現場から

リーフの外に出た途端、消えた船体 辺野古沖2人死亡、乗組員が証言

金子和史

 沖縄県名護市辺野古沖で小型船2隻が転覆し、高校生ら2人が死亡した事故で、乗組員の男性が17日、朝日新聞の取材に応じた。浅い海域を避けて沖へ向かい、波を受けて転覆したといい、「責任を感じている」と語った。

 第11管区海上保安本部によると、16日午前10時10分ごろ、辺野古沿岸の東南東約1500メートルの海上で、同志社国際高校2年の生徒18人を含む計21人が乗った小型船の平和丸(5トン未満)と不屈(1.9トン)が転覆。不屈船長の金井創(はじめ)さん(71)と、平和丸に乗っていた女子生徒(17)が死亡し、高校生と乗組員計14人が重軽傷を負った。

 男性は、普段は抗議活動に使われている「平和丸」にスタッフとして乗り込んだ。16日午前9時30分ごろ、不屈とともに辺野古漁港を出た。金井船長が出航可能と判断し、不屈の先導で平和丸も続いた。

 当時、名護市沿岸部には波浪注意報が出ていた。だが、男性は事故後に知ったという。「先週末から沖ではうねりが高い状態が続いていたが、特別危ないとは思っていなかった」

 米軍普天間飛行場の移設工事が行われている立ち入り禁止区域の外側を進む、往復約1時間のコース。2隻は大浦湾でUターンしたが、当時は干潮が近づいていた。

「逃げろ」という間もなく

 このため、帰りはリーフ(岩礁)を避けて、より深い沖を回るルートをとった。「浅瀬のリーフに船底が当たって進めなくなるのを避けるためだった」と男性は言う。

 事故は、リーフの外に出た矢先に起きた。平和丸を操船していた船長が「消えた」と叫び、前を見ると、200~300メートル先にいた不屈が見えなくなっていた。

 大きな波がうねり、直後にひっくり返った不屈の船底が見えた。周囲には、ライフジャケットを着た複数の生徒たちが海に浮かんでいた。

 助けに向かおうとしたが、平和丸もすぐに横からの大波にのまれ、海に投げ出された。

 「逃げろと言う余裕もなく、あっという間だった」

 男性は転覆した平和丸の船体につかまりながら浅瀬に流された。しばらくしてリーフに足が着いたため、船底に上り、生徒たちを引っ張り上げたという。その後、海保のゴムボートが救助に来て、生徒とともに辺野古漁港まで運ばれた。

 男性は3年前から活動に参加しているが、見学者を案内するのは月に数回程度だったという。「結果として2人が亡くなる事故を起こし、安全管理が行き届いていなかったと言われても仕方ない。責任を感じている」と話した。

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この記事を書いた人
金子和史
那覇総局
専門・関心分野
沖縄、平和、事件、司法
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    津田正太郎
    (慶応義塾大学教授・メディアコム研究所)
    2026年3月17日19時46分 投稿
    【視点】

    非常に痛ましい事故で、亡くなられた高校生と乗組員の方のご冥福をお祈するよりありません。 今回の事故は「抗議活動」ではなく「見学」の際に起きたとのことですが、名目はどうあれ、生徒たちが学校行事の一環として参加していたのであれば、安全性に関するより慎重な判断が求められたはずです。この点、ボートの運営側、学校側の判断の甘さがあったことは否めないように思います。教員が同乗していなかったというのも気になるところです。 本件をめぐっては辺野古での抗議活動との関連もあって、党派的な議論になりがちですが、基本的には学校行事の安全な実施という管理運営に関わる問題ではないでしょうか。もちろん、関係者の政治意識が安全性の軽視につながる判断をもたらしたのであれば、それは批判されるべき事柄ではあると思います。

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