「朝から泣きやがって」障害者施設の利用者の顔面に“膝落とし”、片目失明させた元職員に有罪判決
●「朝から泣きやがって」
被告人質問では、事件当時の心情も語られた。 利用者への介助がうまくいかず悩むことがあっても、「こういう職場なので、みんな同じだろう」と考え、同僚や上司へ相談することはなかったという。 被害者については、介助の際に手をつねられたり抵抗されたりすることがあり、「またやりやがって」と思うようになった。その感情は「怒り」だったと表現した。 しかし、その感情を周囲に相談することも、他の職員の対応方法を確認することもなかった。 事件当日、早朝のオムツ交換のために部屋に入ると、被害者は「イヤイヤ」と泣き出した。 それを見た被告人は「朝から泣きやがって」と怒りを爆発させ、オムツ交換を終えて床で仰向けになっていた被害者に対し、立った状態から膝を落とした。 被害者は大声で泣き出し、左目から出血していた。しかし被告人は事態を受け止められず、血を拭いただけで看護師に報告することもなくその場を離れた。 その後、施設管理者の聞き取りを拒否したり、否認を続け、逮捕されるまでの約3カ月間、施設で勤務を続けた。 被告人は「逮捕まで事態を受け止められなかった」と供述したが、その間どのような心境で働き続けていたのかは明らかにならなかった。 最後に、精神科への通院を続けることを誓い、被害者への謝罪の言葉を述べた。
●被害者の親が問う「どういう志で介護職を選んだのか」
裁判の最後には、被害者の親による意見書が検察官によって朗読された。 被害者は幼少期から何度も手術を受けてきた。本人はもちろん、親も必死に支えながら生きてきたという。 被害者の楽しみはテレビや動画を見ることだった。しかし今回の事件によって、視聴が一部制限されることになり、落ち込んでいるという。 親は、「子どもが安心して生活できるようにと選んだ施設で恐ろしいことが起き、そこを選んだ後悔から、ふと涙が溢れることがある」とした。 そして被告人に対し、こう問いかけた。 「どういう志で介護職を選んだのか」 「職責を理解していたのか」