米国をイランとの戦争に引き込んだのはイスラエル、辞任の元米情報機関トップが語る
(CNN) イランでの戦争を巡る懸念から国家テロ対策センターのトップを辞任したジョー・ケント氏は18日、イスラエルが米国をこの紛争に引き込んだと感じていると述べた。また米国の中東政策にイスラエルが広範な影響を与えているとの認識も示した。
ケント氏の発言は、辞任後初めてとなるポッドキャスト番組司会者タッカー・カールソン氏とのインタビューの中で出たもの。カールソン氏も同様に、米国のイランへの関与には懐疑的な姿勢を示している。
インタビューでケント氏は、ルビオ米国務長官の発言に言及。ルビオ氏は今月初め、イランが差し迫った脅威だとする理由について、イスラエルが攻撃すればイランは報復に出ると米国が認識しているからだと述べていた。ケント氏は、ルビオ氏の考え方には欠点があると指摘。イランが挑発もされずに攻撃に踏み切ると確信するだけの根拠がないのが理由だとした。
「つまり、(ルビオ)国務長官が言うところの差し迫った脅威とはイランではなく、イスラエルからのものだということか」と、カールソン氏は尋ねた。
「その通り」とケント氏は答え、「そして、ここからより広範な問題が見えてくると思う。一体誰が我が国の中東政策を決めているのかという問題だ」と続けた。
ケント氏には連邦議会下院議員選挙に出馬した際、ナチスに同調する白人至上主義者からインタビューを受けて物議を醸した過去もある。今回国家テロ対策センターのトップを退くに当たって提出した辞表では、イスラエル問題に重点的に言及していた。この辞表は内容が反ユダヤ主義的だとして、共和党のミッチ・マコネル上院議員をはじめとする多くの人々から強い批判を浴びた。
ケント氏はまたカールソン氏に対し、イランとの戦争に至るまでの過程で、「多くの主要な意思決定者がドナルド・トランプ大統領に意見を述べる機会を与えられなかった」と明かした。
ケント氏が指摘するところによれば、昨年イランの核施設への攻撃を実施した際には、作戦に先立って「活発な議論」が行われていたという。
当時とは対照的に今回のイランへの攻撃では、トランプ氏に状況説明を行う際、「妥当性を確認する」情報機関の役割が「ほとんど阻害されていた」という。
「彼らは密室で議論を行い、反対意見を述べる機会は全くなかった」と、ケント氏はポッドキャスト番組の中で振り返った。
さらにケント氏は、死亡したイランの元最高指導者ハメネイ師が生前に同国の核開発計画の抑制に動いていたとも述べた。
「私は故ハメネイ師の支持者ではないが、彼はイランの核開発計画を抑制していた。同国が核兵器を保有するのを阻止していた」(ケント氏)
その上でケント氏は「彼を排除し、強硬手段で殺害するなら、国民は現体制を中心に結束してしまうだろう」と言い添えた。
カールソン氏からイランは核兵器を保有する寸前だったのかと問われると、ケント氏は「そうではなかった」と答えた。その一方で、「核開発計画を完全には放棄しないこと」がイランの戦略だったとも付け加えた。
約40年間、最高指導者としてイランを強権的に統治したハメネイ師は先月、米国とイスラエルによる合同攻撃で殺害された。