その心臓は誰のもの2
キャス弓ショタ弓のはーとふる()パロディです。
エロはまだまだ先
これ、結果源氏物語かなって思ってます。
たとえ別世界で巡り合ったとしても、弓を幸せに出来るのは兄貴だけだと信じてる。
兄貴も種類でて、弓も影とかでたり、ほんと公式はどれだけ槍弓スキーの心をかき乱す気のんでしょうね美味しいです有難うございます!!(。-人-。)
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弟と再会した夜、久しぶりに2人で湯に浸かった。
たっぷりの湯に浸かるという贅沢に最初は2人とも萎縮していたものの、すぐにくつろぎお行儀よく身を清めた。すこし、ほんの少しだけ広い湯船のなかで泳いだのは遊ぶ暇すら無く必死に生きてきた彼らにしてみたらとても勇気のいる、ドキドキとスリル溢れる体験だった。
あてがわれた部屋は、まるで2人を最初から待っていたかのように子供用の服や物が多かった。かといって華美なものでは無く、趣味の良い実用的な物が多いのが兄弟はとても気に入った。
「兄貴、その」
「なんだ?」
最近すこしマセてきた弟はよくエミヤの事を兄貴と呼ぶようになった。だが不安な事や悲しい事があると、もじもじとしながら甘えてくる癖はまだ消えていない。それが微笑ましいと思う。
当てがわれた部屋にある2つの寝台は大きくてふかふかで、きっと小さな子どもが1人で寝るには幸せな環境ではあるのだが。
「・・・これ、この寝床さ、オレたちの前の家と同じくらいの広さじゃないか、服もきれいで新しくて、落ち着かなくて、だからさ、その」
不安そうな顔でモジモジとするシロウを見てエミヤはクー・フーリンが耳元で囁いてくれた言葉を思い出した。
人間界と神界との時間経過は異なる。神界に立ち入りクー・フーリンと問答していた数分は人間界では3日立っていたそうだ。少し留守にすると言いつけたが、3日は人間にとって全くもって少しではない。
たった1人、誰もいない暗くて狭くて寒い部屋に三日間1人でいさせてしまったことをエミヤは後悔した。
「ああ、こっちに来い。一緒に寝よう」
ぱっとシロウが笑顔になる。
すぐにエミヤがいる寝台に飛び乗り、照れ笑いしながらシーツに包まった。
ぽつぽつと取り留めのない話もろくに進まないうちに、兄弟はすぐに泥のような眠りについた。
「御子殿、彼が運命の人ですか?」
ディルムウッドから声をかけられ、クー・フーリンは酒を煽りながら満足そうに微笑んだ。
「ああ、やっと見つけた」
手に入れた、とはまだ言えない。
「兄弟仲睦まじいですね、よい心の持ち主なのでしょう」
ディルムウッドは出された夕食を無心で頬張る2人を思い出してふふと笑った。ほお袋を一杯にし、時折頬を汚す弟の顔を自分の服で拭うエミヤがまた愛らしかった。二人ともまともな食事というものに長い間ありつけていなかったので、一体その体のどこに入るのかと呆れるほど良く食べた。
「あいつは身内を猫可愛がりするタチだからな、血のつながりのある兄弟ではないようだが、関係ねぇ。血の繋がりより強いものはごまんとある」
「ええ・・・彼らもやっと安息の地を得られる事ができて本当によかった」
「・・・安息できるかねぇ」
これから行う儀式の事を考えれば、こちらは滾るものがあるがあちらはそうはいかないだろう。
ただの人間には神界の空気は甘すぎる。何もしなければあっという間に老化して死んでしまうだろう。神界の食べ物をまず口にさせたのでそのスピードはだいぶ緩くなった筈だが、それでも悠久の時を過ごす神達とは違い彼らには寿命がある。
「彼の弟はどうするのですか?」
「あちらは遠坂の家が伴侶を欲しがっていた。おそらく相性がいいはずだから、そこで契りをむすべるだろう」
先日会ったばかりの赤い少女を思い出す。
黒く美しい髪と愛くるしくも聡明な顔立ちは父親譲りの美しいサファイア色をしていた。
この世界でも同時期に存在するというのであれば、引き合わせてやりたいと思う。エミヤも引き合わせてやりたいが、念のため自分との契りを結んでからにしたい。
「御子の夢見が遂に現となるのですね」
ディルムウッドは我が事のように嬉しそうだ。
「・・・ああ、やっとだな」
いつからか夢に出来ていた、別の次元の聖杯とやらをめぐる戦争や奇妙な日常生活。そこにはいつも同じ顔ぶれが居たが、特に印象にあったのはあの赤い弓兵。この世界にも必ずいると探し続けて漸く見つけ出したのだ。今更手放すことなど到底考えられない。
