【徹底解説】外国産米はなぜ安い?価格の裏側にある“見えないリスク”とは
こんにちは、米農家いち田です。
僕は、100年以上続く米農家を受け継いでいくために父が仲間たちと立ち上げた農業法人の一員として、日々米づくりに勤しんでいます。
※本記事は、こちらの記事の続きです※
「米価高騰」と「外国米の輸入拡大」について、構造的な問題とその未来への影響をまとめました。
そこでは「国産米が“選べない選択肢”になってしまうかもしれない未来」に触れましたが、今回はさらに、「輸入米そのものの安全性」について、もう一歩踏み込んでいきます。
お米って、生鮮食品ってご存じでしたか?
お米ってパッと見、乾燥してて水分もなさそうだから、日持ちしそうなイメージありませんか?
スーパーでも常温の棚に普通に並んでいますし。
でも、お米って生鮮食品なんです。
特に精米したあとはどんどん劣化が進んでいるんです。
そんなお米が、“何週間も”かけて海外から船で運ばれてくる現実
アメリカ、タイ、インドなどから日本へは、玄米や白米が数週間〜数か月をかけて船便で輸送されます。
当然その間、温度・湿度変動、害虫・カビ発生のリスクが非常に高まり、さらに密閉されたサイロやコンテナでは劣化の要因が山積します。
ポストハーベスト農薬の使用が一般的な理由
こうした長距離輸送に耐えるため、輸出国では収穫後に燻蒸剤や殺虫剤、防カビ剤が用いられます。
主な薬剤例は以下の通りです:
【燻蒸剤】リン化アルミニウム:水分と反応し、強力な殺虫ガス(リン化水素)を発生させ、害虫を駆除。AlP使用後に充分な換気が前提。
【殺虫剤】クロルピリホスメチル:コクゾウムシ等の害虫防除に使用。日本では0.1ppm以下の残留基準がある。
【防カビ剤】プロピオン酸など:輸送中のカビ抑制に使われることもある。
実際に検出された“薬と腐敗の痕跡”
① モニタリング違反事例から見える実態
厚生労働省・令和5年度輸入食品監視では、輸送時のカビ・腐敗による違反が全体の6.6%を占めており、米・小麦・大豆でも多くの事例が報告されています
⑤ 腐敗、変敗(異臭やカビの発生等)に係る違反状況(表8-⑤) 国別延べ件数では、米国 22 件(44.0%)、タイ 14 件(28.0%)、オーストラ リア7件(14.0%)と続いており、違反内容は、米国では小麦及び米が多く、 タイでは全て米であり、オーストラリアでは米が多かった。 また、品目別では、米 31 件(62.0%)、小麦 10 件(20.0%)、大豆6件(12.0%) と続いている。
【令和5年度における輸入食品監視指導計画 に基づく監視指導結果】
② カビ毒「アフラトキシン」は実際に米や米粉の輸入で検出
■アフラトキシンとは?
食品に寄生するアスペルギルス属のカビが生成するマイコトキシン(カビ毒)の一種。
分類:主にB1・B2・G1・G2があり、B1は最も強い毒性
規制値(日本):B1単体で10 μg/kg、合計20 μg/kg以下(食品による)
健康影響:肝障害、肝がんリスク増大、特に妊婦や乳幼児に影響大
品名:うるち米の粉
不適格内容:アフラトキシン 12 μg/kg(B1: 11.3 μg/kg、B2: 1.1 μg/kg)
措置状況:廃棄、積み戻し等を指示(全量保管)
【違反事例速報(令和7年度4-6月)ー輸入時における輸入食品違反事例】
③ ポストハーベスト薬剤の残留リスク
リン化アルミニウム由来のリン化水素(PH₃)は使用後に換気されれば残留はほぼゼロですが、輸送途中での換気不足・処理不備があった場合、微量ながら残留が検出されるケースもあります。
クロルピリホス残留の違反事例(うるち米、コーヒー豆等)も複数確認されており、農薬規制の厳格さが問われています。https://www.mhlw.go.jp/content/11135200/001297262.pdf
④ 腐敗・異臭・カビ・塊化などの事実
モニタリングで報告された違反内容に「異臭・カビの発生・塊化(塊になっていた)」といった物理的な劣化があり、これらは、保存管理が不十分だったことを示す証拠でもあります。
品名:その他のうるち精米
不適格内容:異臭、腐敗、塊化、変色及びカビの発生を認めた
措置状況:廃棄
…他多数
【違反事例速報(令和7年度4-6月)ー輸入時における輸入食品違反事例】
これらの輸入米はどのように消費者まで届いている?
政府による運営ルート(MA米・備蓄米など)
WTO(世界貿易機関)のミニマム・アクセス枠で輸入された米は政府が一括管理し、自治体・JAや大手卸への販売を通じてスーパー等に流通。
民間業者による輸入(枠外・関税付き米)
関税(341円/kg)を支払って米国などから輸入され、貿易商社や卸業者経由で業務用レストランや自社ブランド米としてスーパーで販売。
「輸送コスト」や「関税」がかかる外国産米がなぜ国産米より安くなるのか?
