“余命1年半”と宣告……私がカフェを始めた理由「がんの人たちの役に立ちたい」 ダウン症のめいっ子への思い『every.特集』
子宮けいがんで余命宣告されたことで、東京都内でカフェを開いた女性がいます。収支はマイナスで経営は簡単ではなく、痛みから調理は座ったままで、苦労は尽きません。それでもお店を続ける裏には、愛情を注ぐめいと、がんと闘う仲間の存在がありました。 【動画を見る】 【子宮けいがん】余命1年半と宣告された女性 私がカフェを始めた理由『every.特集』
■「マイナス経営」それでも…
東京・江東区にあるCafeスマイル。2024年にオープンした、アットホームなお店です。 店主は井上幸恵さん(55)。「痛いっ」と顔をしかめる場面もあります。「がんになって、余命宣告されて」と明かします。4年前、子宮けいがんのステージ4と判明。余命は、1年半と告げられました。 それをきっかけに井上さんは仕事をやめ、老後のための貯金でお店をオープンさせました。 井上さん 「お店の利益は正直、マイナス経営です。毎月10万円ぐらい」 体力が落ち、痛みもあるので調理は座ったまま。そこまでしてなぜ、お店を始めたのでしょうか。
■「接客業を」…めいの夢を叶えたい
それは妹の娘でめいにあたる、美裕さん(22)の存在があったからです。お店で飲み物とスイーツをテーブルに運び、お客さんに「おぼんは(使っちゃ)ダメだから」と言って和ませる美裕さん。生まれてすぐ、ダウン症と診断されました。 井上さん 「美裕がもともと、ケーキ屋さんとか接客業をやりたかったんですね。言葉が上手ではないので、接客は難しいと(学校に)言われた」 美裕さんは障害のある人のための就労支援施設で働いているので、このお店ではお手伝いです。それでも井上さんは「接客業をしたい」という夢を叶(かな)えてあげたかったのです。 井上さんから「これキティちゃんにお願いします」と託された美裕さんは、「ナポリタンです」とテーブルへ。目印はテーブル番号ではなく、ぬいぐるみです。 井上さん 「数字が苦手なんです。だからキティちゃん・ネコ・トカゲ・ウサギ(のぬいぐるみ)」
■注文ミスがないようにする工夫
さらに、注文ミスがないようオーダーはお客さんの手書きにするなど、苦手なことが多い美裕さんのためにさまざまな工夫をしました。 そんな中、美裕さんもおしぼりにメッセージを手書きしていました。美裕さんは「私が書きました。来てくれて『ありがとう』って。“感謝の気持ち”です」と言います。 井上さんは「たまに、それはダメでしょうって(言葉も)」と言いながら、温かく見守っています。