンは料理のできる英霊が交代で回してきた。先程倒れた女性はその中心メンバーとして、在庫管理からメニューローテーション、調理作業に片付け、調理メンバーの当番管理などを一人でこなしてきていた。
冬木の5次聖杯戦争経験組から、「赤いアーチャーは料理が上手い。量もこなせる。むしろキッチンの英霊」という話を聞き、来てくれたらいいなあとずっと思いながら、大量の実務を一人で背負っていたらしい。

「貴様がいながら女性にそんな負担をかけるなど!何をしていたのだ!」
「俺にできる範囲はやってたわ!アンタと一緒にしないでくれますか!?俺はキッチンの英霊じゃねーんだよ!」
目眩を振り払って見知った緑色に噛み付けば、ノータイムで反撃された。流石に気心の知れた仲ではある。合わないけど。

「というわけで。よろしく頼むな、アーチャー。今、槍のオレとその他メンバーで狩りに行ってるから。食材もすぐ届くと思うぜ」
「…よくわからんが、ひとまず了承した。夕食からだな」
「おう、頼むぜ。ロビン、キッチンの説明してやってくれ。ブーディカが配分してたの勝手にするわけにはいかんだろう」
「あいよ、御子様。ほら行くぞ赤いの」
「ああ」

緑のと赤いのでキッチンの設備や備蓄を見て回っていると、マスターが駆け込んできた。
「エミヤが作ってくれるの?和食!和食が食べたいです!!」
聞けば、ブーディカの料理は美味しいけれど、やはり当時の西欧の料理で。
たまにクーフーリンが冬木のバイト生活の経験を生かしてお好み焼きを焼いてくれたり、俵藤太がきてからはおにぎりは食べられるようになったけれど、和食はとんとご無沙汰とのこと。

「うむ…。調味料があるといいのだが」
「味噌と醤油とみりんと酒くらいでいいですか?ありますよ」
エミヤのつぶやきに、子ギルがにこにこと応じる。
「…あるのか?」
「前に蔵に入れたのが、確か。…はい、どうぞ」
「…ありがとう」
なんでもありだなゲートオブバビロン。助かったことは確かなので、ちゃんとお礼は言った。

「オーイ、アーチャー!肉取ってきたぜー!」
槍のほうのクーフーリンが、数人の男たちと四つ足の動物を担いでやってきた。
「血抜きはしてきたぜ。うまいメシ期待してるからな」

「…ふむ。イノシシかな?」
「おう。魔猪だけどな。マスターも食べたことあるから、心配しなくていいぞ」
そんな会話をしているうちに、ほかのメンバーが食堂の一角にシートを広げ、魔猪の解体を始めた。なんとも手馴れているのが見て取れた。

「では、始めるか」
赤原礼装を消し、ノースリーブの黒の軽鎧姿にエプロンをかけ、キッチンに向かう後ろ姿はまさに勇者。和食に飢えに飢えたマスターの目には輝かしく映っていたそうな。


そして迎えた夕飯時。
「味噌汁…。夢にまで見た味噌汁…。しかも豚汁…。え?夢じゃない?本物?」
涙ぐみながらお椀を覗き込むマスターの姿に、エミヤのほうこそ泣きそうになった。
「さあ、冷めないうちに食べたまえ。生姜焼きだ」
「エミヤサイコー!いただきます!!」
ガツガツと白米と肉をほっぺたパンパンになるまで詰め込む姿は、年ごろの娘としてはかなりいただけない。
しかしその幸せそうな姿に、誰も何も言うことはできなかった。

和食を食べ慣れないサーヴァントたちもいるのでは、と心配していたエミヤだったが、皆がっつく勢いで箸を動かしている。なんだ箸使えるんだ。フォークの用意はいらなかったな。
「箸で小豆をつかめるようになるまで食事はもらえないから」
あとで俵藤太からそんなマイカルデアルールを聞いて、ぶっとんだエミヤだった。

マスターにおかわりの豚汁をついで渡したころ、食堂の入り口に赤毛の女性が現れた。
これまでキッチンカルデアを細腕一本で支えてきたブーディカだ。
まだ足元は多少おぼつかない様子で、黒い服を着た銀髪の白人男性が彼女を支えるように側についている。

