「辞めたい気持ちに…」日本ハム・水谷瞬はあの5年間を忘れない。「俺なら3日で治せる」佐藤友亮コーチとの二人三脚【コラム】
2024年に交流戦史上最高打率.438でMVPを獲得し、昨季はプロ7年目で自身初の2桁本塁打をマーク。今や球団を代表する人気選手となりつつある日本ハムの水谷瞬だが、3年前は「野球を辞めよう」と思い詰める時期もあった。23年12月の現役ドラフトでソフトバンクから加入し、北の大地でいかにして大きな変貌を遂げたのか。移籍3年目のシーズン開幕を前に、その歩みを本人の言葉とともに振り返る。(取材・文:正道駿介) 水谷瞬 生年月日:2001年3月9日(25歳) 身長/体重:193cm、103kg 石見智翠館では高校通算21本塁打を記録し、3年夏は島根県大会準優勝。2018年ドラフト5位でソフトバンクに入団した。ソフトバンク時代の5年間で1軍出場なしも、23年現役ドラフトで日本ハム移籍。24年交流戦MVP、オールスター初選出。25年3月の侍ジャパン強化試合で初選出され、オランダ代表戦で先頭打者本塁打を放った。
●「あの頃の5年間を忘れないために」
今年も新調した水谷のブラウンカラーのグラブ。その手のひら部分には「092」の数字が刻まれている。福岡市の市外局番だ。現役ドラフトでソフトバンクから加入1年目の24年以降、グラブを新調しても必ずこの数字を刺繍してきた。 「たかが市外局番かもしれないですけど、僕にとって福岡という街は育ててもらった街であり、苦しい思い出の街でもある。あの5年間がなければ絶対に今はない。それだけは断言できます」 北の大地で一気に覚醒を遂げた水谷。移籍1年目の24年の交流戦で歴代最高打率.438をマークしてMVPを獲得。昨季はプロ7年目で自身初の2桁となる12本塁打を放った。 金髪を高い位置で束ねた「パイナップルヘアー」など、個性的なキャラクターでもファンに愛される人気選手となったが、「あの頃の5年間を忘れないために」と、グラブにその数字を刻み続けている。 石見智翠館から18年ドラフト5位でソフトバンク入団。未来の主砲候補として期待されたが、入団から5年間で1度も1軍出場はなかった。 「不安ではありましたね。このまま終わるんじゃないかって。入団前に自分が思い描いていたプロ野球の世界でのイメージに全く乗っかっていなかった5年間でした」