78期二回試験 振り返り
第1.刑事裁判
78期の2回試験では、事実認定と小問の大問2問構成でした。起案枚数は19枚程度だったと思います。事実認定は非常に書きにくかったです。
1.事案
事案は、Aが共犯者と共にV宅に入り、Vに暴行を加えて金品を持ち去った事案でした。この際のAの金品強取目的が要証事実でした。証拠構造は間接事実型でした。
2.思考過程
刑事裁判起案では、まず、積極的間接事実を検討して、その後必要であれば消極的間接事実を検討します。
まず、事案や証拠関係をみて思ったのが、推認力の高い積極的間接事実が全然ないというものでした。積極的間接事実があるにはあるが、どれも推認力が弱いのです。あと、客観証拠が何もないんです。ほぼ共犯者の供述に頼っている。これはいけない。できれば有罪で書きたかったのですが、このような事情から無罪で書くことを余儀なくされました。
あとから考えると、推認力が弱い間接事実でも、それらを多数積み上げることで有罪にもっていくという理論も一応あり得るのではないかと思いました。
3.記述内容
記述内容は以下の通りです。
1 要証事実と結論
要証事実は暴行時の金品強取目的
要証事実は認められない
2 判断過程
(1)間接事実1(AはVがAの250万円を着服したことを知っており、これを共犯者に伝えていたこと)
ア.反対仮説 Aは専ら別の目的を持っていた(守秘義務の関係で具体的には記載しない)
・犯行前、Aは別の目的を仄めかすの発言に終始
・Aは犯行前はっきりと共犯者に金を取れと命令していない
・犯行時Aは共犯者に金を探しとけと命令していない(共犯者供述の信用性を否定)
・犯行時、AはVに対して金を要求する発言をしてない
・AはVの内通者と対立関係
イ.反対仮説を排斥しきれない
ウ.推認力弱い
(2)間接事実2(Aは犯行後、V品から共犯者に報酬を支払ったこと)
ア.反対仮説 パトカーが来て急いでたし、共犯者が既に奪ってしまったのは事後的にはどうしようもなく、仕方なく渡しただけ
イ.推認力弱い
(3)間接事実3(Aは犯行後、共犯者に対しV品を捨てろと命令した)
ア.反対仮説 証拠品が発見され、自分が疑われるのがめんどいから、捨てるよう指示したけ
イ.推認力弱い
上記のような記述をしたのですが、反省としては、Vの目的は専ら金品強取目的以外のものだったという事実を間接事実1の反対仮説として書いてしまいましたが、よくよく考えると、その反対仮説というのは、間接事実1に対する固有の反対仮説ではなく、要証事実全体に対する反対仮説なので、消極的間接事実として整理すべきであったと感じでいます。
4.小問
尋問に関する小問でした。大したことないです。
第2.検察
検察は終局処分と小問です。
起案枚数は39枚でした。
【終局処分】
1.事案について
住居侵入と強盗殺人の事案でした。
2.思考過程
非常にオーソドックスな問題であり取り組みやすかったです。情状まで書ききることに成功しました。
3.記述内容
犯人性の記述は以下の通りです。(犯罪の成否と情状は割愛)
1.間接事実1(犯人はスパナを使ってVに暴行を加えているところ、それと同型でVの血液と毛髪がついたスパナをAが所持していたこと)
2.間接事実2(犯人は午前2時頃にV宅に立ち行ったところ、Aはその直前、V宅から46m離れており徒歩30秒のところに車で来ていたこと)
3.間接事実3(犯人はVから現金42万円を奪って逃走しているところ、従前困窮していたAは、本件犯行が行われた直後に各所に返済等をしていること)
間接事実1については、上記のように記載していますが、認定プロセスでは、犯人が使ったスパナとAが所持していたスパナは同一のものと認定しているため、間接事実1は、書き直すべきでしたが、時間がなかったので書き直しませんでした。
【小問】
捜索・差押時の写真撮影の適法性が出ました。
司法試験の刑訴で論点としてありましたが、忘れていたので、よくわかりませんでした。
第3.民事裁判