「エミヤくん、ありがとう」
「礼を言われるようなことは何もしていないよ。むしろ、来るのが遅くなってしまって申し訳なかった」
「ふふ…。本当にクーの言うとおりだね」
何を言われていたのかと根掘り葉掘り聞きたかったが、ブーディカにお粥を出す方を優先した。ブーディカのとなりに座った医師の分も膳を揃えねば。
「ありがとう。…おいしいね」
そう言って笑うブーディカの顔色は、まだまだ青白い。マスターは優先的に魔力を回すよう調整してもらったと言うけれど、明日はまだ休んでもらったほうがいいだろう。

しかし人のことを心配している場合ではなかった。
ほぼ皆が食べ終えて、食後のお茶を入れて回っていたあたりで、エミヤが倒れた。
「エミヤーっ!しっかりしてー!!サンソーンっ!!」
医者召喚再び。
なんか今日は忙しいなと思いつつ、ブーディカのとなりの席から立ち上がるサンソンだった。


「魔力不足?」
倒れたエミヤを医務室に放り込んでサンソンに託したあと、マスターとその他の面々はダヴィンチちゃんからお説教を受けていた。
「あのねえ…。彼は召喚されたばっかなの。レベル1なの。もともと保持できる魔力なんてたかが知れてるの。なんで初日っからこき使うかな?いくら戦闘じゃないからって言っても、無理があるよ。せっかく召喚したキッチンの英霊、初日から座に返したいのかい?」
「返したくないです…。ごめんなさい」
「まあ、それは本人に言ってやってくれ。それよりこの先どうするかだよ。このペースで彼を使いたいのなら、レベル上げてやらないと」

そして、種火討伐隊編成会議が行われた。
「種火取りに行ってくれる人!」
「オレ!オレ行くから!」
即挙手したのは、青いランサーことクーフーリン。
「えー兄貴〜?一本一本伐採する気?単体宝具周回向きじゃないよ」
「いいじゃん!頑張るから!あいつのための種火ならオレが行かないと!」
「えー…そうなの?」
「はいはい!私が行きます。先輩のためなら頑張ります!」
「えーと、パールちゃんなら周回向けだから助かるけど、先輩ってナニ?」
「え?あっ!…よくわかりませんが、先輩だと思ったんです」
「インドの女神様の先輩って、エミヤ何者?」
「ライダーも要りますよね。私が行きましょう。先ほどの食事は美味しかったわ」
「ありがとマルタ!じゃあパールちゃんとマルタで。いつも頼んでる平行世界の孔明先生にお願いしてくるね!」
「マスター!オレも!」
諦めないクーフーリン。そりゃそうだ。すぐ諦めるようならクーフーリンじゃないもんね。

「兄貴はエミヤについててあげて」
でもこの言葉には勝てなかった。

ヤツが担ぎ込まれた医務室に向かう。
初期に召喚されてから、戦闘に出るより医務室で病人怪我人の相手をすることのほうが多かったサンソンが、そばについていた。
いわく、「典型的な魔力不足だから、カルデアの電力から大目に回してもらう以外にできる処置はない」とのこと。
君が気安い仲ならついていてやってくれと言って、黒衣のフランス人は出て行ってしまった。

昼過ぎに召喚されてから、たかだか半日。
滅私奉公の好きな男はそんな短時間で自分をすりつぶしてしまっている。

「やっぱ俺が見張ってなきゃダメかねえ」

とりあえず、供給だな。
明日には種火もくるだろうし。

「よいせっと」
ベッドに潜り込んで、ぐったりと重い褐色の体を抱き込む。
触れた肌からじわじわと魔力を持っていかれるのを感じる。
まるで、乾いた土が水を吸い込むように。

「こんなに干からびてんじゃねーよ」
そう呟くと、ゆるりと訪れた眠気に身を任せ、目を閉じた。


身動きできる程度に回復した弓兵が目を覚まし、青い槍兵の腕の中にいる現実に驚いて思わずUBWしてしまって魔力を使い果たしマスターに怒られるまで、あと6時間。
UBW事故から立ち直った槍兵が、ことの顛末を知った某アサシンに闇討ちされるまで、あと8時間。
弓兵が槍兵をかばって某アサシンに申し開きしつつ盛大にノロケてしまい、槍兵が感激の涙を流すまで、あと8時間半。

「平和だなあ…」
これでも汎人類史修復中なんだがね。
事情を知りながらもちょっとだけ距離を置いて、青髪のドルイドが呆れたように呟いていた。

Comments

  • 月城 紗弥
    October 19, 2023
Potentially sensitive contents will not be featured in the list.
© pixiv
Popular illust tags
Popular novel tags