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カミーユ・ビダン(U.C.105)/Novel by G・はむすたー

カミーユ・ビダン(U.C.105)

953 character(s)1 min

宇宙世紀105年。
あの出来事を

もし結ばれて
もし二人の間に子が生まれていた場合に
カミーユが見ていたならば~……?

という妄想SSです。

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『一般人に多少の被害を与えたことは、衷心からお詫び致したい。しかし、地球に住むひとびとにも解かって頂きたいのは、地球に人類が住むことは、罪悪であると考える時代であることを、心から理解していただきたいのである――』

 港のラウンジ、その大型ディスプレイ全てに表示されている……かつてのジオン軍エンブレムを想起させる様なシンボルマークと共に、野太い男の声かと思えば若い男の声にも変わる……酷く不細工なノイズ混じりの合成音声がスピーカーから響き続ける。

「……」

 理知的であり整った美しい容姿の少年……いや、スーツを着こなした彼。男性の実年齢は既に三十代半ば。童顔でこそあるものの、その目つきの鋭さや若干深い眉間の皺は実年齢以上の経験をして来たと推察できるだろう。

「マフティー・ナビーユ・エリン……」

 きゅっと結ばれていた彼の唇が開き、呟いた言葉。
 その意味は合成音声のように複数の古い言語の継ぎ接ぎであり、そう考えるのであればまあ一応、理解は可能と言える。

 だが、その行いは――と、彼がつい癖で思案に耽りそうなところで声が掛かった。

「カミーユ!」
「……ファか」
「もう! やっと落ち着いたかと思ったのに。近頃また難しい顔をするようになっちゃって」
「あの温かな光に照らされてもなお、人は同じ過ちを繰り返す」
(アムロさんにも、あの……クワトロ大尉ですら実現できなかったことを……何故、自分には可能だと思えるほど増長してしまうんだ……?)

 カミーユと呼ばれた青年は眼鏡を直す仕草をし、腹の奥底より噴出しそうな感情を抑え込む。

「……カミーユ、苛立つのは解るけど」
「パパ、お顔が怖いよ?」
「ううん、大丈夫。今の僕には二人が居るから、ファが僕を連れ戻してくれたから。……精一杯、この幸せを守るよ」

 そう言って青年は屈み、自分をパパと呼んだ幼い少女の頭を優しく撫でて微笑んだのちに、最愛の妻と娘を連れ立ってスペースコロニーの宇宙港を後にする。

(ニュータイプ……人類の革新……。でも、人の心が覗けたところで相手に対話の意思が無ければ意味がない。そのうえ醜悪なものまで見えてしまって、本質的にはとても優しい人なのに、それで嫌になってしまったんでしょう……? クワトロ大尉……)

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