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「菓子」の枠超え始めたグミ カンロが掘り当てた大鉱脈

カンロ「ピュレグミ」(下)

ヒットの軌跡
「ピュレグミプレミアム」の「シャインマスカットスパークリング」(写真提供はカンロ)

空前のグミブームを呼び込んだブランドがカンロの「ピュレグミ」だ。かつては子どもが食べるものだったグミを、大人女性向けに提案。グミ好きの年齢層を引き上げた。ハート形のグミが示すように、顧客の気持ちに寄り添う商品性もファンが増えた一因だ。さらに拡張を続けるカンロの商品群は、グミが担い始めた「ビヨンド菓子」の役割を映し出す。(前回の記事<なぜグミはガムに勝てたのか レジ周り覇者の交代劇>)

商品特性を象徴する「すっぱいパウダー」「果肉食感」

ピュレグミの名前は混じり気がないことを指す「ピュア」や、果物をすりつぶして裏ごしした半液体状の「ピューレ」にちなむ。「果実感を重視した商品にふさわしいネーミング」と、カンロのマーケティング本部副本部長の木本康之氏はネーミングのいきさつを語る。

ピュレグミが2002年の発売当初から他社商品と異なっていたのは、大人の女性向けというターゲット設定だ。それまでのグミは国内市場では主に子ども向け。新たな顧客層を呼び込む、チャレンジングな商品設計だった。

発売当初のラインアップは「レモン」と「ピーチ」の2種類だ。続いて「グレープ」も投入。フルーツの味わいを前面に押し出すテーマ性に合ったチョイスが当たって、立ち上がりから好評を得た。

商品特性を象徴するのは、「すっぱいパウダー」と「果肉食感」だ。気分転換やリフレッシュに役立つ菓子類にはチョコレートやポテトチップスなどがあるが、甘さやカロリー面で敬遠されがち。そうした中、フルーツ感と酸っぱさが持ち味のピュレグミは新たな選択肢となった。

菓子業界では異例のマーケティング戦略

主なターゲット層にふさわしく、女性が好む輸入雑貨ショップのようなイメージをまとわせた。従来のガムが男性や喫煙者を主な購買層に抱えていたのとは対照的なポジショニングだ。見るからにジューシーなパッケージがコンビニエンスストアの店頭で目立ち、手に取る女性客が増えていった。

おしゃれでかわいいといった世界観を伴って売り出した点で、菓子業界では異例のマーケティング戦略を持っていたといえる。ブランディングの軸がブレなかった四半世紀が、ピュレグミのファンダム(熱心なファンのコミュニティー)を築き上げた。文具や雑貨で「ピュレグミ」とコラボレートした関連商品の売れ行きもファン層の分厚さを物語る。

「気分が上がる」という情緒体験を重んじる取り組みは、ピュレグミを特別な存在にしてきた。モチベーションやリフレッシュといった心理的体験価値を提供している点では、心を動かすという機能を持つともみえる。

 

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