理由①:生産コストの圧倒的な差
人件費・地代・農機投資の単位コストが全く違います。
輸出国であるアメリカやタイでは大規模機械化で1kgあたり生産コストが日本の1/2〜1/3程度とも。
理由②:政府の補助金や価格補填制度の有無
アメリカでは「農業法(Farm Bill)」に基づく直接補助金・価格変動補填、タイなどでは輸出奨励金や国内買上制度など、「売れば売るほど損する」ような価格にはなりにくい仕組みがあります。
政府が安値を支えているケースが多いということです。
理由③:等級や品質の違い
輸入米は多くが加工・業務用グレード(例:ブレンド米・外食チェーン向け)
国産米は精選されたブランド米や一等米が中心
同じ「米」でも、品質カテゴリが違うため比較が成立しにくく、国産米は“食味・見た目・安心”が価格に乗っていると言えます。
理由④:関税は“枠外”だけに適用される
通常のミニマム・アクセス米(MA米)は、WTOルールの枠内で低関税 or 無税。
関税(341円/kg)は枠外輸入のみだが、近年は「SBS枠※」などで割安輸入も可能に。
※SBS(Simultaneous Buy and Sell)枠:政府が輸入と同時に売却し、実質関税を圧縮する制度。
理由⑤:輸送コストの割合は意外に小さい
輸送単価は、1kgあたり数〜10円ほど(船便でのバルク輸送)
常温・乾燥で保管できる米は輸送効率が高い
お米は 野菜や果物よりもコストインパクトが小さく、 海外→日本に届いても、まだ“割安”が成立する状況なのです。
まとめ
海外米には、長距離輸送に備えた薬剤処理が前提であり、実際にカビ毒や農薬残留、物理的劣化の事例が報告されています。
安全性は検査で担保されているものの、見えないリスクが残っていることも事実です。
また価格が低く抑えられている理由には生産コストの低いことや輸入コストの意外に少ないことのほかに、その国の政府によるサポートがあったり、もともと品質が高くないものもあったりします。
こういった事実をふまえた上で、消費者としても「何を」の前に「どう」選ぶか、ひとりひとりが選ぶ基準や目安を持っておくことがこれから特に重要だと感じています。
・・・でも、こういうことって誰も教えてくれないですよね。
表示とかもしてくれないですもん。
これってお米だけじゃないですからね。
食品全体でも言えることですし、むしろあらゆるもので言えることです。
「安かろう悪かろう」という言葉は過去の遺物かと思っていましたが、実は「悪かろうに気づかなかろう」になっていただけかもしれません。
よければスキやコメントで、あなたの感じたこと・気づき・共感を教えてもらえると嬉しいです。
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コメント
2これから農家の高齢化で耕作放棄地がかなり増えています。
また、鈴木農林水産大臣は米価格は市場で決めると言いつつ、米価格を高値維持する減反やお米券に積極的です。
更に5キロ4000円台、1キロ800円以上になると、関税1キロ341円の関税かかってもカルローズなどの米が日本米より安い価格で入ってきます。
個人的に思う事ですが、日本は戦後地主の土地を小作人に分け与え、小規模農家ばかりだから色々なコストを添加すると儲からない感じになると思います。
ならば、小規模農家や耕作放棄地を国が買い取り、大規模な土地を役割分担決めて農業法人として運営も必要なのかもと思います。
今のままじゃ、安いからと米流通業者も外国米を買い、日本米は買い付け高いし売れないから買わないとなりそうじゃないですかね?
それより問題なのが、1キロ250円以下で買えるパスタや食パンを食べる人が増え、米自体が主食じゃなくなる可能性もありますよね。
こちらは、もう米じゃなくて食パンやラーメンが主食になってて、1年以上米買ってないから、そういう人もかなり増えてると思います。
あと、結局は外国米の輸送でも日本米の倉庫保管でも管理が悪ければどちらも品質が劣化するから、日本米だから安全って訳ではないのかなぁと。
例えば台湾に輸出されるイチゴ、品質を保つ為にごく少量の農薬使うみたいですが、台湾ではその農薬濃度だと検疫通らないで廃棄となるものが多いそうです。
あくまで個人的な考えですが、日本産は安全、外国産は危険という風には自分は思ってないです。
外国産が危ないなら、かなりの部分輸入に頼っている小麦を使っているパンとか麺類食べれないです。
こちらは千葉ですが、安いところでは千葉県産の新米が税込み4000円、カルローズが税込み3000円で買えます。
友人はカルローズでも普通に食べれるよと言っているので、多少農薬入っていても害が無ければ拘らない人増えてくると思います。
働き方改革で残業が減り、空いた時間を趣味にお金を使い可処分所得減っているから、食は安く食べれたらなんでも気にしないという人増えたと思いますね。