3月限りで終了するJR九頭竜湖駅の乗車券類の販売窓口=3月23日、福井県大野市朝日

JR九頭竜湖駅に到着した越美北線の列車。複数枚の入場券を買い求める乗客もいた=3月23日、福井県大野市朝日

 福井県大野市朝日のJR越美北線九頭竜湖駅で行われてきた乗車券類の窓口販売が、3月限りで終了する。今後は同駅から乗車する場合、他の無人駅と同様に降車時の車内で精算する。越美北線で唯一、手売りの窓口販売が残る駅だっただけに、鉄道ファンからは「残念」と惜しむ声が上がっている。

 市交通住宅まちづくり課によると、同駅は「簡易委託販売駅」としてJR西日本から乗車券類の販売業務を受託し、市は隣接する道の駅「九頭竜」の指定管理者に委託してきた。JR西日本は2020年、同駅の将来的な運営体制を「主として乗務員へ対応をシフトする駅」に分類する方針を発表。同市のJR越前大野駅も22年の「みどりの券売機」導入で窓口販売が終了したことから、越美北線で窓口販売を行う駅は、ハピラインふくい管轄の福井駅を除いて九頭竜湖駅のみとなっていた。

 3月末までは、道の駅の従業員が列車出発の20分前に開けた窓口で、乗車券や定期券などを購入できる。4月以降は乗客が乗車時に車内で整理券を取り、降車時は運賃箱に運賃を納める形に変更される。

 「さまざまなレアな切符を買ったり、販売員との会話が楽しかったりと、九頭竜湖駅の窓口は思い出深い」と話すのは同市の鉄道愛好家、木下大悟さん(43)。「窓口がなくなるのは非常に残念だが、長年お疲れさまでしたと言いたい。乗車券には日付と駅名が記されるので、(窓口販売最終日の)3月31日に買いに行きたい」と話していた。

⇒「恐竜列車」出発進行! 福井鉄道福武線のほくぎんダイナソートラム

「レアもの」入場券求め鉄道ファン続々

 JR九頭竜湖駅では、乗車券類の窓口販売終了に伴って、入場券の販売も終わる。4月からは入手できない“レア物”の入場券を手に入れようと、県内外から鉄道ファンが続々と訪れている。

 23日午前11時5分、同駅からこの日2便目の列車が出発した。発車前の窓口では、乗車券のほかに入場券を買い求める客の姿があった。窓口担当者によると、3月に入って入場券を買い求める乗客が増え、1人で複数枚購入する人もいるという。この便の乗客12人のうち、5人が計13枚を購入していった。

⇒福井新聞「D刊」3月のおすすめコンテンツはこちら

 全国各地の駅巡りが好きだという東京と北海道の男性(ともに19歳)は、窓口販売終了の話を聞きつけ、急きょ1泊旅行を計画し入場券を買い求めに来たという。東京の男性は「買えてすごくうれしい。九頭竜湖駅を訪れた証しになる」、北海道の男性は「無事に買えてよかった。来たかいがあった」と満足げだった。