公立病院「9割赤字」の衝撃…診療の停止まで 人口が減る地域医療を守る“処方箋”を探る
物価高が続く中、私たちの健康を支える「医療」が危機に直面しています。特に公立病院は、東海3県(愛知・岐阜・三重)でみると9割以上が赤字という状況。 地域の医療を、どう守っていけばいいのでしょうか。 【動画でみる】財政難に苦しむ公立病院 地域医療を守る飛騨市民病院の取り組み 天井の雨漏りや床の亀裂…老朽化で悲鳴を上げる、各地の公立病院。 加速する物価高に収入が追いつかず、経営は火の車です。 「民間企業だったら倒産というような状況」という声も。 総務省のまとめでは、2024年度に赤字となった全国の公立病院は過去最高の83.3%。 愛知・岐阜・三重の東海3県でみると、なんと9割以上が赤字です。 さらに、過疎化が進む地域では医師不足も深刻化。 少子高齢化に抗う病院を取材すると、ある“処方箋”が見えてきました。
病院が自治体の財政を圧迫
愛知県碧南市にある、碧南市民病院。 地域の中核病院として救急医療などを担っていますが――。 「市民病院の開設以来37年間で、最悪の赤字額」(碧南市民病院 経営管理部 永坂智徳 部長) 物価の高騰や人件費の上昇などを受け、2024年度の赤字額は過去最大の14億円に。 2025年度は市の当初予算で投入された17億円が底をつき、補正予算で14億円が追加されました。 「実に30億円という巨額の繰入金をいただくという状況で、何とか病院運営をしている」(永坂部長) 結果として、病院の経営難は市の財政を圧迫。 国からの地方交付税に頼らず、安定した運営を続けてきた碧南市ですが、2025年9月に「財政非常事態」を宣言しました。 「歳入確保・歳出削減に取り組む“緊急行財政対策”を実施していく」(碧南市 小池友妃子 市長)
「痛みを伴う」病院改革
2026年1月、市議会の協議会で示された碧南市民病院の「緊急経営対策」は――。 「精神科・血液内科の診療停止、ならびに小児科の入院診療停止」(碧南市 企画財政部 生田和重 部長) 採算が取れていない診療科の停止や、夜間の救急体制の縮小に加え、医療機器の新規購入を一時的に停止する措置なども示されました。 こうした“痛み”を伴う病院改革に、市民からは――。 「(診療を停止する)血液関係の患者の中には『他へ行かないといけないから、時間も交通費もかかり大変です』という方がいた」(病院のボランティア) 「市民のために作った病院なので、利益がなくても、やらなければならないという面があるのでは」(碧南市民)