巨人・エース山崎伊織の右肩故障、ルーキーの開幕抜擢でわかる「優勝どころではない」チーム事情
■伸び悩んでいる期待の24年ドラ1 野手陣にも不安要素は多い。攻守の要の吉川尚輝は昨年10月に両股関節を手術。実戦復帰に向けて順調に調整しているが、1軍昇格はもう少し時間が掛かりそうだ。浅野翔吾は春季キャンプ中に右ふくらはぎの肉離れで戦列を離れてリハビリ中。リチャードは3月11日のソフトバンク戦で左手に死球を受けて中指を骨折し、やはりリハビリに励んでいる。 オープン戦で浦田俊輔、育成枠の平山功太や宇都宮葵星といった若手の活躍が目立つのは明るい兆しだが、気掛かりなのは24年のドラフト1位で若手成長株の石塚裕惺だ。新人の昨年、イースタンリーグで55試合に出場して打率.327、3本塁打、25打点の好成績を残し、シーズン終盤には1軍でもプロ初安打をマーク。今年は三塁の定位置奪取を目指していたが、オープン戦では13試合出場で打率.100と低迷している。 巨人OBは「結果を出そうという焦りから、思い切りの良さが失われて打撃のバランスが明らかに崩れている。甘い球に手が出ず、追い込まれて当てにいくようなスイングになってしまっている。チームの将来を考えると起用し続ける価値がある選手ですが、今の打撃で1軍に生き残るのは厳しい。三塁は坂本勇人がスタメン起用される可能性が高いと思います」と指摘する。 ■他球団スコアラーは捕手の起用法に注目 他球団のスコアラーは、今年の巨人について、こう指摘する。 「阿部監督が就任した24年にリーグ優勝を飾っていますし、坂本、田中将、丸佳浩を筆頭に勝ち方を知っている選手が多い。気になるのは捕手の起用法です。昨年は岸田行倫、甲斐拓也を併用する形でしたが、他にも大城卓三、山瀬慎之助、小林誠司と能力の高い捕手がそろう中で、今年はどのように起用していくか。巨人の投手陣は新戦力が多いので、配球を組み立てる捕手が大きなポイントになると思います」 データ量が増えた現代野球では、捕手の重要性が高まっている。WBCで大会初優勝を飾ったベネズエラはサルバドール・ペレス(ロイヤルズ)、ウィリアム・コントレラス(ブルワーズ)とメジャーを代表する2人の捕手の好リードが光った。巨人のライバルで球団史上初の連覇を狙う阪神は、侍ジャパンに選ばれた正捕手の坂本誠志郎がいるが、リードに定評がある伏見寅威を日本ハムからトレードで獲得している。巨人は昨年、正捕手格の働きを見せた岸田を今年もメイン捕手に据えるのか、投手の特徴を考えながら複数の捕手を起用するのか。 3月27日からの開幕3連戦は昨年のリーグ覇者・阪神と激突する。投打に脂が乗り切った選手が多い阪神のリーグ連覇を予想する声が多い中、巨人は春先のスタートダッシュで強いインパクトを相手に植えつけられるか。今季を占う大事な戦いになりそうだ。 (ライター・今川秀悟)
今川秀悟