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The Works "記録" is tagged "槍弓" and "FGO時空".
記録/Novel by CSI

記録

1,427 character(s)2 mins

まだ、スタレコラボの時に書いたのと、槍男人情お江戸草子のと、耐魔力弱男のはなしとが、中途半端で残ってて、折角だし完成させようかな~とか、考え中
↓出来てない槍弓集に付け足しました。
未読の方、出来てない槍弓なら何でもいい方、よろしければどうぞ(*ᴗˬᴗ)⁾⁾
novel/21737442

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またこの夢か。
自室の寝台の上で目覚めたランサーは、もう一度目を閉じて考える。
サーバントは夢を見ない。だからこれ・・は夢ではなく記録の再生なのだろう。
冬木には何度か呼ばれているが、この記録を俺は持っていなかった。
いつぞやの分霊が、出し惜しみしていた記録、なのか。
それにしても出し惜しみが過ぎるだろう。
一回にまとめて寄こせや、と苛立ちながら毎晩、一日分の記録を見る。
冬木に呼ばれる時は、面白いもので、大抵イレギュラーがある。五次のメンバーで戦争もせず毎日のんびり過ごして飯を食うだけの平和な時もあった。この記録もそうだったようで、聖杯戦争はしていない?休戦中?で、やはりだらだらと日々を過ごしている。

「てなわけでよ、記録のすり合わせをししてみねえか?」
キッチンのカウンターで作業をしているアーチャーに問うてみた。
「何故、私が…箸で、指すな、行儀の悪い」
米粒のついた箸を味噌汁の椀に沈めて、ズズッと吸込む。
「てめぇと一緒に暮らしていたみたいなんだよ、俺。そんな事あるか?いや、あったんだがよ、」
ヘラっと笑う。
「お前は覚えてないか?」
「・・・」
ムスッとしたまま答えず、作業を続けている。
「その顔は、てめえ、さては覚えてやがるな?」
「・・・、だったら何だというのかね?まさか君は、分霊の全ての記録を保持できるとでも?持っていない記録が在ったとておかしな話でもないさ。ましてや記録が摩耗している私に問うなど、よっぽど暇なのかね。他にやる事はいくらでもあるぞ」
「おい、お前まで出し惜しみすんなや」
「だから、私の記録が、君のその・・記録と同じだとも限らんだろう」
「蕗の薹の天ぷら」
「む?」
「天ぷらならタラの芽も旨かった。蕨の煮物、行者大蒜の餃子。蕗の醤油漬け、あれだけは苦手でな。お前さんは「君にも食べられない物があったのか」とか驚きやがる」
作業の手は止めないが、フッと、少し表情が緩んだ。
「まだ記録は春までなんだが、やけに渋好みなメニューだよな。坊主はこういうの作らないだろう?」
「当り前だ。イリヤが嫌がる」
ニヤリとして、
「他にはどんな旨いもんを食わせてくれたんだ、教えろよ?又、ここでも食えねえかな」
「・・・私も…全てを覚えている訳では無い、からな」
作業の手を一旦止め、渋々といった顔で答える。
「キャスターに聞いたが、蕗の薹はブリテン島でも取れるらしいぞ。ちょいと摘んでくるから、味噌で炒めたの作ってくれよ」
「え、キャス、ターも、か?」
一瞬動揺する瞳をチラリと見上げて、
「この記録、キャスターは持ってなかった。今のところ、俺だけみたいだし他に教えるつもりはねえよ」
「そうか…」
「じゃあ、ま、そういう事で決まり、又後でな。ごっそうさん!」
ランサーはパンっと手を合わせてから席を立ち、トレーを下膳口に運んだ。
後ろからグチグチと文句を垂れるアーチャーを聞こえない振りで無視して、食堂を出る。
あの様子。キャスターに教えないと言った時の、ホッとした表情。
・・・覚えてやがるな。
俺も、初めて見た時はまさかと思ったし、分霊こいついい加減にしろ!と何度も止めようとして怒鳴ったりもしたが、日々の営みを淡々と見せられる内に、分かってしまった。
納得した。
それを、ここに持ち込むかどうか、膝を突き合わせて考えてみようや、なあ。
弓兵さんよ。

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