「その顔、見逃すな。」——刑事が見抜く薬物のサイン
みなさんはこの事件をご存じでしょうか。
埼玉県草加市の学習塾に全裸で侵入し、覚醒剤を使用した疑いで再逮捕された西村大輔容疑者は、犯行当時全裸で暴れまわり、1時間半ほどの間にひき逃げや車を奪うなど20件以上の事件や事故に関わったとして、最後は埼玉県内の学習塾に侵入したところを現行犯逮捕されました。
容疑者の異常な行動を伝えるニュースを見て、多くの人が容疑者の薬物使用を疑ったと思いますが、私は容疑者が検察庁に護送される際のその顔を見て、容疑者が覚醒剤を使用していることを確信しました。
刑事訴訟法では、逮捕後48時間以内に容疑者の身柄を送致書類と共に検察官に送致することを規定しています。
テレビでよく聞く「送検」という手続きですが、これは一般向けに分かりやすくした報道用語で、警察では単に「送致」と言います。
テレビの映像は、容疑者が検察庁に送検される際の映像ですから、逮捕から48時間以内であることに間違いはないのですが、逮捕時間が深夜であったりした場合、きっかり48時間後にしてしまうと、2日後の深夜では検察庁はまだ開庁していないので実質送検できないことになります。
そこで、48時間を待たずして送検するのが通常で、この容疑者も多分送検された時間が逮捕後から30時間くらい経過した日の朝なのではないかと推測します。
逮捕当時、容疑者はかなり「キマっていた」のでしょう。
「ガンギマリ」なんて表現しますが、いつもより覚醒剤を多く使用してしまったとか、いつもと違う使用方法をしてしまったとかいう理由でオーバードーズ(過剰摂取状態)を起こし、極度の興奮状態、錯乱状態におちいってしまったのだと思います。
そして、前述で送検時間の説明をした理由でもありますが、送検当日の容疑者の顔、あれが正に、逮捕されてから、つまり覚醒剤の使用をやめてから約30時間くらい経過した時点の、錯乱後の少し落ち着きを取り戻しつつある覚醒剤中毒者の顔そのものです。
まだ少し「キマった」状態です。
私は経験則から顔を見ただけでその人が覚醒剤を使用しているのかどうか(使用したことがあるのかも含め)わかります。さらに言えば、どんな薬物を使用しているのかもおおよそ見当がつきます。
そんな経験則を持たないみなさんでも、この容疑者の顔を見るとさすがに違和感を感じますよね?
顔色が少し冴えないかな、ちょっと口が半開きかな、言葉にすればそんな説明しかできず、逆に言えばこんな感じの人は普通にいるとさえ思えます。
それでも、やはりこの顔、どこか普通ではない違和感を感じることでしょう。
先日、某所のフードコートで、娘と二人でラーメンを食べていたのですが、私たちの向かい側のテーブルで食事をしていた仕事仲間とおぼしき3人組の男性たち。その内の一人に私は思わず目が留まりました。
他の二人は全く気が付いていませんでした。
というわけで、今回は「刑事の勘」みたいな話をしてみました。
本当は勘なんてものでもなく、もっとはっきりとした理由があって見分けているのですけど、それを説明してしまうと、当然例外もあるわけですから関係ない人にもあらぬ誤解を向けることになりかねず、言及は避けることとします。
いかがでしたか?
今回のテーマに限らず、自分の抱く違和感をもっと大切にしてみると、違う何かが見えて来るかもしれませんね。
それではまたお会いしましょう。


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