「ただなぁ・・・」
唯一の誤算は、弟のシロウだ。
「あんなに仲がいいなんてきいてねぇ・・・」
一抹の不安をかかえ、クー・フーリンはぼんやりと月を見上げた。幸運Eは伊達じゃない。きっとこの不安はあたるだろうと残念な確信をしていた。
クー・フーリンの一抹の不安はあたった。
神官見習いとして彼らはフェルグスとディルムウッドの指示をよく聞き、とても熱心に働いた。それまでのぼろぼろになった服ではなく、神官見習いとして白くてゆったりとした服をひらひらとさせながら、洗濯をしたり掃除をする様子はかわいらしく、教育係として任命されたディルムウッドもすっかり二人セットで片時も離れない彼らにメロメロだ。
「二人とも休憩してください。御子殿がお茶にしようとおっしゃっていますよ」
「はい」
「はーい」
「シロウ、はいを伸ばすな」
「はーい」
「シロウ!」
「へへっ」
「あっ!逃げるな!」
「ディル!今日のお茶はなにー?」
「今日はりんごのお茶ですよ、シロウ殿」
パタパタとかけっこをしながら年相応にきゃっきゃと騒ぐ様子はほほえましい。
武官しかいなかったこの神殿は案外手入れする場所があったらしく、二人はなかなか仕事から離れることができない。なおかつたいていがセットで移動するため、なかなかクー・フーリンが手を出すことができないのだった。
「よう、調子はどうだ?」
今ではすっかり急ぐことをあきらめ、自分の仕事の合間をぬってのこの二人と過ごすお茶の時間が楽しみなぐらいになっていたクー・フーリンである。
「今日はマハとセレグレンの世話をした。二頭ともとても優しくて触り方を教えてくれた」
「オレも兄貴の手伝いした!あとあと、今日は文字も覚えて、計算もちょっとできるようになったんだぞ!」
「ふふっ。この二人はもう家事は問題ないですね、読み書きも飲み込みが早い。そろそろ魔術の修練に移行しても問題ないかと」
教師からの太鼓判を押され、二人は顔を見合わせてはにかんで見せた。
「そおか、良縁とはまさにこのことだな。将来が楽しみだ」
茶をすすりながらクー・フーリンも満足そうにつぶやく。
「俺の見立てじゃ二人には魔術の要素はあるものの、それぞれ癖が強いものだ。シロウの属性は剣と強化。エミヤは投影と固有結界だな」
「なっ!?」
それを聞いたディルムウッドがうろたえる。
「すごい特化した属性じゃないですか・・・!」
「お前たち、ちょっとこの粘土こねて自分の理想の武器を作ってみろ。ああ、食べ終わってからでいいからな」
簡単な適性検査はすぐに終わった。
シロウが作ったものは一振りの両手剣。わかりにくくはあるが出来上がったものの装飾と、ここは青でここは金でといった子ども特有の説明を聞いていくうちにディルムウッドの表情がこわばり、クー・フーリンの顔がやはりと納得顔となっていく。
「御子、この剣・・・」
「ああ、やっぱりな。坊主、お前この剣が実際にあるっていったら見たくないか?」
「ほんと!?だってオレが想像した剣なんだよ!?」
「実際にある、その剣の元にお前は返りたがっている。近いうちに騎士王とあわせてやろう」
「っ・・・!」
シロウが帰りたがっている。という言葉にエミヤは敏感に反応したが、興奮気味なシロウとディルムウッドは気がつかない。シロウは『ぼくがかんがえたさいきょうのけん』が実際にあることに感激しまくっている。
「お前のは双剣か、美しい形をしているようだな」
「あ、ああ。これは夫婦剣で、対になってるやつで・・・」
ぽつぽつと語る様子は先ほどまでの目を輝かせていたものではなく、どこかおろおろとしている。
「そういえば兄貴、いっつも大人を退治するとき枝2本つかってたもんな。あと弓もうまい!兄貴がいなかったらオレ餓死してたと思う」
お手製の弓矢で飛ぶ鳥を打ち落としたのを思い出し、シロウが楽しそうに語る。
しかしその隣で、エミヤは一人沈みこんだ顔をしているのだった。
その夜、どうしても眠れないエミヤは一人で美しい中庭にいた。
昼にあった出来事がぐるぐると頭の中をよぎりどうしても心が落ち着かない。
「眠れないか」
突然後ろから声をかけられ、幼い身体が文字通り飛び跳ねる。悲鳴が出なかったのは喉までつまったせいだ。
「っと・・・、悪かったな。そんなに驚くとは」
「い、いや、こちらこそっ!」
バクバクと跳ねる心臓を押さえつけながらエミヤが慌てて振り向くと、そこには同じように少し驚いた顔をしているクー・フーリンがいた。
