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は、と溢れた息はどちらのものだったのか今ではもう分からない。
隙間なく密着した体は互いの昂りを如実に伝えて、その事実にさらに体の熱を上げていく。
ーーお前が俺に/オレに興奮している!
心臓は激しく打ち、呼吸は忙しなく、なのに抱擁が強すぎて呼吸がうまく継げない。
くらり、と酸欠で目の前が暗くなっていく。
「〇〇ちゃん、またねー」
遠くなりかけた意識の隅で耳が外の音を拾った。
甲高い子供の声に、はっとする。
扉一枚隔てた先にはありふれた日常が存在していることに、今になって背徳感が湧き上がる。
それは罪悪感とともに自身が抱く昏い欲望を自覚させてぞくりと肌が粟立つ。
自覚したそれが具体的な欲求を喚び起こし、それに従うように相手の背に回した手のひらをそろりと動かしていく。
背中全体を覆う筋肉の滑らかな隆起を服越しに堪能し、肩甲骨の固い出っ張りを越え、背筋に沿って指を撫で下ろした。
指が敏感な箇所を掠めたらしく、びくりとその背が強張る。
思わず漏れた笑みの気配を感じ取ったのか、む、という小さな唸り声が聞こえる。
ふいに、ぐいっと体が引き離された。
「?」
離れる体温が名残惜しくて見上げれば、こつり、と額を合わせてきた。
合わせた額は発熱しているかのように熱く湿っぽかった。
「こんな場所でサカりおって、このケダモノめ」
「は、お前が言うな、だろ?」
合わせた互いの目の中に、ギラリと瞬く情欲の炎を見て取って、二人はニヤリと笑いあった。
End
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