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広告特集 企画・制作:朝日新聞社メディア事業本部

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「呼吸は人生最強の武器」 呼吸コンサルタントの大貫崇さんが語るウェルビーイング

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目次
  1. 呼吸でウェルビーイングになれる?
  2. 定点を知るツール
  3. 現代人は吸いすぎ
  4. 自分の体のスイッチを切る
  5. 具体的な呼吸法は?

呼吸は人間が生きるために欠かせないものです。しかし、24時間365日当たり前にやっていることだけに、食事や運動、睡眠に比べると意識を向けることは少ないかもしれません。ウェルビーイングを考えるうえでも重要な呼吸が果たす役割について、呼吸コンサルタントの大貫崇さんに話を聞きました。

大貫崇(おおぬき・たかし)さん

呼吸コンサルタント・アスレティックトレーナー

大貫崇

1980年神奈川県生まれ。1999年に渡米、タウソン大学運動学部を卒業後、2006年にフロリダ大学大学院で応用運動生理学の修士号を取得。米国のプロバスケットボールチーム「フォートワース・フライヤーズ」や米大リーグ「アリゾナ・ダイアモンドバックス」でアスレティックトレーナーとして働き、2013年に帰国。呼吸コンサルティングを手がける「BP&CO.」の代表として「呼吸専門サロン ぶりーずぷりーず」(京都市)などの事業を展開している。大阪大学大学院医学系研究科健康スポーツ科学講座では特任研究員を務める。著書に『勝者の呼吸法』、『「呼吸力」こそが人生最強の武器である』、『きほんの呼吸 横隔膜がきちんと動けば、ムダなく動ける体に変わる!』など。

呼吸でウェルビーイングになれる?

――大貫さんはウェルビーイングをどう捉えていますか。

ウェルビーイングは体と心が健康で社会的にも満たされている状態ですが、体と心と社会的なつながりをそれぞれ別の問題として捉えてしまう人がいます。そういった人はどれか一つにフォーカスしてしまいがちですが、どれか一つが整えばウェルビーイングになれるわけではありません。ウェルビーイングになる前提を見逃してしまっていて、実はそれにあたるのが呼吸です。呼吸はみんな毎日しているものなので困っているという自覚は少ないのですが、実は呼吸のせいでうまくいっていないことが多いのです。

――なぜ呼吸の大切さに気づきづらいのでしょうか。

人間は1日2万回ぐらい呼吸しています。それくらい当たり前にできてしまうからこそ意識しづらいものです。人間の体には状況に適応する機能があります。呼吸数が上がって緊張状態が毎日続くと、その状態が普通に思えてくるんです。適応した結果、実はしんどいけど、普通の状態だと認識してしまいます。これはとても厄介です。そうなると「あなた疲れていますよ」と指摘してもなかなかわからない。おかしいことが当たり前になっているんですね。

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定点を知るツール

――呼吸は無意識的にするものなので直すのは難しそうですね。

たしかに呼吸は自律神経によって制御されていますが、必ずしもそれだけではありません。たとえば健康診断の血液検査を考えてみてください。あの結果は自律神経によって調節されて出てきたものなので自分では制御できません。「ガンマGTPや血糖値が高いので下げよう」と自分ではコントロールできないじゃないですか。それは自律神経がコントロールしているからです。自分ではどうしようもないので、薬を飲んだりするわけです。しかし呼吸は自律神経によって無意識的に制御されている面はありますが、意識的にも制御できます。

――そもそも呼吸には正しい呼吸と間違った呼吸があるのでしょうか。

正しい呼吸はありません。間違った呼吸もありません。すべての呼吸は環境に適応した結果です。ですが人間の本来あるべき呼吸はあると思っています。特にストレスがかかっていないリラックスした状態です。その定点を知ることが大切です。定点がわからないと、その日の気分や調子で判断してしまいます。そこが問題です。

呼吸とは自分の状態を測る最も有益なツールだと思っています。状態というのはあいまいな言葉じゃないですか。数値化しにくいものが状態だと思うんですけど、これまで感覚だけに頼りすぎてきた。そこで自分の定点を知るのに有益なツールである呼吸に注目してほしいのです。人間本来のあるべき呼吸を理解して、例えば毎日自分の呼吸数を数えるとか、最低限できるようにしておくのが重要だと思います。

現代人は吸いすぎ

――現代人が抱えている呼吸の課題は何ですか。

呼吸は吸って吐くということですが、基本的に吸いすぎていることが問題です。吸うと交感神経優位になり、吐くと副交感神経優位になりますが、吸っている状態からさらに吸うということが起こっていて、うまく吐けていないのです。体やメンタルの不調、社会的なつながりでも吐けていないことによる問題が多いと思っています。うまく吐けるのが一番大事な一歩目だと捉えています。

――なぜ現代人は吐けないのでしょうか。

いろんな環境要因があると思います。現代人はいろんなストレスにさらされていますよね。たとえば職場の人間関係、睡眠時間、スマートフォンやSNSの普及など、いろんなファクターがありすぎて、これとは言い切れませんが、急激に変わる環境に自律神経が適応しようとしている結果、吸わざるを得なくなっている。吸うことで対抗するしかなくなっているのだと思います。

