中南米やカリブ諸国、米圧力で「キューバ医療団切り」次々…現場混乱「救急外来はパンクする」
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中南米やカリブ海の各国が、活動を受け入れてきたキューバ医療団との契約を相次いで打ち切っている。米国がベネズエラ、イランに次ぐ標的としてキューバの体制転換を狙い、圧力を強めているためだ。キューバの医療サービスに長年依存してきた現場では、混乱が広がっていた。(グアテマラ中部イシカン 大月美佳、写真も)
悲鳴
首都グアテマラ市から車で約8時間。先住民が多く暮らす国境近くの都市イシカンの医療センターに勤めるキューバ人女性医師は帰国に向けた荷造りをしていた。「我々が『必要ない』と判断されたのであれば、従うしかない」と嘆いた。
医療団は長年、グアテマラでの地方の医師不足を補ってきた。だが、政府は2月、米国の要請を受け入れる形で年内の契約終了を決めた。4月以降、医師ら412人が帰国する。
同センターでは、勤務医24人のうち6割の15人がキューバ人だ。医師の募集を急きょ始めたが、反応はない。帝王切開などを伴う出産は月200件を超え、看護師が患者を診る異例の対応も視野に入れる。ラケル・ビジャトロ医師(46)は「救急外来はパンクし、妊産婦や新生児の死亡率が上がってしまう」と悲鳴を上げた。
急所突く米国
キューバは革命を率いたフィデル・カストロ元国家評議会議長が医療の充実に力を注ぎ、人口あたりの医師数が世界最多水準を誇る「医療大国」だ。政府によると、昨年4月時点で、医師ら2万4000人が世界56か国で活動している。
米国は、この医療団派遣を「搾取と強制労働」と批判する。米政府によると、キューバ政府は受け入れ国からの医療報酬のうち、75~95%を徴収。最大の外貨獲得手段として、年間約49億ドル(7800億円)の収入を得てきたとされる。
キューバの急所を突きたい米国のルビオ国務長官は昨年2月、受け入れ国の政府関係者らに査証(ビザ)の発給制限を科すと発表した。米政治専門紙ポリティコによると、医療団との契約停止国には、遠隔医療や医療従事者の採用を支援する見返りも提示している。
屈した10か国
受け入れ国は当初、「キューバ人医師と看護師はカリブ諸国の医療サービスの中核だ」(カリブ海東部のアンティグア・バーブーダ首相)と米国に反発したが、次々と圧力に屈した。打ち切りを決めたのは少なくとも10か国に上る。
キューバの孤立は深まっている。米国の石油輸入阻止で停電や航空便の運休が発生し、主要産業の観光業も大打撃を受けている。トランプ大統領は16日、記者団に「キューバは破綻国家だ。お金も石油もない。私はキューバを掌握するという栄誉にあずかるだろう」と勝ち誇った。
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