筋ジス入所者死亡、看護師のミス認定 鳥取県「賠償前提に和解協議」
鳥取県は23日、医療型の障害児入所施設「県立総合療育センター」(米子市)で昨年3月に起きた入所者(当時14)の死亡事故について、有識者らでつくる医療事故調査委員会の報告書を公表した。報告書は看護師のミスを認定し、医師らを含め体制強化などの再発防止策を提言した。
調査委の会合は昨年7月から6回開かれ、医師や看護師らへの聞き取りも実施された。県は今月15日、遺族に報告書の内容を説明。今後、賠償を前提に和解協議を進める方針という。
報告書によると、昨年3月25日、難病の筋ジストロフィーで全身介助が必要な入所者を看護師2人が入浴させた後、高さ約70センチのストレッチャーから転落させ、左足を骨折させた。ストレッチャーをストッパーで固定していなかった。
入所者は脈拍などが安定しない状態が続いていたが、主担当医らは施設内での療養を継続。入所者は翌日、心肺停止状態で見つかり、搬送先の鳥取大医学部付属病院(米子市)で死亡した。骨折で骨髄の脂肪が血液に入り込み、肺の血管を詰まらせる急性疾患が死因とされている。
報告書は、入浴介助の専任者を配置することや、看護職員らの入浴介助業務に関する定期研修などを提言。転落事故後の医師らの対応を踏まえ、診療録の記載方法のルール化や、救急搬送先となる病院と事前に入所者の情報を共有したり、容体の変化などについて看護師が医師に相談する具体的な基準を明確にしたりすることを促した。
23日の県議会常任委員会で、藤田博美・県子ども家庭部長は「尊い命を守ることができなかった責任を痛感している」と謝罪。平井伸治知事は「ご遺族の皆様に誠意をもって対応していく」とのコメントを出した。