アイドル「それは彼女さんが悪いと思います」
頭をからっぽにして読むと良い感じです。
ちょっと今更感のある内容
反響のあった作品の続きを書いていましたが、あまりにも時間がかかっていたため一旦中断してこちらに取り掛かることにしました
クオリティを下げないように仕上げたい思いがありますので、もし気づいても見なかったことにしてくれると嬉しいです
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プロデューサー「────というわけで、ぜひとも283さんのアイドルさんの中から役に合いそうな方を選んで頂きたく───あ、こちら配役の雰囲気を少しでも掴みやすいようにと、選定用の台詞も少し用意させていただきました」
────────
ドラマ出演のオファーが来た。
題材は恋愛もので、うちからは主人公の彼氏の女友達を演じて欲しいとのことだ。
先方曰く、かなり俺の腕を信用してくれているようで、こちらで選んだアイドルを軽い面接ののち起用してくれるらしい。
期限は来週の金曜日。さて、誰にしようか...。
P「といっても、まだイメージがあんまりついてないんだよな......。うーん......とりあえず、もらったこの台詞を読んでもらうしかないか」
貰った資料とにらめっこしていると、事務所の扉を開ける音がした。
真乃「おはようございますっ」
P「おはよう、真乃!............」
真乃「ほわっ...プロデューサーさん......?どうかされましたか...?」
P「うーん......真乃に正直こういう役のイメージは無いんだが、何事も挑戦だよな......!」
真乃「......?」
P「実は─────」
────
真乃「わかりました......挑戦してみますっ...!」
P「ははっ、その意気だ」
P「っと、最初は相手役のセリフからか。まあ、ここは俺が───『最近さァ、思うんだよね』」
P「『もしかしたら俺、彼女と合わないのかなって───』」
真乃「ほわ......あ、『あんなにラブラブだったじゃないですか。何かあったんですか?』」
P「『や、なんつーか......たまに、ね?ほんっとたまーになんだけど......殴られたりとか、蹴られたりとか』」
真乃「『───っ!!そ、そんな、DVじゃないですか......!』」
P「『いやいやいや!そんなDVってほどじゃぁないよ、俺が悪いところもあるし』」
真乃「『い、いえ!それは彼女さんが悪いと思います......!Pさんは何も悪くないですっ...!...わ、私ならそんな思いはさせないのに......』」
P「『は、はは...真乃ちゃんがそう言ってくれて少し気持ちの整理ができそうだ。───そうだな、うん。やっぱりちょっと距離を置いてみることにするよ』」
真乃「『それがいいと思います...!......あ、あのっ』」
P「『ん?どうした?』」
真乃「『よ、よかったら......私のお家に来ませんか?......リフレッシュも兼ねて』」
P「『そうだなぁ...最近遊んでなかったし、たまにはいいかもな』」
真乃「『────ふふっ』」
────
P「────で、どうだった?演じてみて」
真乃「そうですね......あんまりこういうのは演じたことがないので......プロデューサーさんから見てどうでした?」
P「そうだな......確かに、新鮮な感じはあったよ。でも、真乃からは可愛い後輩って雰囲気が出てたから、あんまりこの役にあってるとは言いづらいかな」
真乃「ほわわ......そんな、可愛い後輩だなんて......」
P「......うん、やっぱりもうちょっと他の人にもやってもらおうと思う。真乃も協力してくれてありがとうな」
真乃「はいっ、ありがとうございました......!──ところで」
P「ん」
真乃「プロデューサーさんはその...私のお家に来てくれる予定とか......」
P「どうしたんだ突然...あ、さっきの台詞の話か?ははっ、そうだなぁ......うん、近いうちにまた、挨拶に行くよ。積もる話もあるだろうし」
真乃「はいっ...待ってますから......!──お父さんも、お母さんも」
────────
P「こうなったら手当たり次第に声を掛けてくか......意外な発見もあるかもしれないしな」
千雪「お疲れ様です──あ、プロデューサーさん......!」
P「千雪、おはよう。───うん、千雪にもやってもらうか」
千雪「......?何をです?」
P「実は先週─────」
────
千雪「なるほど...わかりました。私もやってみてもいいですか...!」
P「ああ、もちろん!じゃ、これが台詞だけど、台詞に縛られずのびのびとやってくれ」
千雪「はいっ...!」
P「ごほん───『最近さァ、思うんだよね』」
P「『もしかしたら俺、彼女と合わないのかなって───』」