「マスターも眠れないのか」
「ソレはやめろって言っただろ。御子呼びも禁止。敬語も禁止、クーって呼べ」
「だが、それでは・・・」
「本人がいいっつってんだ、お前が気にするこたねぇよ」
肩をすくめておどけてみせれば、シャラリとクー・フーリンの持つ杖が涼やかな音を立てる。
そこまで言われてしまえば仕方ないと、エミヤはため息をついた。
「俺の神殿とはいえその軽装じゃ夜は冷えるだろう。こっちこい、眠れないなら俺の話し相手になれ」
「く・・・、貴方も眠れないのか」
「まぁな、仕事が多いってのもあるし先のことも考えなきゃならねぇ。神だって人間とやってるこたぁかわらねってことだ」
名前を呼びかけて途中でやめたことを咎めることもなく、クー・フーリンはエミヤを自分の寝所に招き入れ所在無さげにしている子どもを軽々と抱き上げ腕に座らせる。
「うわっ!?」
「やっぱ冷えてるな・・・」
突然目線が変わったのと、そのままペタペタと身体をまさぐる手の暖かさに驚きまるで猫のようにエミヤの動きが固まる。目をまん丸にしながら腕の中でカチンコチンに身を硬くするエミヤをみて、こらえきれずにクー・フーリンは吹き出した。
「ま、マスター!おろしてくれ!」
「またソレか、まったくお前も頑固だな」
そのままカウチにゆったりと腰掛けると、すかさずエミヤは膝の上から逃げようとするがクー・フーリンはそれを逃がさない。逃げようとする方向をすかさず手で塞ぎ、それでは別の方向からとおりようとするとまたそれも塞ぐ。
「マスター・・・」
途方に暮れた顔をしながら背後を仰ぎみればそこには楽しそうな顔をした主人がいた。
「まぁ急くな、冷えた身体を温めるには人肌が一番だ」
きゅっと背後柄抱きすくめられ、背中からじんわりと大人の体温が伝わる。夜着から覗いてた足もクー・フーリンが手をそっと当ててやり冷え切った場所には体温を分ける。
「眠れないのは、シロウの事か?」
「っ、なんで」
「今のお前に腹芸は無理だ、昼の休憩からずっと集中力が散っていたのは直ぐにわかった。弟が離れていくのが嫌か」
「・・・わかっていた、ことだから。いつかは・・・」
図星をさされ、エミヤは向かい合ったまま俯いて必死に頭の中で自分に言い聞かせていた言葉を絞り出す。
「あいつの腹んなか、なんか埋めてあるだろ」
「マスターはそんな事までわかるのか?!」
「曲がりなりにも神だからな」
エミヤのあらためて驚いたと言う顔にしてやったりと微笑んでみせれば、褐色の少年は少しほっとして硬かった表情をすこし崩した。
「切嗣が、私達の養父が死にかけていたシロウを助けるために身体の中に黄金の鞘をいれたんだ。あれが無ければシロウは死んでいた」
だが、それにより切嗣は寿命が削られてしまったのか2人を助けて早々に亡くなってしまった。
不穏な言葉を残して。
「あの鞘はいつか、いつか返さなきゃいけないって、そうしたら、かえしたら、シロウは・・・」
それはシロウの死を意味する物なのか、幼い頭の中では全くわからない。文字も読めなかったためそのような契約が実在するのか文献を漁る事もできなかったし、今を生きる事に必死でそもそもそんなものを探す余裕などなかった。
そこまで聞いてクー・フーリンは合点がいった。切嗣という名は覚えてはいないが、今は滅びかけているアインツベルンの一族に婿入りした物が居たのを知っている。そしてその男は神のイザコザに巻き込まれどさくさのうちに鞘を持って姿を消した。
名高い暗殺者であったが、まさか死んでいたとは思わなかった。
「多分それは杞憂ってやつだ、問題ない。お前の養父に心当たりがある・・・鞘と無関係ではないが、お前の心配が的外れなのは確定だな」
人間が神界で長く生きられないと同様、神族も人間界では長く生きれない。神秘を糧として生きている者たちにそれが薄い人間界は空気がないのと一緒だ。そもそも死にかけていたのを鞘で保たせていただけだろう。
「・・・マスターがそう言うなら、大丈夫なんだろうか」
不安そうな顔はまだ続いているが、少しずつクー・フーリンの言葉に希望を見出している様だ。素直でよいとクー・フーリンはうなづいた。
「たとえ兄弟といえどもいつかは離れるときが来る。だがお前たちのは死に別れじゃねぇ、安心しろ」
「・・・わかった、その言葉を信じる」
「ん、いい子だ」
聞き分けのよいことのご褒美として抱き上げた子どもの頬にキスをする。
その行為の意味がわからない子どもはキョトンとした顔をするばかりだった。
