タブレットは「品位」を欠くのか 本会議で使用不可、解禁求める声【政界Web】
時事通信政治部 木下悠太
衆参両院本会議場でのタブレットなどデジタル機器の使用解禁が、国会改革のテーマの一つとして改めて注目されだした。現在は「品位」がないとして認められておらず、登壇者は質問事項を書いた紙を手にし、議席でも配布された紙を見るのが普通の姿だ。社会でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、議員たちの動向を追った。 【写真】タブレットを使用する滋賀県議会の議員たち ◇先例重視の国会 直接の契機は国民民主党の玉木雄一郎代表の発言。高市早苗首相の施政方針演説など政府4演説に対する各党代表質問が行われた2月25日の衆院本会議で、「自民党総裁として衆院議院運営委員長に指示を出し、本会議場でタブレットを使うことを認めてほしい」と壇上から訴えた。 本会議場でのデジタル機器の扱いは、衆院では持ち込みが認められているものの、使用は不可。参院は持ち込み、使用とも禁止されている。 その根拠について、衆院事務局は「規則や先例の趣旨に基づく」(議事部)と説明する。審議中の携帯電話の使用を禁じた1996年の議運の申し合わせにも沿っているという。
「サイバーリスク」も根拠
パソコンの普及に合わせ、デジタル機器に関する改革は国会でも進んできた。衆院では2020年、各委員会でのタブレットとパソコンの使用が解禁。24年には、質疑者と答弁者を除いて委員会室でのインターネット通信が許可された。参院の委員会でも22年、タブレットとパソコンの使用やネット接続が認められた。 当然、本会議場での使用についても議論されてきた。国会のDXを進めるため衆院の議運に設置された与野党検討会で24年3月、立憲民主党や公明党などが本会議場でのデジタル機器使用やネット環境の整備を提案した。 だが、自民党や共産党は「品位に欠ける」などとして賛同しなかった。当時、自民幹部は「本会議は予算や法律の成否を決める重い場所だ」と語っていた。 ネットに接続すれば、外部から指示や助言を受けることが可能になる。サイバー攻撃のリスクも生じる。これも反対論の根拠となった。 共産の小池晃書記局長は玉木氏の発言の翌日の記者会見で、「必要な改革はやるべきだ。ただ、タブレットは通信の問題や公平性の問題などがある」と慎重な考えを示した。