――大貫さんが呼吸に注目したきっかけは何ですか。

もともとアメリカのダイアモンドバックスというメジャーリーグのチームのマイナーで、アスレティックトレーナーをしていました。その時にとにかくケガの予防に力を入れていました。お金がたくさんあるチームではなかったので、現在所属している選手をとにかくケガさせないように、我々スポーツ医学のスタッフは勉強をしました。最先端のものを突き詰めて勉強していった結果、呼吸の大切さに気づきました。

ある時、スランプになった選手がいたんですね。打席で考えすぎて、バットが出なくなった時期がありました。そこで落ち着くような呼吸を試してみたら「スッキリした」と言って次の日にホームランを打ったんですね。呼吸を意識したことで調子が良くなって、考えすぎることがなくなったわけです。こういった経験から呼吸は、ケガとかパフォーマンスだけじゃなくてメンタルにも使えると感じましたし、決してアスリートだけではなく一般の人にも応用できると思いました。

自分の体のスイッチを切る

――ウェルビーイングには睡眠も大切だと指摘されます。睡眠と呼吸の関係は。

明らかに睡眠を取れていないとウェルビーイングにはならないですよね。睡眠はサーフィンのように自律神経の波にうまく乗れたらよく寝られるし、うまく乗れずにずれちゃうとよく寝られない。ということは自分で自律神経のコントロールをする必要があるんです。お風呂に入る時間を調節するといった方法がありますが、最も簡単で誰でもいつでもできるのが呼吸です。

呼吸を味方につけて自律神経を制御できるようになるとよく寝られます。副交感神経が優位になるはずのところでスマホを見ていたら交感神経が優位のままなので、本来眠りたい時間とずれてしまう。交感神経が優位でとても頑張って働いた日は、うまく吐いて落ち着かせる必要がある。つまり副交感神経優位の方に持っていくことが一番呼吸のやるべきことです。

みんなアロマをたいたり、音楽をかけたり、シーツを変えたり、体の外側のスイッチを切ろうと工夫するんですけど、自分の体のスイッチを切らないですね。昔は日がのぼって働いて日が落ちて寝るのが当たり前でしたが、今は日がのぼっても落ちてもずっと働いているじゃないですか。そうなるとその制御をあえて自分で意識的にする必要があります。それが呼吸ならできることをみんな意外と知りません。

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具体的な呼吸法は?

――具体的な呼吸法としてはどういうことに気をつければいいですか。

まず、「呼吸法」の前に人間本来あるべき普通の呼吸、つまり「きほんの呼吸」だと思っています。その上で、いつもリラックスしていられる状態として副交感神経が優位になっている必要がありますよね。そのメカニズムとしては吐いている時間が長ければ基本的にはいいので、吐く時間を長くすることです。最も簡単な方法は口をすぼめて頭の中で6秒数えながら吐く。そして吐き切ったあとにすぐ吸わないで3秒ぐらい止めてほしいんですね。吐いた状態に慣れてほしいので。吐くときに口をすぼめればすぼめるほど息が出るスピードが遅くなります。吐いている時間を長くするために時間稼ぎしてほしいんです。

そして吸うときは絶対に鼻から吸う。口を開けていいのは、しゃべっている時と笑っている時と食べている時だけ。あとは絶対に口を閉じてください。口呼吸は口を開けているだけで空気が入ってきてしまうので横隔膜を下げる呼吸が難しくなる。そうすると腰や肩、首が痛くなるなど、姿勢的な側面でも良くありません。そして口呼吸による歯周病菌の増大も大きな問題です。そもそも口呼吸をしなければならないほど吸わないといけないことは、普通に暮らしていればまずありません。

――呼吸を意識すべきタイミングはいつですか。

常日頃意識してほしいですが、例えば長時間のパソコン作業を終えた後の休憩の時。「ふー」と吐いて3秒止まるというのを1分くらい繰り返してもらうと、血圧や心拍数が落ちて、だいぶ変わると思います。

――ウェルビーイングにおける呼吸の役割とは何ですか。

ウェルビーイングにおける呼吸は本当に根底のところだと思います。身体や心のことはもちろんなんですが、今は社会的なつながりが希薄な状態と言われています。息が吐けてリラックスできていれば、社会的な「つながり」に関する問題にすら解決の糸口が見えてくるんじゃないかと思ってます。例えばいじめやあおり運転だったり、パワハラ問題であったり、そういった問題の根底に「息が吐けていない」状態があると思っていて、ウェルビーイングをスタートできる状態、つまり息が吐けた状態になっていくためには、まず「きほんの呼吸」を知ってほしいと思います。そこからじゃないとウェルビーイングが小手先のものになってしまいますよね。

――大貫さんは呼吸を「人生最強の武器」と表現していますね。

呼吸が最強の武器なのは自分の状態がわかるからです。まず自分が今どういう状態なのかを把握できるということに関して最強だと思います。しかも、誰もがやっていることだし、どこか特別なお店でないと手に入らない武器でもない。お金がなくてもできます。そして自分の状態を把握するだけでなく、自分でコントロールしようと思えばできるというのが強みだと思っています。

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