千雪「『そんな......Pさん、何かあったんですか?』」
P「『や、なんつーか......たまに、ね?ほんっとたまーになんだけど......殴られたりとか、蹴られたりとか』」
千雪「『───っ!!そ、そんな、暴力なんてひどいっ......!』」
P「『い、いやいや!そんなDVってほどじゃぁないよ、俺が悪いところもあるし』」
千雪「『......それでも暴力はいけないです......っ!せめて話し合うべきで......Pさんは何も悪くないと思います...!私ならそんなこと......!』」
P「『は、はは...千雪がそう言ってくれて少し気持ちの整理ができそうだ。───でもそうだな、うん。やっぱりちょっと距離を置いてみることにするよ』」
千雪「『はい、私にできることならなんでもしますっ...!......あの、それで提案なんですけど』」
P「『ん?どうした?』」
千雪「『よかったら今夜、付き合っていただけませんか?いいお酒をいただいたんです』」
P「『そうだなぁ...うん、たまにはいいかもな』」
千雪「『────ふふっ♪』」
────
P「──と、ここまでだな。うん、いい演技だったよ」
千雪「ありがとうございます......!最後の方はちょっとアドリブ加えちゃいましたけど......」
P「はは、大丈夫大丈夫。......でも、配役に推薦するかはまだ待ってくれると助かる。もうちょっと悩んでみたいんだ」
千雪「そんな──もちろんです...!あ、でも───」
P「お、何か気になるところがあったか?」
千雪「台詞でも言ってたんですけど、本当にいいお酒を貰っちゃったんです......!もしよかったら今度......」
P「おぉ、そうだったのか。はは、千雪がよければいただこうかな。声掛けてくれれば予定空けるから、いつでも言ってくれ」
千雪「本当ですか......やったぁ...!」
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P「真乃、千雪......うーん、ちょっと別系統のも聞いてみたい──」
円香「お疲れ様です」
P「うわぁっ、ま、円香。いたのか」
円香「いたのか、とはずいぶんとご挨拶ですね。それに、声を掛けられるだけでそんなに驚いて、何か見せられないことでもしていたんですか?」
P「いやいや!そ、そうだ!ちょうどよかった円香、実は────」
────
円香「──はぁ、それで私にですか」
P「ああ、ぜひ良かったら読んでみてくれ。はい、台詞」
円香「────もう少し方向性を絞るとか、そういうことはされないんですか?」
P「ああ、もちろんそういうことも考えたけど......あんまり自分の考えに囚われて、本当にいいものを逃しちゃったらもったいないな、とも思ってさ」
円香「そうやって思考を放棄する」
P「まあまあ、意外な発見も得られるかも知れないし、よかったら付き合ってくれないか?少しアレンジを入れてくれてもいいし」
円香「......いいですよ。どうせ私に拒否権は無いので」
P「はは...じゃあいくぞ?」
P「───『最近さァ、思うんだよね』」
P「『もしかしたら俺、彼女と合わないのかなって───』」
円香「『───珍しい、何かやらかしたんですか?』」
P「『や、なんつーか......たまに、ね?ほんっとたまーになんだけど......殴られたりとか、蹴られたりとか』」
円香「『───暴力ですか。いわゆるDVとかいう』」
P「『い、いやいや!そんなDVってほどじゃぁないよ、俺が悪いところもあるし』」
円香「『まあ、それだけのことをしたんでしょうね』」
円香「『だからといって、世間的に許される行為をしているとは思いませんが』」
P「『はは...円香がそう言ってくれて少し気持ちの整理ができそうだ。───でもそうだな、うん。やっぱりちょっと距離を置いてみることにするよ』」
円香「『──賢明な判断だと思いますよ。ところで』」
P「『ん?どうした?』」
円香「『これどうぞ。この間の紅茶のお礼です』」
P「お、お茶菓子!?円香、これって──」
円香「台詞」
P「あ、ああ。『お、お、お茶菓子...!ありがとな!』」
円香「『......お茶菓子のお礼は?』」
P「あー...『そうだよな。ちょうどいいし、紅茶を淹れるよ』」
円香「『ふ......上出来です』」
────
P「──円香はどうだった?」
円香「まあ、私にこの役は向いてないなと」
P「そんなことは無かったと思うぞ?あ、そうそう、これ返すよ」
円香「いりません。元々両親から事務所への差し入れだったので──中身はお茶菓子です」
P「そうだったのか...!嬉しいよ、ありがとう」
円香「いえ」
P「そうだ。さっきの続きみたいになるけど、このお茶菓子に合いそうな紅茶を淹れてくるよ。待っててくれ」
円香「────ふふ」