ANALYSIS

【分析】イランでの戦争に抗議、トランプ氏任命の高官が辞任する重大さ

イランでの戦争に抗議して米国家テロ対策センターのトップを辞任したジョー・ケント氏/Anna Moneymaker/Getty Images

イランでの戦争に抗議して米国家テロ対策センターのトップを辞任したジョー・ケント氏/Anna Moneymaker/Getty Images

(CNN) イランでの戦争を巡る保守派の運動内部の論争が17日、新たな段階に突入した。戦争を批判した米情報機関のトップが辞任したのだ。トランプ大統領が任命した政権関係者が戦争批判を理由に辞任するのはこれが初めてだった。

辞任したのは国家テロ対策センターを率いていたジョー・ケント氏。辞表の中でケント氏は、「良心に照らして、現在イランで続いている戦争は支持できない」と明言。政権はイランが「差し迫った脅威」をもたらしているとの虚偽の主張を行ってきたと示唆し、イスラエルが米国を戦争に引きずり込んだとの見方を強調した。また当該の戦争は「米国人の利益には一切ならず、国民の生命を犠牲にすることも正当化できない」と指摘した。

トランプ氏はこれを受け、「安全保障には非常に弱い」とケント氏を形容。「辞任するのは良いことだ」と評した。

では今回の辞任劇は一体どれほど重大な意味を持つのか?

メッセンジャーとしてのケント氏は相当に不完全な人物で、その経歴も順風満帆とは言えない。過去には連邦議会下院選に立候補して落選したこともある。その点を踏まえ、辞表におけるイスラエルへの広範な言及とも合わせて、本人の見解が具体的にどこから来ているものなのかは、ある程度警戒しておいた方がいい。

同時にこの人物は陸軍特殊部隊「グリーンベレー」出身で、トランプ氏が情報機関の要職にふさわしいと見込んだ人材だ。そして右派が米国による20年以上ぶりの大規模戦争に苦慮する中にあって、ケント氏はトランプ氏の支持層の中でも戦争に全面的には同意しないグループを代表する存在となる可能性がある。とりわけ戦争の長期化に対して、このグループは否定的な見方を示す。

果たしてケント氏は、自らの辞表で美徳の規範を示しているのだろうか。その内容は偉大な信念に基づいて書かれた過去の辞表に匹敵するものなのだろうか。例えばサイラス・バンスは1980年、国務長官を辞任する形で当時のカーター大統領に抗議し、イランで拘束された米国人の人質救出作戦への反対を表明した。この作戦は結局失敗に終わった。

ケント氏のケースが当時に相当するとは言えない。ただ同氏の動きがトランプ氏にとってのある潜在的な問題を示す兆候となっていることは確かだ。

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