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「プロデューサーさんこれです!これ!こういうケースに美琴さんと一緒に乗ったんですよ〜!」
「美琴さんとこんな小さい場所で一緒にいたの世界で私だけですよ!羨ましくないですか!?」
「ははっ。にちか、あんまりはしゃぐと危ないぞー」
「うるさいなー、うわっ、...っと」
よろけて彼の肩に掴まる。少し顔を上げると見慣れたような、見慣れないようないつもの顔がそこにあった。
「プロデューサーさんの目線ってこのぐらいなんですね...」
そのまま、引き込まれてしまった。
離した唇からコーヒーの味が伝わってきた。
「い、今のはプロデューサーさんがどんな反応するか気になってためしにしてみただけですから!」
「...いや、でもにちか、そういうのはからかったりしてするものじゃないよ。」
「わ、わあ〜女子高生とキスして真面目な反応して大人ぶってる〜それ逆にキモいですからねー!」
「いや、その、そうじゃなくてさ...」
「それとも、好きでもない女にキスされて怒ってるんですか?悪かったですねーお姉ちゃんみたいな綺麗な女の人じゃなくてー」
「...違うんだよ、にちか」
ビールケースから降りて、はや足で帰り道を歩く。
『にちかは幸せになるんだ』なんて言葉を思い出す、愛してもないのに。
最低で大好きだった思い出が頭の中を駆け巡って、何周もしていく。
「にちか、傷つけちゃったならごめん」
腕を掴まれても振り向けなくて、鼻をすする音と少しぬぐった涙の跡で多分バレてるんだろうなって思って。
「少し寒いから、...ごめんな」
そう言って言い訳がましく後ろから慰めるように抱きしめられる。
解けた魔法に気づかないふりをして、騙されてあげていた。
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