詐欺罪で会社役員に懲役14年 通信傍受「捜査側に誤解」
土地取引を巡り、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の罪に問われた会社役員、天野遥被告(37)に東京地裁は16日、懲役14年(求刑懲役18年)の判決を言い渡した。捜査で用いられた通信傍受について「捜査機関が法令を誤解していた問題はある」としたものの、「証拠能力が否定される重大な違法はなかった」と判断した。
警視庁は逮捕前の2018年9月、共犯者の特定などを目的に被告の通話を傍受。弁護側は、容疑と関係ない内容のほか、被告の仕事に関する弁護士との会話も傍受したのは違法だとし、一部を証拠から排除するよう求め、無罪を主張した。
小野裕信裁判長は、傍受のやり方に一部問題があるほか、通話記録が被告の関知しないところで削除されていたと言及。一方で法の趣旨を意図的に無視していたとは評価できず、また話の内容や相手方の判断をするには一定の時間が当然必要だとして「証拠排除はしない」とした。
その上で、被告が詐欺の実行役よりも上位の立場にあったと認め「巧妙な手口で多くの被害者から多額の現金をだまし取ったのは悪質極まりない」と非難した。
判決によると、天野被告は氏名不詳者らと共謀。土地の所有者や管理者に買い取りを持ちかけ、税金対策の費用が必要などと偽り、26人から計約5100万円をだまし取った。〔共同〕