「今のはなんだ?」
「は?お前キスもしらねぇのか」
「きす?」
キョトンとして首をかしげる。すっかり艶がよくなりさらさらの白髪がさらりとそれにつられるようにして流れた。
「大切な相手に気持ちを伝えるための表現だ。気持ちを伝えるのは言葉だけじゃねぇってことだな」
いいながら、今度は細い首筋に顔をうずめて軽いキスをする。
「んゃっ!」
やわらかい唇が当てられる感覚がむずがゆいのか、猫のような悲鳴を上げながら首をすくめてエミヤの体が逃げる
「ぶはっ!なんだその声」
あまりに可愛らしい様相にクー・フーリンが吹き出してしまうのは必然だった。
自分の口から変な声が出たことと、触れられた瞬間に耳の付け根からおしりまでの間にゾクゾクと走ったむずがゆいようなくすぐったいような感覚をはじめて味わったこと、さまざまな衝撃に頭がついていけずエミヤの顔が真っ赤になる。
「なんか、むずむず?した、なんだこれは、これはいやだっ」
なれない感覚をかき消そうとごしごしとキスされたところをこすりながら、クー・フーリンの腕の中から脱出しようとバタつくもその腕はびくともしない。
「まだお前には早いか、気持ちいいってよりかは擽ったいか?」
「よくわからないが、くすっぐったい!」
「ほーう、それは敏感なことだなぁ?」
「ひっ!?」
あまりに敏感な様子が面白くて、つい悪戯心が湧き上がる。
首筋に噛みつき、そのままおもいっきり息を吐き出した。
「ふやああっ!?」
先ほどキスされたのとは比べ物にならないほどの強い刺激にエミヤは悲鳴を上げた。
「ふはっ、やっつ!あははっつ!やだぁっ、んっ!んはははっ!」
首筋に噛みつく顎は外れないままジュルジュルとまるで吸うように何度もキスをされ、さらに肉厚の舌が何度も首筋から耳の付け根を往復する。
解るものが見れば閨の前戯にも等しいが、そんな知識も経験も無く身体の感覚すら未開発な少年にはただの悪戯でしかない。
まるでそれをごまかすように脇腹を弄るようにくすぐられ、もうエミヤは笑い悶えながら為す術がなかった。
ニヤニヤと見下ろす男を涙目になって必死で睨みつけるも、その拘束からは逃げられず、しまいには髪を引っ張ったり小さな顎でかぷりとお返しにとばかりにクー・フーリンに噛み付いても状況は変化することは無く、むしろますます悪化しもはや全身を撫で回されている。
息も絶え絶えになり、もう暴れに暴れて体力もなくなったころにようやく手は止まり、クー・フーリンの寝床にそっと横たえられた。
また手が伸びてきて、ビクリとエミアの身体が脅えるように縮こまる。
「っは・・・は・・・はぁっ、も、もう・・・もうやだぁっ」
荒い息、上気した頬、そして懇願する涙で潤んだ瞳。
まだ子どものうちは手を出さないと决めていたクー・フーリンでも、ぐらりとする色香がそこにあった。
伸ばした手は身体ではなく、乱れた髪をそっと直しそのまま愛おしそうに撫でるものだった。
「冷えも取れただろ、このままなにも考えずに眠れ」
シーツを被せられ、ごくごく当たり前にクー・フーリンの腕の中に引き入れられる。すっぽりとその腕の中に包まれ、ぬくもりに包まれた少年はすぐに睡魔に飲み込まれてゆく。
「でも・・・あさ、しろう・・・」
しかしエミヤは自分が寝床に居ないことで、また弟が不安になるかもしれないと必死に襲いかかる睡魔に逆らおうとする。
ゴシゴシと目元をこする手をそっと外してやりながら、クー・フーリンは優しく囁いた。
「少し早めに起こしてやる、そんときに戻ればいい」
「・・・ん・・・、わかった・・・」
「おやすみ、エミヤ」
「おや・・・す・・・」
腕の中にいる少年が睡魔に囚われたのを確認し、クー・フーリンはため息をついた。
ようやく二人きりになれたとはいえ、危うく手を出す所だった。
温めるという名目で全身を弄り、ついうっかり味見してしまった。あまりに可愛らしく腕の中で悶えるものだから、悪戯心を抑えることができなかった。
無防備な寝顔が愛らしい。弟と離れるのが不安で眠れなくなるなどまだ精神的に幼い部分もあるが、それは成長するに連れ育っていくことだろう。
その中に少しずつ、今のように気持ち良いことや触れられる悦びを混ぜ込んでい行くつもりだ。
今は愛される事を知らない子供がいつか全てを理解した時にはもう戻れなくなるようにする。
「おやすみ、エミヤ」
すうすうと穏やかな寝息を立てる愛らしいエミヤの額にキスをして、クー・フーリンも眠りについた。