民事裁判は要件事実と事実認定が出ました。
起案枚数は30枚程度でした。
1.事案
典型的な二重譲渡事案です。
前主からXとYに対して建物が二重譲渡されていました。
前主→ X
↓
Y
2.本訴(XからYに対する請求)と反訴(YのXに対する請求)の訴訟物
本訴 所有権に基づく返還請求権としての建物明渡請求権
不法行為に基づく損害賠償請求権
反訴 所有権に基づく妨害排除請求権としての所有権移転登記請求権
3.反訴の主張整理
(YのXに対する反訴の主張整理)
訴訟物:所有権に基づく妨害排除請求権としての所有権移転登記請求権
1.請求原因
(1)Y建物所有
・前主所有
・前主とYの売買(先行売買)
(2)X登記
2.抗弁
(1)対抗要件具備による所有権喪失
・前主とXの売買
・X基づく登記
(2) 所有権留保特約
先行売買、代金弁済まで所有権留保する合意
3.再抗弁
(1)背信的悪意者(抗弁(1)に対して)
X背信的悪意者
(2) 虚偽表示(抗弁(1)に対して)
前主とXの売買は虚偽表示
(3) 弁済と代物弁済(抗弁(2)に対して)
・先行売買、代金1000万弁済
・先行売買、代金1530万代物弁済
4.再々抗弁(再抗弁(1)に対して)
背信性の評価障害事実
4.事実認定
要証事実 前主とYの売買(先行売買)
3型
認められる
理由
・固定資産税や管理費を毎月支払っている
・リフォームしている
・契約書はないし登記移転もしてないが、Xと銀行との間で所有権移転するなとの約定があるから作れなかなかたとの説明は一応合理的
・1000万円の支払いと1530万の代物弁済があるし、これは先行売買の弁済としてなされた可能性が高い
第4.民事弁護
原告側の最終準備書面起案でした。
起案枚数は31枚です。
普通の難易度だったように思います。
1.事案
Xが本件会社に建物を賃貸し、本件会社がYに対して賃借権を譲渡した事案です。
X→→本件会社→→Y
賃貸 賃借権譲渡
XからYに対して所有権に基づく明渡請求が行われました。
2.主張整理及び記述内容
主張整理は以下の通りで、以下の4つを争点として起案しました。
1.請求原因
①X所有
②Y占有
2.抗弁
占有正権原の抗弁
①Xと本件会社間賃貸借契約➕基づく引き渡し
②本件会社→Y賃借権譲渡➕基づく引き渡し
③Xの賃借譲渡承諾(争点1)or背信性不存在(争点2)
3.再抗弁
XY間賃貸借契約解除
①工事の条項違反
②催告➕相当期間経過➕解除の意思表示
4.再々抗弁
(1)X工事承諾(争点3)
(2)背信性不存在の評価根拠事実(争点4)
5.再々々抗弁
背信性の不存在の評価障害事実
3.小問
・立証活動
・民事執行・保全
明渡執行の申立先が執行官である条文上の根拠がわからなかった
・和解案
・弁護士倫理
第5.刑事弁護
想定弁論と小問です。
起案枚数は26枚で唯一途中退室しました。
普通の難易度でした。
1.事案
住居侵入事案でした。Wがいる事案でした。
2.想定弁論
以下のように記述しました。
第1 被害者の目撃した犯人の特徴と被告人の特徴が同じ
→上記事実は存在するが抽象的な一致に留まり、推認力に乏しい
・変遷・欠落のある被害者供述は信用できない。
・視認状況的にシャツの柄まで見えない
第2.被害者の目撃した自転車と被告人が乗っていた自転車の特徴が同じ
→上記事実は存在するが抽象的な一致に留まり、推認力に乏しい
第3.犯人が逃げた方向から被告人が来た
→上記事実は存在するが推認力に乏しい
・真犯人の存在可能性
第4.被害者宅に残された足跡と被告人が吐いていたサンダルの足跡同じ
→上記事実は存在するが推認力に乏しい
・被告人が吐いてたサンダルは広く流通するサンダル
3.小問
【第2問】黙秘に関する問題
【第3問】保釈に関する問題
【第4問】反対尋問に関する問題
【第5問】情状弁護に関する問題


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